ユ・ダイン、美術界を風刺した主演映画『俗物たち』が来月公開、「演技において私も俗物」

2019年11月29日

“必死にもがきながら頑張っている姿が俳優としての私の姿と重なった”
来月12日に公開する映画『俗物たち(原題:속물들)』は、女優ユ・ダインが演じる主人公ソン・ウジョンを通じて美術界の裏の顔を描く。
ソン・ウジョンは同僚作家の作品を描き写すように模写した作品を“借用美術”という言葉で包んで売りさばく俗物作家だ。彼女と同居する恋人ヒョンジュン(シム・ヒソプ)、特別展を提案したクリエイターのソ・ジンホ(ソン・ジェリム)、ソン・ウジョンの秘密を握っている高校時代の同級生タク・ソヨン(オク・ジャヨン)の関係が絡み合い、人間の欲望が赤裸々に現れる。
ソン・ウジョンと彼女の周りの人物たちの俗物的な姿は美術界を越えて、我々が生きる社会全体を映し出している。
28日午後にソウル・鍾路区(チョンノク)三清洞(サムチョンドン)で会ったユ・ダインは「ソン・ウジョンに同情を感じ共感した」と述べた。
「利己的で厚かましく、ひとり偉そうにしているが、必死にもがきながら頑張っている人物だ。私もソン・ウジョンのように踏ん張っている。私も過去には彼女ように『お前が俳優だと?』という言葉も聞いた。
ユ・ダインは「ソン・ウジョンの行動と言葉には疑問がなかった」と強調した。
そして「欲望を持った人物だが、何かを成し遂げるために行動するというよりは、持っているものを守るためだったと思う。だからこそ切実だったのではないだろうか」と説明した。
彼女は「悪口を吐き出す演技をやるときは本当に面白かった。どうすればもっと味が出るか悩んだ」と笑った。
映画は学歴詐称や論文盗作など疑惑を巻き起こした"申貞娥(シン・ジョンア)事件"などの実話を彷彿させる。実際に演出を担当したシン・アガ監督は作家のヘルマン・ヘッセによる小説「デミアン」を現代的に再解釈していたが、アートビエンナーレの内幕を聞き具体化した。ここにさまざまな実話が加わった。
ユ・ダインは「ソン・ウジョンが事実上盗作をしておきながら"借用"という言葉が通じるのかと聞いてみたが、美術界では借用と盗作の差が曖昧だと言われた。美術界の物語だがそれに関する準備時間が無くて、美術館に慣れようと展示会に何度か足を運んだ」と述べた。
彼女は『俗物たち』に対して「面白い映画」だと強調した。
その理由として、「共演したシム・ヒソプさんが『他人がケンカするのを見るのは面白い』と言っていたが、ちょうどそれ位に面白い。そんな面白さを期待して映画館にお越しになるのもいいし、くだらない行動をする人たちに失笑したり、ソン・ウジョンによってほろ苦さも感じられる映画だ」と述べた。
2005年にドラマ作品でデビューしたユ・ダインはいつの間にか役者14年目を迎えた。『短い記憶』(2010)、『依頼人』(2011)、『サスペクト 哀しき容疑者』(2013)などの映画や数多くのドラマを通じて着々とキャリアを積んできた。
彼女は「演技においては私も俗物だ」と映画のタイトルを引用した。
その心として、「『俗物たち』という単語の意味が"自己利益と名誉だけを気にする人"だった。私の利益、自分のことだけを考えるものは私にとって演技だと思う。演技も好きで、現場も本当に好きだ」と作品に自らを投影した。

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