映画『いい人』主演キム・テフン、「“いい人”になってこそ“いい俳優”になれるという思いは変わらない」

2021年09月03日

映画『いい人(原題:좋은 사람)』で主人公のギョンソクは“いい人になりたい教師”として紹介される。
しかしギョンソクが見せる姿は、何かと足りない無力で平凡な人物だ。友達のような良い先生になりたがっているが、いざ生徒たちが置かれた状況や悩みには関心がなく、離婚後、妻が忙しい時は喜んで子どもの面倒を見るというものの、父親を拒む子供に、同じように腹を立てる。
責任を回避するため子供にまで責任転嫁する姿は、むしろ“悪い人”に見える。
ギョンソクを演じた俳優キム・テフンは2日、オンラインインタビューで「(ギョンソクは)いい人ではないようだ」と述べた。
さらに「生徒たちをすべて理解しているように見えるし、むやみに人を疑ったり判断しようとしないのは、他人から見るとすごくステキだが、常に人の目を意識しながら生きているのではないかと思った。僕ももちろん人と会う時いつもそういう意識をしていたし、だからこそ共感はできるが気に入らない部分だった。優しい人、善良な人とは言われると思うが、それが“いい人”なのかはいつも悩みがあったから」と明かした。
彼は「僕はいい人ではない。いい人がどんな人なのか今も悩んでいるし、これからも悩み続けていかなければならないと思う」と述べた。
また「幼い頃は、ただ優しく善良に生きようとしていて、他人が優しいといえばそれが“いい人”だと思っていた。しかし今はそれだけでいい人ではないと思うし、もっと拡張された領域で、本当に多くのことを悩み、配慮して、付き合っていかなければと思う。僕は決していい人ではないということを、今回の映画に臨みながらさらに感じた」とも付け加えた。
ギョンソクはクラスで起きた財布の盗難事件と娘の交通事故の犯人に疑われた学生セイク(イ・ヒョジェ)に対する信頼と疑心の間で揺れる。
善悪について絶えず問い返す映画は、ややもすると重く感じられるかもしれないが、映画はサスペンス的な要素を加味し、リズミカルに物語を進めていく。
キム・テフンも「はっきりした質問とメッセージがある映画で、すごい事件や華やかな状況ではなく、日常的に起こりうるささいな事件を扱いながらも、その中でとても緊張感があり緻密に交差する面白さがあったし、大衆にも愛されるはずだと思った」と自信を示した。
彼の顔つきは善良な印象だが、前髪を上げると目つきから鋭さが際立つ。だからこそ「善と悪が共存する顔」という評価が伴う。
彼は「自分では僕が善良な顔なのか、悪い顔なのかよく分からないが、そうやってご覧になっていただいて、明るい役、卑劣な役、悪い役まで、さまざまな経験にトライできるので俳優としてありがたくうれしいこと」だと述べた。
また「“いい人”がどんな人なのか、死ぬまで悩まければならないように、“いい俳優”になるのも悩みの延長になるしかなさそうだ」と述べた。
さらに彼は「20代の頃は30代中盤くらいになると、『俳優とは何なのか』を知ることができると思っていたが、30代後半になってもよく分からなかった。40代になれば演技に対して少しは分かってくるだろうと思ったが、40代半ばを過ぎてもまだ分からないし難しい。以前の僕と変わった点はあるが、悩みの量とその強さははるかに多く高まっている。まずは“いい人”になってこそ、“いい俳優”にもなれるという思いは変わらずに持っている」と語った。

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