チャ・インピョ、自身をパロディ化した映画『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』で「カタルシスを感じた」
2021年01月08日

1994年のドラマで、立てた人差し指を左右に振り、華々しくスターになった当時27歳の俳優チャ・インピョは50代中盤の年齢に、自身の過去をパロディにした映画『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』で再びその人差し指を振るが、首になってしまう。
20年以上、型にはまっていた自身のイメージを打ち破るそのシーンを通じて、チャ・インピョは「カタルシスと開放感を覚えた」と述べた。
昨年、新型コロナウイルス感染症の事態の中で、劇場公開を諦め、今月1日にNetflixを通じて映画が公開された後、7日にリモートを通じて会ったチャ・インピョは、2つの作品を「人生の幸運」だと述べた。
彼は、「デビュードラマで端役俳優だった僕は、突然スターとなり愛する妻に出会い家庭を築くことになったので、人生に一度来るか来ないかの幸運だった。その幸運を享受した対価として残ったイメージが、20年以上僕の人生を拘束もしたりもした」と語る。
さらに、「そのイメージから脱して、もっと自由にいきたい時に訪れたもう一つの幸運が『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』だった。この映画をターニングポイントにして、これまでのイメージは忘れて自由な魂になってほしい」と述べた。
映画は、一時期人気を得た俳優“チャ・インピョ”が、やむを得ない事情で、空いていた女子高のシャワー室を使用中に建物が倒れて閉じ込められるという物語。
裸をさらけ出すことができず、119救助を拒否する“チャ・インピョ”と、人目に付かない“チャ・インピョ”を建物のがれきの中から救い出さなくてはならないマネージャーのキム・アラム(チョ・ダルファン)が、“チャ・インピョ”のイメージを守るために孤軍奮闘する。
俳優チャ・インピョの名前を映画のタイトルに付けたことから分かるように、劇中の俳優“チャ・インピョ”は実際の彼を再現している。
現在の仕事は格安スポーツ衣料モデルだが、革ジャケットを着てバイクに乗り、サックスを吹いていた過去のドラマの中で演じていた財閥二世の役のイメージから抜け出せていない“チャ・インピョ”は、1人でシャワーを浴びながらも相変わらず鏡を見て、人差し指を揺らす。
チャ・インピョは、「撮影中も恥ずかしかったが、やはり決まり悪い感じで画面に出ていたようだ。また撮影できたらと思った」と、さらに心苦しさを見せた。
映画に対する評価は分かれている。しかし自分を戯画化するしかなく、映画に出演し最善を尽くして演じた俳優チャ・インピョに対してだけは認めざるをえない。
チャ・インピョは、「評点をつける星が1から5まであるのでバランスよく出ると思ったが、1か5の両極端の結果だ」とし、「特に若い観客の方々へアプローチする方法自体がないが、そんな方々がたくさんご覧いただきフィードバックできてうれしい」と述べた。
また、「映画を観て、思っていたよりコミカルな部分がやや少なかったようだ」としながらも、「ただコミカルなだけではなく、殻から抜け出さなくてはならない存在について省察する部分がある映画だと感じた」と自評もした。
そして、「『コメディだと思って観てみたら、これからの人生の態度が変わるようだ』というある男性の観客からのレビューが最も印象的だった」という言葉も同じ脈絡だ。
彼は、「劇中でも僕自身も、俳優が演技をしてこそ俳優だが、演技をせずに正直な気持ちだけを叫んでいたのが“笑えるが悲しい”状況だったと思う」とし、今は“スターではない職業人としてのやりがい”を述べた。
そして、「大衆が僕に対して抱いていた固定観念は、まさしく僕が持っていたそれだった。大衆の好みに合うように絶えずコントロールして鍛錬して耐えながら、また安定したその状態で発展できずに乗り越えて来たようだ」と語った。
「あるイメージを守りたいのは何かを得ようとする欲望のためだが、もう殻の中で安住していたイメージを通じて得たいものはない。スターとして受ける大衆の関心よりは、俳優という職業人として面白い作品をやりたく、仕事をしたい気持ちである」と打ち明けた。
