イ・ソクフンの人気曲やドラマOSTまで…歌謡界のリメイクブームはコロナ禍での“安全な選択肢”
2021年05月17日

“このバカ、本気じゃないんだ~、まだ僕をそんなに知らないの”
耳馴染みのあるメロディーに、自然と口ずさんでしまう歌詞。この楽曲は、ドラマ「快傑春香」のテーマ曲として書かれた「Emergency Room」。ただオリジナルを披露したバンドiziではなく、男性ソロ歌手ファン・インウクが歌う2021年のリメイクバージョンだ。
2005年の発売後、若い男性たちのカラオケ愛唱曲として長い間君臨してきた「Emergency Room」をリメイクした同楽曲は15日、音楽配信サイトMelOnの「最新24Hits」発売4週以内のチャートで10位を記録し、変わらぬ人気を誇示した。
この楽曲だけでなく、長くて10年以上前に発売された楽曲をアレンジしてリリースする事例が最近相次いでいる。
3人組グループSG WANNABEのイ・ソクフンは11年前の自身のヒット曲「Ten Reasons I Love You」を、男女ユニットROCOBERRYとデュエットで歌い、最近再リリースした。
Wanted出身のハ・ドンギュンは、ドラマ「王女の男」のOSTとして愛されていた「I will be waiting」のリメイクバージョンを、男性ユニットGB9のボングとともに歌唱した。オリジナルではJ. Lee(イ・ジョン)とデュエットをしていた。
Eru (イル)は自身を代表するヒット曲「Black glasses」を男性シンガーKyunwoo(キョヌ)とデュエットし、16日にリリース。女性シンガーのNSユンジも2012年にフィーチャリングアーティストとして参加したパク・ジェボム(Jay Park)の代わりに、新たなアーティストとタッグを組んだ楽曲「If You Love Me」を22日にリリースする。
自分が歌ったことのない別の歌手の昔のヒット曲を、自身の音楽スタイルでリメイクしたケースもある。
女性シンガーBenはガールズグループKISSの「Because I Am a Woman」を、ソン・ハイェはNaviの「Heart Damage」をそれぞれリメイクし16日にリリースした。
歌謡界のリメイクブームは、新型コロナウイルスにより大衆音楽界が直面した危機と無関係ではないとみられる。
公演関連収益が激減した状況で、新曲リリースのために思い切った投資をするには負担が伴う上、その楽曲が成功するという保障もできない。
一方、ヒット曲のリメイクは音楽ファンたちに親しまれ話題性もまた高いために、比較的ヒットが保障された“安全な選択肢”というわけだ。
大衆音楽評論家のチョン・ミンジェ氏は「需要が確実な大型アーティストやアイドルでなければ、コロナ禍で新曲を出すのはとてつもない冒険」だとしながら、「映画界で新作を公開せず、昔の映画を再上映するのと似た考えで、歌謡界でもリメイク音源をリリースしているのだろう」と見立てた。
レトロブームもリメイク音楽の“インフラ”の一助となった。最近各種YouTubeチャンネルやバラエティ番組などを通じて、昔の名曲が相次いで再評価される傾向にある。単純に一過性の話題に留まるのではなく、10代から20代が存在感を発揮する音源チャートでも好成績を出している。
過去の歌がその歌に思い出のある既成世代だけでなく、若い世代までをも魅了する力があるということが確認されたのだ。
大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「以前は“使いまわし”などという批判があったが、最近の世代には多くの人の共感を得る楽曲をリメイクすることを容認する文化が生まれた」と述べた。
ただし彼は「その楽曲を単純にコピーするように歌うのではなく、新しいアーティストを参加させるなどの方法で、多様性を図ってこそ好評を得ることができる」と付け加えた。
