イ・ソンミン「私にはない‘ビースト’の本能を出そうとしたらストレスが溜まりました」
2019年06月25日

映画『ビースト(原題: 비스트)』はタイトルがたくさんの事を教えてくれる。希代の連続殺人魔を捕まえる為に暴走する二人の刑事の物語を描いた本作。事件そのものを追うというより、標的の前でうごめく人間の獣のような本能を暴くことに重点を置く。それは通常の犯罪スリラー映画と異なる部分だ。
俳優イ・ソンミンは殺人を隠蔽する代わりに殺人魔に関する情報を得るが、この事実に気づいたライバル刑事ミンテ(ユ・ジェミョン)に追われ奈落の底に落ちていく刑事ハンスを演じた。
24日に行われたインタビューにてイ・サンミンは、「シナリオを拝見した際、ここまで大変だとは思わなかった。なにしろ重かったし、感情が暗いから撮影をしながら多くのエネルギーを消耗した」と撮影を振り返った。
彼は斬新なストーリーとメッセージに惹かれこの作品への出演を決めたという。「普通の刑事作品は犯人を捕まえる物語だが、この作品は刑事が刑事を捕まえる物語。誰しも自分自身の中に怪物が潜んでいるというメッセージも独特だった。原則を守る刑事と原則を破る刑事、真の悪党が持つ共通点を考えられるように話題を投げかけた点が魅力的だった」と語った。
イ・サンミンはこの作品で実際に血管が破裂するくらい感情が込み上げる演技を披露し、‘演技ビースト‘という愛称を得た。しかし彼は「実は私とは正反対のキャラクター」と打ち明けた。
彼は「内面にあるビーストを一つ引っ張り出さなければならなかったが、実は私にはそれがあまりない。私にはないものを頻繁に引っ張り出して演じていたからストレスがひどかった。なので撮影現場で俳優たちと関わることもできなかった」と振り返った。
映画『ベストセラー』『さまよう刃』に続き、イ・ソンミンと3回目のタッグを組んだイ・ジョンホ監督はイ・ソンミンから新しい姿を引き出そうとしたという。イ・ソンミンは「監督が沈黙の中でプレッシャーを与えて下さった。毎回OKサインが遅かった。俳優が考えていた以上の演技を引き出した」と語った。
特にアクションシーンの中で暴力を振るうシーンはイ・ソンミンを更に悩ませた。
「演技をしながらここまで人に暴力を振るったのは初めて。特に拳を振り回す‘フック’ではなく、前に伸ばして殴るシーンが多かった。そのようなアクションは相手の俳優がリアクションするのが大変で事故の危険があった」
撮影過程は大変だったが、『ビースト』はイ・ソンミンに俳優としての新しい経験を与えた作品でもある。彼は「元々キャラクターと一定の距離を保つタイプだが、この作品は配役にある程度、同化していた。変わった経験だった」と語った。
イ・ソンミンはドラマ「ミセン-未生」をはじめ「ゴールデンタイム」「記憶~愛する人へ~」や映画『保安官』『風風風(原題: 바람 바람 바람)』などを通じ、主に近所のおじさんのような温かいキャラクターで観客と視聴者から愛されて来た。2018年には映画『工作 黒金星と呼ばれた男』で北朝鮮の高位幹部役を演じ、釜日映画賞・韓国映画評論家協会賞・百想芸術大賞など、各種映画賞の主演男優賞を総なめした。今年は『ビースト』に続き、『南山の部長たち』『Mr.Joo(原題: 미스터 주)』を通じて観客のもとを訪れる予定で、現在は映画『第8日の夜』の撮影を行っている。
