映画『ハチドリ』のパク・ジフ、「ウンヒは涼やかな子どもだという言葉に惹かれた」

2019年08月21日

今月29日に公開する映画『ハチドリ(原題:벌새)』(キム・ボラ監督)を観ると、主人公のウンヒの顔がずっと脳裏に残る。欠乏と不安を抱えているが1秒に90回羽を動かすハチドリのように、愛されるために絶えず行動する14歳の少女ウンヒ。女優のパク・ジフがそんなウンヒを表現した。
最近、ソウルの銅雀区(トンジャクク)舎堂洞(サダンドン)で会ったパク・ジフはウンヒに初めて会った瞬間を「“涼やかな子ども”と書かれた言葉に惹かれた」と振り返った。
パク・ジフは「オーディションを受ける前は、両親が精米所を営む寂しい子どもだという物語程度しか知らなかった。ストーリーにウンヒが短く髪を切り男子学生と一緒にいる内容があった。振り回されずにリードする子どもだと感じられウンヒのことがもっと知りたくなった。私と同年代の子どもが一人で導いていく映画だという点にも引かれた。それくらい私にとっては大きな映画で、オーディションの合格通知を受けた日には涙が出た」と述べる。
映画は聖水(ソンス)大橋が崩壊した1994年が背景だ。2003年生まれで現在高校1年のパク・ジフは直接経験したことのない時代だ。彼女は「時代と関係なく私とウンヒが感じる主な感情は似ていると思った」と強調した。パク・ジフがウンヒを演じたのは2年前、ウンヒと同様に中学2年生の時だった。
彼女は「初めてシナリオを読んだときはウンヒの人生がスペクタクルだと感じたが、読み込んでみるとウンヒが感じた感情もまた私が感じたものだった。母も小さい頃同じ気持ちを感じたそうだ。特別な感情ではなく、ウンヒも他の人たちが経験した過程を経験した。だから“普遍的なウンヒ”という映画のキャッチコピーはぴったりの言葉だと思う」と振り返る。
そして彼女は「ポケベルを使い、制服を着て、靴を履き、『カラオケの代わりにソウル大に行く』というセリフなど、1994年の時代性を見せる場面はなじみがなかった」と付け加えた。
不安なウンヒの感情をあらわにする場面は演じるときも容易ではなかった。セリフの代わりに目つきでウンヒの感情を表現しなくてはならない瞬間が多かったためだ。
彼女は「私がリビングで走り回るシーンがあるが、ウンヒの混乱していてツラい、複合的な感情を表現する場面だ。台本には“イカの踊り”とだけ書かれていたので、どうすればいいのか感覚がつかめなかった。『くねくねすればいいのかな?』と思ったが、『ウンヒの感情のおもむくままにやってみよう』と。それで走り回ってみた。そのほかにもウンヒが部屋で声を上げたり、漢文塾の塾長と対立する場面も、感情を表出しなければならなかったので難しかった」と説明した。
パク・ジフは「ウンヒの感情を理解するために静かな音楽をたくさん聴き、監督から勧められた映画『ヤンヤン 夏の想い出』(2000)、『ぼくのエリ 200歳の少女』(2010)、『ロゼッタ』(1999)などを観た」と述べた。
『ハチドリ』はパク・ジフの長編デビュー作だ。小学5年生の時に路上でスカウトされ演技を始め短編映画2作に出演した。
『ハチドリ』は韓国で公開する前から海外のさまざまな映画祭で賞を受賞し25冠王を達成した。パク・ジフもまた、トライベッカ映画祭で最優秀女優主演賞を受賞した。
「受賞した日に学校に行っていたが、母から『賞をもらった』と電話が来た。私が演技をしながらこんなに早く女優主演賞をいただけるなんて…夢のようだった。偶然その日着ていた服に“ニューヨーク”と書いてあった(笑)」
パク・ジフは『ハチドリ』を通じて、演技を続けていこうと決心したという。
彼女は「短編映画の撮影をする時は『演技はこれで正しいのだろうか?』という思いで不安が募ったが、『ハチドリ』の時は不安より幸福感のほうがさらに高まった。演技をすれば私も知らない自分の姿を発見することができる。もし私が女優を続けるなら『ハチドリ』は私の初恋ともいえる作品になるのでは」と胸を張る。
彼女は『ハチドリ』を観た観客が心を一つにしてウンヒを応援し、また自分の人生から耐えることができるパワーを得られたら幸いだ」と付け加えた。

前の記事 エンタメ情報一覧へ 次の記事