シム・ウンギョン、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞…「実感がまだ沸かない」

2020年03月09日

「まだ実感が沸かないので、気持ちを落ち着かせているところだ。ひたすら感謝し、私に与えられた作品の数々を懸命にやっていきたいという思いだけだ」
今月6日に開かれた「第43回日本アカデミー賞」の授賞式で、映画『新聞記者』に出演し韓国女優で初めて最優秀主演女優賞を授賞したシム・ウンギョンが韓国メディアに明かした受賞の感想だ。
シム・ウンギョンは9日、所属事務所マネジメントANDを通じて伝えた感想で「このような大きな賞をいただき、本当に感謝している」とコメント。
彼女は「国籍を越え、すべての作品が多くのスタッフや製作陣の苦労や挑戦で作られるが、今回の『新聞記者』という作品はそんな意味から本当に多くの方の苦労や応援があったと思う」と述べた。
続けて「今後も作品ひとつひとつに誠意と真心を込めて、作品に役立つ演技ができるよう最善を尽くす」と決意を表した。
シム・ウンギョンは授賞式の時、受賞者と呼ばれると大きな目を瞬かせ驚いた表情を浮かべた。ステージの上では涙を流しながら、「まったく予想できず感想を準備できなかった。すみません」と述べ、この姿は韓国の映画コミュニティーなどでも話題となった。
最近、新型コロナウイルスの影響で冷えきった韓国映画界にまた別の朗報を伝えてくれたシム・ウンギョンは現在25歳だが、18年歴のベテラン俳優だ。2003年にドラマデビューした後、さまざまな映画作品に出演。
2011年映画『サニー 永遠の仲間たち』(736万人)と2014年『怪しい彼女』(865万人)で、“最年少興行クイーン”という代名詞も得た。
『少女は悪魔を待ちわびて』(2016)や『歩く女王』(2016)、『ザ・メイヤー 特別市民』(2016)、『操作された都市』(2017)、『サイコキネシス -念力-』(2017)、『ときめき♥プリンセス婚活記』(2018)を通じて演技の幅を広げてきた。
2016年に特別出演した『新感染 ファイナル・エクスプレス』のゾンビの群れの襲撃を初めて知らせる場面で、短いながらも歴代級のゾンビ演技に挙げられる。
しかしながら、順風満帆な道だけを歩んだわけではない。
幼い年でデビューしたためにスランプが早く訪れ、高校時代3年間をアメリカで過ごした。彼女は過去のインタビューで「慣れない異国の地で下手な英語で人々と交わりながら挫折をたくさんしたが、ニューヨークでさまざまな公演などを観て芸術的なインスピレーションを受け、演技にも大きく役立った」と振り返った。
彼女が日本映画『新聞記者』に快く出演できたのもこうしたさまざまな経験が役立ったとみられる。
シム・ウンギョンは2017年に日本の芸能事務所と契約を結び、日本進出を果たした。
映画『新聞記者』は、私学スキャンダルを取材した東京新聞社会部記者の望月衣塑子が書いた同名著書を基にした作品だ。
昨年10月に韓国を訪れたプロデューサーの河村光庸氏は、「数年間、政権の見えない圧力のためにこのような映画を作ってもいいものか、出演してもいいのかという恐怖の中で作った作品」と打ち明けた。
現政権を批判する敏感な内容が盛り込まれただけに、日本の番組では紹介さえされなかった。
しかし新聞やSNSを通じて口コミが広がり、昨年6月に143館の上映館で公開されると1か月も経たずに33万人を動員し、興行収益4億円を突破。
シム・ウンギョンは韓国人の母親と日本人の父親の間に生まれ、ニューヨークで育った社会部記者吉岡エリカ役を演じた。日本語を1年間学んだ後、日本語で演技した。
河村氏は「日本の女優が出演を断ったとされているが、そもそも他の日本の女優には出演のオファーをしなかった。シム・ウンギョンの知的な面と、さまざまなアイデンティティーを持った姿が最適だと思った」とコメント。
藤井道人監督も「1か月という制限された撮影時間と日本語という高いハードルの前で、シム・ウンギョンが立派な演技をした」と賞賛した。
映画評論家のチョン・ジウク氏は「シム・ウンギョンの今回の受賞は多くの含意がある。他のそうそうたる日本女優を追い抜くほど演技そのものが良かっただけでなく、日本の進歩的な映画関係者がこの作品を応援した側面もあったはず」だと分析。
今回の最優秀主演女優賞はシム・ウンギョンのほかに、『翔んで埼玉』の二階堂ふみや『蜜蜂と遠雷』の松岡茉優、『人間失格 太宰治と3人の女たち』の宮沢りえ、『最高の人生の見つけ方』の吉永小百合が候補に挙がっていた。
シム・ウンギョンは最近出演していたドラマが終了し、日本に滞在している。所属事務所の関係者は「日本で次回作を模索中」だと伝えた。

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