映画『82年生まれ、キム・ジヨン』出演のコンユ 「すべての人の傷を癒してくれる映画」

2019年10月17日

誰かの息子であり夫であり、そして一人の子どもの父親。サラリーマンとして生きていく平凡な男。
平凡とは縁遠そうな俳優のコンユ(本名 コン・ジチョル)が、今月23日公開の映画『82年生まれ、キム・ジヨン(原題:82년생 김지영)』で演じた“キム・ジヨン”の夫、“デヒョン”の姿だ。
16日、鍾路区(チョンノグ)昭格洞(ソギョクドン)で会ったコンユは「演技を仕事にしているだけで、自分はごくごく平凡な人だ」と慎重に語った。
「みんな私が平凡ではないという前提で見るが、私も(他の人と)大きく違うところはない。私が担った役のせいで起こるファンタジーはあるかもしれないが、“コン・ジチョル”という人が持つ普遍的な思考や常識は明らかにある」
「夫がコンユであれば、すでに普通ではないのでは」という冗談混じりの言葉には「“観客が映画に入りこめなかったら、どうしよう?それではダメだ”と思う瞬間、失敗しているのだと思う。『82年生まれ、キム・ジヨン』では、失敗したとは思っていない」と笑った。
チョ・ナムジュ作家の同名小説をスクリーンに移したこの映画は、ある人の娘であり、妻であり、そして母である普遍的で平凡な女性“キム・ジヨン”を通して社会のシステムに焦点を当てる。コンユは、「私たちの話」だと映画を説明した。
「誰でも家族や社会で出会った関係の中で受ける傷があるのに、私たちはそれを知らずに生きている。知らず知らずのうちに、このような傷が幾重にも重なっている。そのような部分を盛り込んだシナリオに慰められた」
映画は、“キム・ジヨン”の話を盛り込みながら“デヒョン”はもちろんのこと、夫婦それぞれの実家、元職場の人まで、すべてを暖かい視点で彩る。コンユは、「この部分が5本の指に入るほど好きだった」と話した。
「小説と映画で違う点がこの点ではないかと思う。“デヒョン”を含む“キム・ジヨン”の周りの人は、すべて同じ機能的な役割をした。キム・ミギョンさんが演じた“ジヨン”の母を見ながら、度々母を思い出したりもした。特に仲も悪くない、平凡な家族の話なので余計に胸が痛かった。そしてそれを誰のせいだと責めたりしないのもいい」
「シナリオを読んで、母に電話した」と言う彼は、「まだ子どもを産んで育ててみたことはないが、両親の気持ちが身に沁みた。不公平な扱いを受けて生きてきた自身のようになってほしくないと、息子には違う育て方をしようと努力したと思う」と語った。
シナリオを読み、原作本まで読んだというコンユは、映画制作に携わって、新たに感じたことがあるとも述べた。
「年を取り、社会生活をしながら、心開かれる部分がある。私は男性なので、“理解できる”、“わかるような気がする”という常識的で普遍的なアプローチをした。女性の立場から見る視点は違うだろうという程度の理解はしていた。映画を見た後、これを反芻するようになった」
“キム・ジヨン”を演じたチョン・ユミとは、映画『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)や『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)に続いて3回目の共演だが、夫婦役は初めてだ。
「気の置けない友達であり、同僚だが、演技する時はお互いを尊重し、配慮しようとした。信頼しているぶん、報われている感じもした。映画の中で新婚の時を回想するシーンがあるのだが、一番明るいシーンだったので、楽しく撮影したが、後から見ると辛かった(笑)」
釜山出身のコンユは、今回の映画で初めて釜山の方言を披露した。祝日を家族と一緒に過ごすシーンでコンユの釜山弁の演技を見ることができる。彼は「方言を少ししか使えず残念だった」と笑った。
「これまで方言を使う演技を大事に取っておいた。今回は味見だと思っている。釜山出身者として方言を指摘されたら、傷つきそうで、ずっとチェックしながら演技した。方言を使った演技を通して“デヒョン”がさらに多面的な人物になった気がして嬉しい」
映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』と『密偵』、そしてシンドロームを起こしたドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」まで立て続けに作品を披露した2016年以来、3年ぶりの復帰作であることについてコンユは、「多くの作品に出演したいという欲はあるが、実現するのは簡単ではない」と打ち明けた。
「2015年までは、1年に1作品ずつのペースで出演していたが、2016年は特に多くの活動をした。1年に3作品ずつ出演するのは、物理的に難しい。今この年齢の姿でできる役をたくさんやらなければという考えはある。メロ演技?お見せできるよう努力したい」

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