チョ・ドンヒ、母親としてミュージシャンとして綴る新曲「Baby Apple」…「子どもたちとの大きな愛の話」

2021年09月01日

シンガーソングライター チョ・ドンヒの家の前には赤い花りんごが咲く木がある。
彼女の3人の子どもが木の下を行き来しながら成長する間、暑い夏が過ぎ雪の舞う冬の季節が幾度となく過ぎ去り、その時間を“花りんご”というタイトルの楽曲に盛り込んだ。
“家の前の木、小さくて赤い花りんご/ひとつふたつずつ実る時/私は幸せだった、あなたと一緒に暮らした/真空管の中の透明な時間たち…”
最近、ソウル鍾路区楼上洞 (チョンノグ・ヌサンドン)で会ったチョ・ドンヒは、「この前は子どもが制服を着て運動靴の紐を結んでいる写真を撮りながら、『あー、ああやって大きくなったんだな』と思った」と話を聞かせてくれた。
「Baby Apple (原題は花りんごを意味する꽃사과)」は、京畿道 (キョンギド) 子ども博物館が開館10周年を迎えリリースするプロジェクトアルバム『Mother Song』の収録曲。
母親であるミュージシャン11人が子どもと一緒に過ごした自伝的経験、そして子どもに捧げる心の手紙を歌にして集めた。
参加したミュージシャンたちは、なかなか同じアルバムに集結するのが難しいほど豪華な顔ぶれ。ジャズ、ブルース、フョーク、国楽などジャンルも多様だ。
Malo、パク・セビョル、UBARE、ホ・ユンジョン (Black String)、カンホダリムが参加した第1弾 音源5曲が7月29日に先行でオンライン公開された。
さらに先月30日には、チョ・ドンヒ、ユンジン、イム・ジュヨン、パク・ヘリ、チャン・ピルスンの楽曲が追加リリース。
母親というアイデンティティがミュージシャンのプロフェッショナリズムに出会い、作り出した楽曲は温かい要素の中に熾烈さが含まれている。
プロジェクトを企画したチョ・ドンヒは「ミュージシャンである母親が捧げられる最良のプレゼント」だとコメント。
続けて「一曲一曲が届くたびに胸がじんとして、その中の人生が見えた」とし、「みんな“真のアーティスト”なのでミキシングやマスタリングも長い時間かかった」と笑みを見せた。
プロジェクトを始めたきっかけは「母親の夢を子どもに変えなければならないのではないと言いたい」気持ちだった。「多くの“ママミュージシャン”たちが罪人のように恐縮した気持ちになったりした。音楽をやると言えば夢であり、職業ではなく趣味生活というように見る視線も多かった」と述べた。
チョ・ドンヒも年子で生まれた娘と双子の息子を育てながら7年間、音楽活動を休止した。
遊び回っていた子どもたちの足で、大事にしていたギターが折れた時、彼女も選択をした。童話を読んで童謡を聞きながら、子どもの目線で一緒に遊ぶ日々を送った。
音楽を始めて18年後となる2011年、ようやく「キャリア断絶を断絶」と、1stソロアルバムを発売し、その後も働くママとしての人生を送っている。
子どものための歌を作ってアルバムを出せばいいと思っていたところ、ほかの“ママミュージシャン”らと意気投合した。ちょうど10周年を迎えた京畿道 子ども博物館とともにプロジェクトを立ち上げ、今春から本格的に作業に入った。
チョ・ドンヒは「ある意味音楽をする上で、制約があった条件が今や私にとって歌になったこと」だとし、「私には一番大切なアルバムになりそうだ」と述べた。
各トラックに収録されたママミュージシャンたちの姿もさまざま。
母親の目線で子どもを見つめる自分の内面を直接表現した楽曲は、これまであまり多くなかったため、さらに貴重だ。
育児で昼も夜もなくなる変化を経験した新米ママのパク・セビョルは「Day and Night」でその気持ちを表現。
Maloの「Your Dream of July」では軽いボサノバで不安な子どもの未来を優しくなでるように綴った。
今月CD発売と一緒に公開される11トラック目は少し特別な楽曲。
京畿道 子ども博物館と一般人の母親を対象に10週間、作詞学校を開き、参加者が書いた歌詞をモチーフにした子守歌を作った。
この参加者は共同作詞家としてクレジットに名を連ねる。
ここにママミュージシャンであるビブラフォン奏者Mothervibesも参加。
チャン・ピルスンの「When My Loneliness Calls to You」などの歌詞を書いた、作詞家でもあるチョ・ドンヒは参加者たちに「自分の名前を話して、自分の話をしてほしい」と願いを伝えた。それから子どもとの瞬間、参加者たちの母親の話などへ進んだ。
「緑色の若芽のような時間だった。参加した母親たちが『私に戻ってくる時間なのでうれしい』という話をした時に胸がじんとした」
来月にはアルバム参加ミュージシャンたちのステージも行われる。
今月25日と26日にそれぞれ龍仁 (ヨンイン)にある京畿道 子ども博物館と東豆川 (トンドゥチョン)にある京畿北部子ども博物館で5人ずつ公演する。
音源収益の一部は子ども博物館に還元され、一部は寄付もする計画。
結局このアルバムは「とても大きな愛に対する物語」というのが彼女の言葉だ。
「お互いに腹を立て合い、敵対視する人々の心に慰めとなるアルバムになってほしい。誰にも母親がいて、子どもだった頃があるので。こんな大きくて原始的な“ラブソング”の中で、柔らかい時間を過ごせたら幸いだ」と明かした。

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