カリスマダンサーLia Kim、「ダンサーが“職業”として“社会の一員”になれることを証明したかった」

2020年03月16日

韓国を代表するダンサーLia Kim(リア・キム)は、一度も成功が保障された楽な道を歩んだことがない。やりたいことをするためには険しい道でも黙々と歩いてきた。
今月5日に出版された写真集「Reality, No Reality」もそんなLia Kimのこだわりがうかがえる本だ。
普通のグラビアが美しさを強調するのとは異なり、この本はダンサーLia Kimが持っているありのままの姿で満たされている。
Lia Kimがダンスをする瞬間をキャッチし撮影された写真には、しわが目立つ顔、しおれたお腹の肉、閉じても開いてもいない白目などが手加減なく見える。
今月11日、Lia Kimが代表ダンサーとして在籍するソウル・城東区(ソンドング)の「1MILLION DANCE STUDIO」で彼女と会った。
Lia Kimは、自身の写真集をめくりながら「出版社に申し訳なかった」と述べた。
彼女は「私も最大限、体のラインが見える服を着てきれいな写真を撮ってお見せすれば、もっとよく売れるのではないかと思った。しかし、振り付けを表現しようとした雰囲気とテーマがなければと思ったので、出版社にブサイクな写真も外さないでほしいと言った」と述べた。
彼女は画一化して短所は最大限、隠そうとする最近のK-POPグループの振り付けに対して残念な気持ちを表した。
Lia Kimは「K-POPを見ると“美しさ”をどのように見せることができるかということを中心にコンテンツを作っていく感じがたくさんする。そういうことをしないようにするのが、私の目標だと思う」とコメント。
さらに「楽曲の歌詞やコンセプトに合わせて振り付けを作るのが先だと思う。たまに受けつけてくれない数社の事務所に振り付けを渡す際、お互いにぶつかったりもする」と説明。
「Reality, No Reality」のテーマはダンス。
Lia Kimがこれまで踊ったダンスを写真に収めた“Reality”と頭の中で考えたものの、まだ実際に具現化できていない作品を収めた“No Reality”に分けられる。
Lia Kimはビジュアルディレクターを務め、写真の選定のみならず、本のデザインや紙の材質、コンセプトなど細かいことまで直々にチェックした。
今回、普段からファンだったフォトグラファーのチョ・ギソクが、Lia Kimの新しい写真を撮影した。
“No Reality”には、日頃からLia Kimが関心のあった人工知能(AI)ロボットを表現した写真が収録され、ペットのヘビとともに撮った異国的でありながら神秘的な写真もある。
彼女は「周りの人々が私のヘビのようだという話をよくする。目標ができれば、それに惹かれ脇目も振らず突進する。“Lia Kimロボット説”という言葉もあるという」と述べた。
このような執拗さがLia Kimの成功の土台になった。
彼女は中学生の頃からダンスをはじめ、各種世界ダンス大会で1位を席巻し、数多くのアイドルグループのダンスの先生としてまた、彼らの楽曲の振り付けを作った振付師として名を馳せた。
しかしそれに安住せず、2014年に「1MILLION DANCE STUDIO」を設立。
彼女は「20代半ばごろからダンサーとして頂点に立った私は、これから下っていくしかないと自己恥辱感に駆られた。ある日、ある外国のダンサーが受講生数百人にダンスを教えるのを見て。あんなふうに応援して、手を叩きながら楽しくダンスを踊ることができることを悟り、スタジオを作ることになった」といきさつを語った。
「1MILLION DANCE STUDIO」が初めからうまくいったわけではなかった。
日が当たらず、冷たい水だけが出る地下に初めて設けたスタジオには受講生数名がすべてで、Lia Kimはアイドルの練習生たちをトレーニングしながら生計を立てていった。
そしてLia Kimがダンスをする姿を撮影した映像をYouTubeにアップしたことで、変化が現れ始めた。
Lia Kimは「いくら大きなダンス大会に出ても300人くらいの人しか自分のダンスを見ることができない。でもYouTubeに私のダンスをアップすると、瞬く間に全世界で20~30万人が視聴した。その時から受講生や私が踊る姿をYouTubeにアップし始めた」と述べた。
Lia Kimは覚えていないが、その頃Lia Kimはコンピューターのモニターを指差して、「これからここが私たちのステージになるだろう」と同僚たちに話したという。
現在「1MILLION DANCE STUDIO」のYouTubeアカウントは、チャンネル登録者数が2000万人に迫り、累積再生回数は35億回に達している。
ここは単純にダンスを学ぶ所ではなく、ダンサーたちのマネージメントまで行う事務所の役割も果たす。世界のどこにも見られない形態のスタジオだ。
彼女は「ダンサーたちはお金がなく気の毒で、チンピラのようなイメージがあった。私はそんな認識を変えたかった。『1MILLION DANCE STUDIO』を通じて、ダンサーたちがいくらでも“職業”にそして“社会の一員”として、活動することができることを証明しようと思う。当スタジオは、能力のあるアーティストと経営を責任あるブレーンたちがともに作り上げていく会社だ」とアピール。
彼女にとってはまた別の目標もある。誰もが楽しく踊る世界を作ることだ。
最近、韓国政府の世宗(セジョン)庁舎の職員たちにLia Kimが作ったガールズグループMAMAMOOの「HIP」の振り付けを教えた時間が彼女の目標に確信を与えた。
彼女は「公務員社会が硬直して位階が強い。しかし私が講義したその日には先輩・後輩を問わず、みな一緒に踊ったり、笑い汗をかき、応援する姿を見て、『人々の間の障壁をなくすことがダンスの力だ』と改めて感じた」と述べた。
「1MILLION DANCE STUDIO」の映像を見て踊り始め、うつ病を克服したという人、家に引きこもってばかりいたが勇気を出して外出するようになったという人々がスタジオを訪れたりもする。
Lia Kimはその度に、現代人に何よりも必要なのがまさしくダンスだと気づかされる。
彼女は「ダンスは人生の喜怒哀楽を表現する手段。それを押してまで生きていけば、どれほど人生がつらいだろうか。遊びたければ他人の目を気にせず、ただ遊ぶことができるのが生きていく価値がある世の中ではないだろうか? 誰でも楽しく踊ることができる世の中になれば幸いだ」と希望を明かした。

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