俳優イ・ビョンホン、唯一無二の演技力の持ち主、これまでのキャリアを振り返る

2019年12月25日

スクリーンとブラウン管を行き来しながら30年間活躍している俳優のイ・ビョンホン。先日公開された白頭山(ペクトゥサン、原題:백두산)』と来年公開される『南山の部長たち(原題:남산의 부장들)』の2本の映画で、朝鮮半島の南北を行き来する正反対のキャラクターを担い、熱演を繰り広げている。
公開前にソウル市内で開催された主演映画『白頭山』のレッドカーペットショーケースに、“信頼できる俳優”イ・ビョンホンが参加し、ファンから歓声が送られる中登場した。
史上初の白頭山噴火を描いたこの作品で、イ・ビョンホンは生まれて初めて北朝鮮軍役を演じた。
イベントの司会を務めたタレントのパク·キョンリムから「北朝鮮の方言やアクション、挑戦しなければならない部分が多すぎたのでは?」と問われたイ・ビョンホンは「練習を続ければ、ある程度解決できる部分がある。挑戦することがないと、とても味気ないじゃないか」と述べた。
『白頭山』で北朝鮮の軍人を演じる一方、来年1月公開する映画『南山の部長たち』では180度違うキャラクターへの変身を予告している。
1979年に実際に起こった韓国大統領暗殺事件を扱ったこの作品で、韓国の中央情報部長役を演じた。
この作品で共演した俳優のクァク・ドウォンはイ・ビョンホンの熱演に驚きを禁じ得なかったそうだ。
先日行われた制作報告会でもクァク・ドウォンは「その人物として目の前に登場されたから、正気でいられなかった。あの時代のその人に会ったような、そんな感覚が、非常に馴染みが薄くて不思議でもあったし感嘆した」と興奮を隠せなかった。
このように共演者からは感嘆を誘ったが、実在の人物を演じるのは容易ではなかったようだ。
イ·ビョンホンは「実在した人物たちについての話なので何もかも慎重にならざるを得なかったし、うっかりすると実際のことをとても歪曲する状況になり得ると思ったので、シナリオにある感情の中で忠実に演じようと思った」と明かした。
そんなイ・ビョンホンは1年に多くは4、5作品に参加するほど、休まず演技活動を続けて来ている。
俳優としての第一歩は1991年のKBS公開採用タレント14期に選ばれてからになる。
その翌年、女優のコ・ソヨンやパク・ソヒョンらとともにタッグを組んだドラマ「明日は愛」で青春スターの仲間入りを果たした。
イ・ビョンホンは知的でスマートな主人公のボムス役を演じ、「KBS演技大賞」で新人賞を受賞し、可能性を認められた。
授賞式の会場で彼は「私は昨年の今日、あの階段に座っていた。席がなかったので。階段に座って見物しながら『きっと私もあのステージで賞をもらうんだ!』と思っていた」と初々しく受賞の感想を述べていた。
新人賞の勢いそのままに、お茶の間でのドラマでは主演で成功したが、映画館での成績が芳しくなかった。
だが2000年にパク・チャヌク監督の映画『JSA』でのイ・スヒョク韓国軍兵長役を通じて、忠武路(チュンムロ)を代表する売れっ子俳優となり、その後は『甘い人生』、『グッド・バッド・ウィアード』などさまざまなジャンルに挑戦しトップ俳優に躍り出た。
特に2009年にはハリウッド映画『G.I.ジョー』でアメリカ進出にも成功する。
しかし、韓国とは異なり少ない分量と単純な悪役の演技に撮影中はさまざまな思いが交差したそうだ。
当時のインタビューでイ・ビョンホンは「マントのような白い衣装に銃や刀も携えていた。それに目だけが見えるマスクを被り、それをきっちり身に着けて、こう(鏡で)自分を見つめていたら『お前今、何をしているんだ?早く韓国に帰れよ』と内心思った」と、葛藤を打ち明けていた。
しかしそんな演技に対する情熱でハリウッドの名監督たちの心を捕らえたイ・ビョンホンは『ターミネーター』シリーズなど有名作品にも名を連ね、韓国俳優としては初めてアカデミーの授賞式に参加した。
彼は海外で作品に臨む間、韓国での活動も怠らず、6年ぶりのお茶の間復帰作であるKBSドラマ「IRIS-アイリス-」で2009年の演技大賞を受賞した。
授賞式でイ・ビョンホンは「とても久しぶりにKBSホールに来た。私が新人時代に夢見ていたこの舞台で、こんな大賞までいただけるとは」と目を輝かせた。
また2015年に公開した映画『インサイダーズ/内部者たち』では900万人の観客を動員し、韓国の映画祭で主演男優賞を総なめにした。
当時、プライベートな問題で俳優人生最大の危機に直面していたが、彼はこの作品を通じて“唯一無二の俳優”であることを自ら証明した。
韓国の年齢で今年50歳を迎えたイ・ビョンホンは依然として現場が一番楽しいと語る。
この年末年始、韓国の映画館ではこのようなイ・ビョンホンの進化し続ける姿と変わらない魅力、どちらにも会うことができるだろう。

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