映画『神の一手』のクォン・サンウ「まだアクション俳優として健在だ」

2019年10月31日

俳優クォン・サンウと言えば、未だに15年前の映画『マルチュク青春通り』を思い浮かべる人が多い。6つに割れるがっちりとした腹筋は、彼のトレードマークであり、「モムチャン(鍛えあげられた体)」スターとして長い間大衆に記憶された。
「皆さんが私に関する話をする時、『マルチュク青春通り』から始まる事は、感謝するし、ありがたい事だが、一方で、ストレスになることもある。私のキャラクターが停滞しているような気持ちになるからだ」
だからだろうか。クォン・サンウは、しばらく『探偵なふたり』、『探偵なふたり:リターンズ』、『二度しましょうか(原題:두번할까요)』のようなコメディ映画に注力した。そんな彼が再び男性美溢れる正統派アクションに戻ってきた。来月7日に公開される『神の一手:グィス編(原題:신의 한 수: 귀수편)」で“グィス”役を担った。
30日鍾路区(チョンノグ)三清洞(サムチョンドン)のカフェで会ったクォン・サンウは「この作品でクォン・サンウが、十数年経ってもなお健在であるということを見せたかった。『マルチュク青春通り』の姿を食い荒らしたかった」と話した。
そうしながら「40代中盤でこの作品に出会えたのは、私の人生においての“神の一手”だった」と述べた。クォン・サンウは、前日開かれた試写会で、初めて映画を見た後、演出を担ったリゴン監督をぎゅっと抱きしめた。それほどに映画が満足だったという事だろう。
この作品は、2014年チョン・ウソンが主演した『神の一手』のスピンオフ(派生作)だ。当時、囲碁とアクションの出会いという新鮮な素材や高い完成度で好評を得、観客365万人を動員した。話題作の後続作品であるだけに出演のプレッシャーも大きかったことだろうが、彼は 「大きな挑戦をすることができ、むしろ嬉しかった」と語った。
「チョン・ウソンさんのような雰囲気で演じると、(チョン・ウソンさんが)私よりももっと魅力的であることがわかってしまうので、私だけの長所を見せようという気持ちでアプローチした」
戦略は功を奏した。物思いにふけった表情でアクションを繰り広げる彼は、オーダーメイドの服を着たように自然と劇に溶け込む。
映画の大きな柱は、子供の頃の話だ。姉と師匠を碁盤によって失った後、厳しい修練を経た“グィス”が賭け碁盤に飛び込んで復讐するという内容だ。
クォン・サンウは「完成版ではカットされたが、実際、“グィス”の父親もやはり賭け碁盤で負け、自ら命を絶った。このような辛い過去に加え、姉への罪悪感まで重なり、復讐の雰囲気が前編と違う。漠然と強い男の姿を見せると言うよりは、切なく、悲しい感情を伝えようとした」と振り返った。
クォン・サンウは劇中、がっちりとした肉体を披露する。さかさまにぶら下がりながら囲碁を打つ際に露わになる上半身に、“シックスパック”が鮮明だ。“CGではないのか”という言葉が出てくるほどだ。クォン・サンウは、“グィス”のように実際に体を鍛えた。3ヶ月間の高強度アクション訓練を受け、6㎏以上減量し、体脂肪率9%台の体を作った。撮影期間中は、地方のジムを訪れ、運動した。
彼は「CGによるスタイル補正は全くやっていない。あと8秒くらい長く映っていたら、様々な姿をお見せすることができたのに、努力の割には出演時間が短くて少し残念だ」と笑った。
軍隊でも囲碁と将棋は打ったことがないと言う彼は、今回初めて囲碁に接した。「相手から逆ヨセをされても痛快さを感じた。囲碁の妙な魅力を知るようになった」
映画には、さまざまな囲碁のベテランが登場する。彼らは、時に全財産をかけたり、命をかけたりして対局を繰り広げ、最後には文句なしに降参する。クォン・サンウは「囲碁は、正直な人の競技のようだ。最後に潔く降参するから、キャラクターたちが憎たらしくない」と評した。
彼は劇中セリフがほとんどない。言葉より体と表情で演技する。特に透明な石で巫女と囲碁を打ちながら、五分五分の心理戦を繰り広げるシーンが圧巻だ。
彼は「セリフがあまりないため、平面的なキャラクターとして映るのではないかとたくさん悩んだ。デビュー作『火山高』の撮影が思い浮かんだ」と振り返った。
クォン・サンウは、香港のアクションスター、ジャッキー・チェンのような俳優を夢見る。「武術とアクションに長ける人は多いが、ジャッキー・チェンのように愉快な笑いを与える俳優は稀だと思う。今は“モムチャン”という修飾語より作品の中にうまく溶け込む俳優という評価を受けたい」

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