新作映画『若者のひなた』、『ツタの葉』…昨日(28日)韓国で初公開
2020年10月29日

10月も残すところあと2日。冷たい風に秋の気配を一段と感じるようになった。私たちが生きているこの社会に吹く風は一体どんな風なのか。そんな事を考えさせられる映画2本が28日、韓国で公開された。
■若者のひなた(原題:젊은이의 양지)
写真家を夢見る19歳の少年“ジュン”は、コールセンターでクレジットカードの延滞金催促の電話をかける仕事をしている。
「ハン・サンジン様。カード使用料174万ウォンが延滞となっております」
こんなセリフは日常茶飯事だ。
実績を出すため、時には延滞者に酷い言葉を吐かなければならない。そんな世界をこれから生きて行かなければならないということが恐ろしくもある。仕事をきちんとやり遂げたいという意志はあるが、人間性を喪失してまでやる事なのかと自問する。
ある日ジュンは、カードの延滞金を直接受け取りに行った後、変死体で発見される。
彼が残した手がかりを元に、事件の実体が少しずつ明らかにされていく。その手がかりはまるで、若者が大人に送る「助けて」という叫び声のようだ。
夢と現実の壁に初めてぶつかった若者、就活に挫折してしまった大学生、実績、実績と言われ続けながら一日一日を耐える会社員。
現代人なら誰でも経験した事のあるストーリーが共感を呼ぶ。
映画は、社会への一歩を踏み出した若者がぶつかる現実を照らし出した。
これまで韓国の問題を提起してきたシン・スウォン監督が若者世代に渡す1枚の反省文のような作品だ。
■ツタの葉(原題:담쟁이)
セクシャルマイノリティが社会で経験する現実を収めた作品だ。
40代の女性“ウンス”と20代の女性“イェウォン”は、誰よりも幸せなカップルだが、その関係を人々に言う事はできない。
共に眠りにつき、美味しい物を分け合い、病気の時は傍で看病する。そんな家族になる事が、同性愛者たちにとっては、どれほど高い壁であるかを示す。
急ぐ事もなく、ただ黙々と壁を越えるツタのような固い彼女らの愛を通じて、本当の家族の意味を尋ねる。
演出を担ったハン・ジェイ監督が、大学院の卒業作品を準備しながら、思いついたプロット。「あしながおじさんが女性だったら」から出発したアイデアと、緊急治療室に運ばれて行ったが、公式の保護者と認められず面会ができなかった同性カップルの話を聞いて驚いたという印象を反映して、同映画を制作したという。
