パク・シネやラ・ミラン、キム・ヒエまで…韓国映画界に吹き荒れる“ウーマンパワー”の底力
2020年02月18日

これまで男性俳優たちの専売特許と思われていたアクションやスリラーのジャンルで、頭角を現す女優たちが著しく増えている。
最近の映画界でもそんなウーマンパワーが尋常ではなく、彼女たちはコメディや恋愛ものなどのさまざまなジャンルで活躍し、各種映画祭で認められるのはもちろん興行まで成功させている。
このようなブームを裏付けるかのように今月17日、女優たちが主演した2本の映画がベールを脱いだ。
まずはパク・シネ、チョン・ジョンソ、キム・ソンリョンといった“信頼して観ることができる”女優陣が1本の映画で出会った。
彼女たちが意気投合した映画『コール(原題:콜)』は過去と現在、異なる時間帯に生きる2人の女性が1通の電話により繋がり、繰り広げられる物語を描いた作品だ。
デビュー18年目にして初めてスリラー・ジャンルに挑戦したパク・シネは、20年前に父を失った女性ソヨンを演じた。
今月17日、ソウル市内で開かれた製作報告会でパク・シネは「今まで出演したドラマと映画を合わせても一番強烈で、私が作品で初めてショートカットになったので、たぶん雰囲気がかなり違うと思う」とコメント。
そして、2018年に映画『バーニング 劇場版』で華やかにデビューしたチョン・ジョンソは本作で、この世を去ったソヨンの父を助けると提案するベールに包まれた連続殺人鬼ヨンスクを演じた。
チョン・ジョンソは「ヨンスクが持っている一番大きな感情が“不安”だった。そういう性格も少し似ているみたいだ。粘り強いことも似ていると思う」とコメント。
チョン・ジョンソは昨年春、ハリウッド映画にキャスティングされ、現地で3か月近く撮影をして韓国に帰ってきた。
両国を行き来する忙しいスケジュールだったが、撮影現場に向かうことがいつも楽しかったそうだ。
チョン・ジョンソは「ハリウッドに行っていたが、私は『コール』の撮影がとても楽しかった。相性がすごく良かったと思う」と明かすと自然に笑みがこぼれる女優陣。
パク・シネも「お互いに演技をサポートするために現場で台本も一緒に読んでくれて、むしろそんな雰囲気だったからこそさらに迫力あふれる演技ができた」と撮影を振り返った。
この2人が劇中の緊張感を担当したとすれば、キム・ソンリョンは切ない慕情を担当したという。
パク・シネの母親役を演じたというキム・ソンリョンだが、「娘がいるとこんなに友達みたいな感じがするんだという思いになった。それですごく気楽に撮影した」と感想を述べた。
一方、来月公開予定の『チャンシルは福も多い(原題:찬실이는 복도 많지)』も女優陣の活躍が目立つ作品だ。
この作品は、無職に転落した映画プロデューサーが人生の危機を乗り越える内容が描かれ、“独立映画界”のスーパースターと呼ばれるカン・マルグムが主人公のチャンシル役を演じた。
今月17日にソウル市内で行われたマスコミ向け試写会でカン・マルグムは、「『生きていて私にこんなことが起きるのか』という気持ちで、とても楽しくて幸せにシナリオを読んだ。列車に乗ってここまで来たような感じがする」と印象的な感想を明かした。
劇中、家主のおばあさんを演じたユン・ヨジョンはこの作品にノーギャラで参加し、話題になった。
ユン・ヨジョンは「60歳を過ぎてからは贅沢して暮らすことを決心した。私が言う贅沢とは、“私は好きな人を演じて、嫌いな人はやらない。お金とかは関係なく”ということだ。でも私は福が多い。おかげさまで」と作品に対する心構えを明かした。
さらに、自らの得意なコミカルな演技で映画館を掌握した女優もいる。
映画『正直な候補(原題:정직한 후보)』で、嘘をつけなくなった国会議員役を演じたラ・ミランだ。
先月6日にソウル市内で行われた製作報告会では、コメディに相当見識のある彼女にも単独主演に対するプレッシャーが強いと明かす場面も。
ラ・ミランは「劇中の98%も登場する主役なので、ねずみの穴に隠れて逃げたい気持ちだった。『私がどれだけ人を笑わせることができるか』と思うと、それだけでもプレッシャーだった」と心境を語った。
しかし、さすが“信頼して観ることができる役者”は違った。
観客たちの期待を満たした“ラ・ミラン式コメディ”が口コミで広まり、公開初日から5日連続ボックスオフィス1位の座をキープしている。
先の製作報告会でラ・ミランは「これまで私を面白いキャラクターとしてご覧になった方々は、『ラ・ミランがやることは皆同じ』と思うかもしれないが、私は才能にあふれている」と胸を張る姿が共感を呼んだ。
最後にベテランのキム・ヒエも昨年公開された映画『ユニへ(原題:윤희에게)』で女優の底力を見せた。
偶然、1通の手紙を受け取ったユニ(キム・ヒエ)が忘れていた初恋の記憶を探す旅行に出かけるこの作品で、彼女は秘密の初恋相手に変身し心温まる演技を披露。
昨年10月に開催された釜山国際映画祭の舞台あいさつでキム・ヒエは、「私は映画で演技人生が始まり、意図せず現場から離れていたが、『私の映画の縁は少し遅く咲くのでは』と思いながら、このスクリーンに映る演技は悪くないと思う」と率直な思いを述べていた。
『ユニへ』がキム・ヒエにとって特別な理由がもうひとつあるそうだ。
ソウルで昨年11月に開かれたマスコミ試写会で彼女は「韓国映画もこれから私たちのように、“女性のキャラクターが前面に出てもいい”という先入観を持てるように役に立ちたいと思う」と、言葉を噛みしめながら抱負を明かしていた。
このように繊細ながらも、しっかりした演技力で大衆を魅了した女優たちの熱い情熱をこれからもたくさんの観客たちが応援し続けるだろう。
