チョン・ヘイン「メロ・ケミ職人?相手を尊重しながら演じるだけ」
2019年08月22日

似ているようで、毎回新しい。濃度と色を少しずつ変えて、愛の様々な顔を繊細に表現する。「メロ職人」として浮上した俳優チョン・ヘイン(31)の話だ。ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」(2018)の中で、年下男子として世の「お姉さん」視聴者の心を激しく揺すり、ドラマ「ある春の夜に」(2019)では、一層成熟しながらも緊張感いっぱいの姿で女心をときめかせた。
彼が今回は恋愛映画『ユ・ヨルの音楽アルバム/原題:유열의 음악앨범(チョン・ジウ監督)』で帰ってきた。
22日、三清洞(サムチョンドン)のカフェで会ったチョン・ヘインは「初恋と青春を収めた大切な家族アルバムのような映画」と紹介した。
チョン・ヘインは辛い過去を持った“ヒョヌ”を演じた。10代の時、パン屋で偶然出会った1975年生まれの同い年“ミス”(キム・ゴウン)を愛するようになるが、度々現実の壁にぶつかり、出会いと別れを繰り返すことになる。愛に浮きたつ若者の姿と不安な現実と未来に混乱する青春の姿など、様々な感情を繊細に演じた。「ヒョヌという人物にたった一瞬でも共感できないと思った事はない」と言うほど、役にはまったおかげだ。
この映画は、1994年から2005年まで10年以上の歳月を扱ったぶん、レトロな感性がいっぱいだ。チョン・ヘインは90年代半ば、わずか6歳だったが、その時代を演じるのに難しさはなかったと言う。
「レトロ、アナログ的なものが好き。台本を読むやすぐに、キム・グァンソクさん、チャン・ピルスンさんの昔の曲が浮かんだ。子供の頃、両親が共働きで祖父、祖母と、より多くの時間を過ごしたから、そのような影響を受けたようだ」
チョン・ヘインは、思いがけず、連続して3本のメロドラマを撮ったことについて「水が流れるように、そうなった。メロジャンルは愛に関するすべてのこと、悲しみと苦しみまで全て表現でき、難しいが面白いと思う」と話した。事実この映画は、ドラマ「ある春の夜に」よりも先に撮影を終え、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の前に出演を決めた。
チョン・ヘインは「三作品ともすべて大事だ。その中のどのキャラクターが実際の私の姿と近いと言うのは難しい」と述べた。
「私は私の経験からキャラクターを引っ張ってはこない。ひたすら台本に集中し、作るのみで、人間チョン・ヘインから持ってきたりはしない。演技は職業なので、私の人生と作品をしっかり分けようと心掛けている」
俳優チョン・ヘインと普通の30代の青年チョン・ヘインを徹底的に切り離して考えることは、彼が自尊心を保つ方法でもある。演じてみると、自分の限界にぶつかりもするし、多くの愛を受けるぶん、多くの叱咤も受けるからである。
彼は「叱咤される時は、私も自尊心が揺れたりもする。そんな時、両親と7歳下の弟にたくさん頼る」と打ち明けた。
チョン・ヘインはソン・イェジン、ハン・ジミンなどそうそうたる女優らとタッグを組んだ。キム・ゴウンとは2回目の共演である。ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々〜」でキム・ゴウンの叶わなかった初恋相手として出演した。相手俳優と実際の恋人のような呼吸を見せるため、「ケミ(相手役俳優との相性を化学反応に例えた新造語)職人」という修飾語も得た。チョン・ヘインは「恥ずかしい。職人という表現は、私をより奮い立たせてくれる」と謙遜した。
「演技をする時は人への配慮が最も重要だと思う。相手を尊重し、配慮し認めると、自ずと(キャラクターが)理解できる」
彼は「劇中(相手の俳優が)、年上や年下、または同い年であることを意識して演じたことは一度もない。その時その時のキャラクターに集中して没頭する」と強調した。
「キャラクターが似ている」という一部の指摘については、「謙虚に受け入れなければならない部分。来年公開される映画『始動(原題:시동)』では、これまでとは全く違う姿を見ることができると思う」と述べた。
2014年、ドラマ「ディア ブラッド~私の守護天使」(2015)でデビューしたチョン・ヘインは「あなたが眠っている間に」(2017)、「刑務所のルールブック」(2017)で存在を知らせ、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」でトレンド俳優に上がった。映画では、『逆謀-反乱の時代』(2017)、『王の預言者』(2018)などに出演した。
