世の中に向かって進む小さな羽ばたき…映画『シューティングガール』、『波を歩く少年』が公開へ
2020年05月07日

コロナ疲れする人々の心を癒してくれるヒーリング映画が登場する。
幼く、手探りしながらも世の中に向かって突き進んでいく若者たちの素朴な羽ばたきを盛り込んだ作品だ。
◇感動実話を映画化『シューティングガール』
6日公開された『シューティングガール(原題:슈팅걸스)』は、わずか13人の部員で2009年の女王旗全国サッカー大会優勝という奇跡を起こした三礼(サムレ)女子中学サッカー部の感動実話を扱う。
すり減った靴底のサッカーシューズを履き、怪我をしても交代する選手さえいない田舎の女子サッカー部。
1ゴールどころか試合を通してハーフラインさえ超えることもできないが、選手たちのサッカーに対する情熱だけは世界一だ。
サッカーシューズを履いた少女たちは幼い時に両親を亡くしていたり、貧しい生活を送っていたりと、それぞれ複雑な家庭の事情や悩みを抱え生きている。彼女らは時にさまよい学校や両親、世の中に反抗するが、サッカーの前では一丸となる。
映画が注目するのはサッカー部を率いた故キム・スチョル監督のリーダーシップだ。
実業チームの監督として働いていた往年のサッカースター キム監督。
ある日不慮の事故で妻を失い、その事故で娘は大けがを負う。娘の治療費を稼ぐため、田舎の女子中学のサッカー部監督を務めることになるがサッカーへの情熱も冷め、万年ビリの彼女らに何をしても意味がないと一日一日を適当にやり過ごす。
不誠実な指導でサッカー部の成績が良くなるはずがなかった。結局、辞表まで書くが、ふと自分が一番輝いていた時の写真が入ったアルバムを見て心を入れ替え、再びしっかりとした指導者として立ち上がる。
2015年に撮影を開始し、公開まで5年かかった同作品。
シナリオを自ら書きおろし、演出まで行ったペ・ヒョミン監督は「恵まれない家庭環境に挫折し、学校にも馴染めず、将来の夢を見ることができなかった少女たちがサッカーを通して世の中に向かって堂々と突き進んでいく姿を収めたかった」と述べた。
◇温もりとすがすがしさを同時に与える『波を歩く少年』
今月14日に公開される『波を歩く少年(原題: 파도를 걷는 소년)』は、済州島(チェジュド)を背景に外国人労働者とサーフィンという素材を組み合わせた作品だ。
現実に一歩踏み出し、社会問題を直面しながらも青い海の清涼感と日差しのぬくもりを同時に感じさせてくれる。
外国人不法就業ブローカーの仕事をする在韓中国人二世の“キム・ス”(クァク・ミンギュ)。
暴力罪で服役した後、社会奉仕として海岸を清掃していたところ、海でサーフィンをしているサーファーたちの姿に目を奪われる。ゴミ箱で偶然壊れたボードを拾った彼は、そのボードを修理し、海に飛び込む。その姿を見ていたサーファーの“ヘナ”は彼にサーフィンを学ぶことを勧める。
はじめは、波に浮かぶボードのようにさまよっていたスは、サーフィンと出会ってから少しずつ変わり始める。
サーフィンあるいは何かを一生懸命やってみたいという情熱は、彼を現実に根付かせ、生きることに対する態度にも変化をもたらす。自然に順応する方法と押し寄せる波に乗る方法を同時に学んでいく。
この作品は、『僕が住む世界(原題: 내가 사는 세상)』のチェ・チャンファン監督の新作だ。
彼は、済州島という空間が与える印象を丸ごと詰め込むために同作品の準備や制作期間中の1年間、済州島に移住し生活した。実際に多くのサーファーと会い、サーフィンを学んだりもしたという。
映画の中で主人公のスを助けるサーフショップの店長は、実際のサーファーで、俳優ではない。
それでも違和感なく自然に劇に溶け込んだのは、ス役を担った俳優クァク・ミンギュのしっかりとした演技が後ろ盾になったおかげだ。
彼は、2019年の第20回全州国際映画祭で俳優賞を受賞している。
