映画『ミナリ』のリー・アイザック・チョン監督、アカデミー賞助演女優賞ユン・ヨジョンを起用した理由は?

2021年04月27日

今月25日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催された「第93回アカデミー賞」で、映画『ミナリ』で好演したユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞した。
自伝的物語を脚本化し演出したリー・アイザック・チョン監督はなぜ彼女をキャスティングしたのだろうか。
授賞式直前のインタビューをお届けする。
■ 女優ユン・ヨジョンをキャスティングした理由は?
「まず信じられないほどの演技力を持っているというのが最大の理由だった。その上、人間的側面でも本当にステキな方なので、その二つの長所の調和が『ミナリ』のおばあさん“スンジャ”'役にぴったりだと思った」
たくさんいる韓国名女優の中で、女優ユン・ヨジョンをキャスティングした理由を尋ねると、リー・アイザック・チョン監督はこう答えた。
そして全世界が注目し、好評を博す理由については、次のような回答を出した。
「誰かが言っていた。ユン・ヨジョン先生が本当に自分のおばあちゃんだったらいいのにと。 おそらく『ミナリ』でユン先生が演じるおばあさんを観ながら人々が感じるのは、おばあさんがとても遠い韓国という国からアメリカに移民して来て、ひとえに愛だけを注いでくれるということ。 映画でおばあさんの役割がそうであるように、ユン先生が演じるおばあさんが、作品を観る人々に、無限に無条件の愛をくれた家族の誰かを思い起こさせるようだ。そのため、ますます先生の演技が好評を博していると思う」
チョン監督は特に、自分の両親や祖母のように1980年代初め(映画では1982年)、アメリカに移民した第1世代移民者たちの場合、最も大変だったのは、おそらく“モデル(前例)”がないということだったとし、「人生の先輩として、誰かが『ここではこうしろ』と助言してくれる人が皆無だったため、どうするのが正しくて間違っているのか予測することさえ難しかった」と述べた。
したがってその方たちは“勇気”が必要だったというが…
■ チョン監督の家族が移住した理由は?
実際に自分の家族がアメリカに移住することになった動機についても、チョン監督は父親の“覇気”を挙げた。
若い青年時代、父親がソウルの鍾路(チョンノ)で観た映画の中のアメリカを見て、移民を夢見るようになったという。
広い土地があり、そんな所でチョン監督の父親は「何でもできる」と思った。
いわゆる“アメリカンドリーム”を夢見る勇敢な韓国人青年だったというわけだ。
そんな多くの新しいチャンスのために、家族全員がアメリカに渡ることになったという。
そして映画を撮影しながら、ユン・ヨジョンをはじめとするすべての出演者が本当にひとつの家族のようになったとし、(オスカー受賞候補など)今起きていることに皆が驚いているという話を何度も繰り返した。
また、そんな家族のような気持ちで「アカデミー助演女優賞」に輝く女優のユン・ヨジョンを応援していると述べたりもした。
「心の中ではユン先生に受賞してほしいという願いがある。世界が先生の立派な演技力に注目する本当に良い機会に恵まれたと思う。だから必ず最高の席まで行ってほしいと思っている」
チョン監督はユン・ヨジョンが演じた“スンジャ”というおばあさんを通じて表そうとする“おばあさん像”について、映画のエンディングシーンに触れながら、このように締めくくった。
「『ミナリ』は場所に関する映画でもある。映画の中で水がたくさん登場し、水を探す場面がよく出てくる。それが意味するところは、“すべての物事には、自分がいるべき場所がある”ということ。 そのような脈絡で、おばあさんは人生を見つめる自分なりの方法があるようだ。『ミナリ』のスンジャおばあさんも、一見怖そうな慣れない水辺に降りてきて、そこでセリを植えるのに完璧な場所を探している。そういう意味で映画を結びたかった。メッセージではないが、おばあさんという存在の特性なのか、それ自体が知恵を持つ、そんな存在だ。知恵の代名詞とも言える。強くて面白い、そんなおばあさんをユン先生が本当によく表現してくださったと思う」

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