ユ・アイン&パク・シネ主演映画『#生きている』、「生存とは何か」を投げかけるコロナ時代のメッセージ
2020年06月16日

映画『#生きている(原題:#살아있다)』は、新型コロナウイルス感染症と同じ災害状況だけに事実を逆説的に大きく感じさせるものがあるのだろうか。
今月24日に公開する映画『#生きている』はゾンビウイルスというテーマを通じて、“生きている”ということが何かといったメッセージを直接的に伝える作品だ。
家族が皆、外出した平穏な朝。ジュンウ(ユ・アイン)は人工知能スピーカーやコンピューター、ドローンなどの先端機器の間で目覚める。
彼はまもなく都市が原因不明の症状を持つ人々の攻撃により統制不能に陥ると知り、家族と連絡を取ろうとしたが、データやWi-Fi、メール、電話のすべて通信が絶たれてしまう。
家族と連絡が途絶え、家にある最小限の食料もすべて底をつく。ゾンビの群れの攻撃で外にも出かけることができないジュンウは、家に孤立したまま20日間を過ごす。
これ以上、我慢の限界だったその時、向かいのマンションから他の生存者ユビン(パク・シネ)が生きているという信号を送った。
他の生存者がいるという事実を知った2人は遠隔でコミュニケーションを図り、ともに生き残る方法を探していく……
この作品は孤立した状況下のもと、生存の切迫感とゾンビという題材を経てテーマを効果的に伝えようとする。
そのテーマとは、まさしく人間の生存は単純に息をして生存するという意味ではなく、他人と関係を結び“社会的な動物”としての役割を果たしながら生きていくということだと解釈される。
他の生存者がいるということだけで、再び生きていく理由を得るジュンウとユビンを死んでいるわけでも生きているわけでもないゾンビと対比させて、このようなテーマを強調する。
さらにゾンビがいる世界で生き残ろうとするジュンウとユビンを通じて、今の時代を生き抜く若者たちを隠喩する。
一寸先が見えない災害状況の中、生き残ろうとする2人に若者の姿を反映させたという点で、昨年公開した『EXIT イグジット』が思い浮かぶがそれよりは多少重い内容だ。
また現実性を与えるためにあちこちに置かれた仕掛けの数々が目を引く。
何より孤立の場所であるマンションを忠実に再現した。3,305㎡(1000坪)の面積に建てられたマンションのセットは、実際のマンションのようにリアルだ。
韓国におけるマンションのように地上・地下駐車場や廊下などが現実性を高め、最も安全でなければならない家が攻撃されることで訪れる不安感を与える。
ゾンビウイルス感染を防ぐためには“物理的な接触を避けなければならない”として、何の助けにもならない指針を何日も繰り返している政府当局やマンションの廊下の消火栓が糊料して作動しないというディテールも作品に現実性を与えた。
あいにく公開時期と重なった新型コロナウイルス感染症とも無関係ではない。
家に孤立して一歩も外に出られないジュンウとユビンの姿は、最近の新型コロナウイルス感染症により、“ソーシャルディスタンス”を行う人々の姿と似ている。
作品の結末が伝えようとするテーマは、新型コロナウイルス感染症により“ニューノーマル時代”を生きていくということが何なのか考えさせることだ。
重みのあるテーマに集中する一方で、ゾンビ映画としてのジャンル的な面白さは見失ったようだ。
すでに映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)などで高まった観客の眼力に沿うには、難しいと言える。
またジャンル的な面白さだけでなく蓋然性もやや落ちる。
ゾンビウイルス発生の原因を説明しない点についてテーマに集中するための必須の選択だったとしても、専門訓練を受けていないと主張されるジュンウとユビンの2人が数多くのゾンビを比較的退治する場面などは、映画的な許容としか言えない部分だ。
