俳優キム・ウンスが再ブレイク 映画『タチャ』のキャラクター“クァク・チョルヨン”ブーム
2019年09月26日

最近、中堅俳優キム・ウンス(58)の人気が尋常ではない。彼が13年前に『タチャ イカサマ師』(2006)で演じた賭博場のチンピラのボス“クァク・チョルヨン”のキャラクターが再びスポットライトを浴び、第2の全盛期を迎えている。オンラインやYouTubeでは、“クァク・チョルヨン”のセリフが流行語のように広がっている。
「俺はチンピラではない。俺は積立貯金もしているし保険にも入っている」、「ファラン、俺も純情だ!」、「おい、若者よ、紳士らしく行動しろ」、「ここでやめて、次はダブルでいこう」、「俺がチンピラになったのは17歳の時だ。その時チンピラになった奴が100人いたとすると、今俺のように暮らしている奴は俺一人だ。俺がどうやってここまできたのか?できるやつは処分し、できないやつは見送って…」などのセリフが代表的である。
これらのセリフは、様々なサイトやインターネットのコメントで、パロディネタとして使われている。
“クァク・チョルヨン”のセリフを集めたYouTubeの映像は、再生回数60万回を超える。映像の下には、「クァク・チョルヨンは“次、ダブルで行く大胆な男”、“わりと紳士で純情派な男”」といったようなコメントが書かれている。「アイアンドラゴン(鉄の龍/韓国語でチョルヨンと言う)」というニックネームもできた。「アメリカにアイアンマンがいるように、韓国には“アイアンドラゴン”がいる」というわけだ。“クァク・チョルヨン”のセリフを歌詞にしたリミックス曲もリリースされた。タイトルは「ここでやめて、次はダブルで行こう(原題:묻고 더블로 가)」だ。
セリフを順番に一人ずつ真似る飲み会のゲームや様々なパロディポスターも登場した。まさに「クァク・チョルヨンブーム」というわけだ。
キム・ウンスの所属事務所側は、突然の人気に困惑している様子だ。所属事務所の関係者は、「広告の出演依頼から様々なインタビュー依頼まで、一日に数十回電話がかかってくる。トップスターも顔負けだ」と舌を巻いた。
彼は、「『タチャ イカサマ師』が公開されてから10年を超え、さらに“クァク・チョルヨン”は、パート2、3に出てくるキャラクターではなく、パート1で死んだのに、なぜ今再びスポットライトを浴びているのか、わけがわからない」と話した。キム・ウンスは、今起きている周りの熱い反応によどむ事なく、ドラマ撮影に邁進中だという。
では、なぜ突然“クァク・チョルヨンブーム”が起きたのか。意見はまちまちである。
秋夕(チュソク:韓国のお盆)に『タチャ:ワンアイド・ジャック(原題:타짜:원아이드 잭)』(タチャ3)が公開され、若者層が過去の『タチャ』シリーズの映像を検索し始めたのがブームのきっかけになったのではという分析がある。
映画関係者は、「『タチャ3』への反発で『タチャ いかさま師』が名作だとの噂を広げ、10代、20代がYouTubeの関連コンテンツを検索したところ、このような文化を生み出したようだ」と述べた。
過去の映画やTV番組を見つけ、名セリフや名シーンをSNSで拡散する文化が一つのトレンドとして浮上したのと同様だという見方だ。ハ・ジェグン大衆文化評論家は「最近インターネット上で、面白い素材を借用して楽しむ遊びが流行っている。ネットユーザーはキャラクター性が強い人物を遊びの素材として選ぶが、そのような面で“クァク・チョルヨン”は性格が強く、面白みがある」と述べた。また、「かといって、ある客観的な法則があるわけではない。人が面白さを感じた瞬間、インターネットを通してあっという間に広がっていく」と分析した。
“クァク・チョルヨン”というキャラクターの魅力を引き出したキム・ウンスの演技も一役買ったという。達弁というイメージがあるキム・ウンスは、味のある演技で若者の感性に深く入り込んだ。
デビュー38年目のベテラン俳優の力である。ソウル芸大演劇科出身のキム・ウンスは、1981年「劇団モクファ」の団員として演劇界に入った。1989年、日本に留学し、日本映画学校で演出を専攻した後、映画にまで活動領域を広げた。1996年キム・サンジン監督の『極道修行 決着』を始めとし、70本以上の映画で演技を披露した。25日に公開された犯罪映画『量子物理学(原題:양자물리학)』では主演を担い、観客に笑いを届ける。
キム・ウンスは最近、『量子物理学』試写会後の記者会見で、「演技をする前の、一番良いウォーミングアップ方法は、シナリオをたくさん読むこと」とし「シナリオを10回、100回読むとイメージがさらに成長する」と強調した。
