映画『徐福』主演のコン・ユ、「なぜ生きるのかという理由を問う作品、まだその答えは見出せていない」
2021年04月14日

俳優のコン・ユが生と死に対する意味を込めた映画『徐福(原題:서복)』で観客たちにずっしり重みのある質問を投げかけた。
コン・ユが演じた“キホン”は膠芽腫で死を目前とした元情報局要員。
過去のトラウマにとらわれ、苦しみながら死を前にもがく。
そんな彼にクローン人間“徐福(パク・ボゴム)”を安全な場所に移送するという任務が与えられる。
13日にリモートインタビューで会ったコン・ユは映画のテーマと同様、重い雰囲気が感じられた。
彼は生きる意味に関する質問に「難しい」と、しきりに首をかしげながらも時間をかけてじっくりと自分の考えを紐解いていった。
コン・ユは「映画はクローン人間という素材を扱っているが、ストーリー自体は『なぜ、生きるのか』という質問に関するもの」とし、「この2つが混ざり合い、どのように映画として作り上げていくのか好奇心があった」と、作品を選んだ背景を明らかにした。
彼は「年齢を重ねるたびに消耗的な物語には関心があまり湧かなくなる」とし、「シナリオを読んだ時に悩み、これまで難しくてできなかった物語に興味を覚える方だ」と伝えた。
さらに「『徐福』は僕にとってポンと質問を投げかける感じがあった。ある意味、当然で簡単な質問のようだが、答えがちゃんと出てこないのだ。僕がなぜ、この質問に戸惑い、答えられないのかということに対する悩みでもあり、怖くなって最初は出演を一度断ったりもした。考えが次から次へと後を絶たず、続いていくようなシナリオだった」とも明かした。
映画の中のキホンは死に対する恐れや痛みの中で神経を尖らせる鋭敏な人物。
げっそりやつれた顔が彼の性格を代弁する。コン・ユはこのために4か月あまり食事制限をしたと伝えた。
「最初にシナリオを読んで、僕が思っていたキホンはもっと暗くて鋭敏な人物だった。でも監督がひたすら暗いというよりは、人間味が見えるキャラクターにしてほしいとおっしゃった。それで映画の中のキホンは同僚たちと冗談も飛ばし、それなりにウィットもある人物になった。現場で入れたアドリブもあるが、試写会の時はあまり笑いが起きなかった…」
コン・ユはキホンの苦痛やつらさが観客たちに届かなければならないと思ったとし、俳優としての欲もにじませた。
そしてキホンが痛みに苦しみ、便器をつかみ嘔吐する初登場シーンが編集され残念だと言及したりもした。
撮影当時、目が真っ赤になり、首に痛みが走るほど力を入れて撮ったシーンだと述べた。
それだけコン・ユはキホンに共感したという。キホンは余命宣告を自分が過去に犯した過ちに対する罰だと思いながらも、死を前に恐怖を感じ、生きたいと願う。そんな彼に“徐福”は劇中ずっと「なぜ」と質問を投げかける。
「キホンの姿こそ柔弱な人間だと思う。誰が死を目前に勇敢でいられるだろう。生きたいと思うことは、非常に本能的な人間の感情ではないだろうか。徐福が投げかけた質問の中で『ミン・キホンさんは、生かす価値がある人でしょうか?』という質問が最も記憶に残っている」
コン・ユは映画を撮影する間ずっと生きることの意味について悩んだが、まだ答えを見出すことができないでいると述べた。
それとともに『徐福』を通じて自らこのような質問を投げかけることができたことだけでも意味が大きいと伝えた。
さらに「『徐福』が僕に投げた質問は『何のために生きるのか』。死ぬ前に、ある程度でも答えを見つけることができれば大きな“福”だと思う。今は一日一日を大切に生きていこうと努力している。もともとは未来に対する心配も多く、過去に対してももがくような人だったが、最近は明日起こる出来事より、目の前の今日をうまく生きぬこうと思っている。人生は一度しかないのだから」と付け加えた。
ともにタッグを組んだ俳優のパク・ボゴムに対しては「無条件にかわいい後輩」と称賛を惜しまなかった。
現場では愛嬌たっぷりで、周りの人々に本当に気を配る後輩だと伝えた。
コン・ユは「これまでのボゴムさんからは見ることができなかったまなざしを見た」とし、「これまで優しいまなざしが際立つキャラクターを演じてきたが、今回の映画では冷たく鋭い目の表情をする瞬間がある。除隊後は、そのまなざしをしっかり披露できるキャラクターになれたら、かっこいいと思う」と述べた。
