最近人気の芸能人?いいえ“仮想人間”です…存在感ある異色のインフルエンサーたち
2021年09月08日

“彼女”の趣味はファッションスタイリングや植物栽培、ヨガ、旅行だ。エコにも関心が高いこの22歳の女性はファッションや広告モデルで人気を集めている。SNSのフォロワー数は5万人。しっかりとした存在感を誇示するこの女性の名前は“ロジ(ROZY)”。
数万人のフォロワーを保有し、SNS上で影響力が高い典型的なインフルエンサーに見えるが、異なる点がある。永遠に年を取らない“不老長寿”に恵まれたのだ。ほかならぬ“仮想人間”であるためだ。
■ 仮想人間の“ロジ”、広告の反応は爆発的…環境にまで取り組む
仮想人間“ロジ”は今年7月、ある保険会社の広告モデルになり注目を集めた。反応は爆発的だった。「本物の人間だと思った」という驚きとともに、YouTubeで広告2件の再生回数が1,500万回を超えた。
さまざまな分野からオファーが殺到し、先月にはある自動車メーカーの電気自動車の広告モデルとして活動をはじめた。ホテルマーケティングのモデルとしても脚光を浴びている。“ロジ”はコロナ禍でもノーマスクでホテルを闊歩できる。
収益を生む活動だけを行うのではない。“ロジ”は自身の影響力を基に、環境保護キャンペーンにも参加した。ゴミ排出量を削減する“ゼロ・ウェイスト(Zero Waste)”や、プラスティックの使用を控える“ノー・プラスティック・チャレンジ(No Plastic Challenge)”など非営利団体のプロジェクトに取り組んでいる。
■ 産毛まで再現した仮想人間…実存の人物と勘違いするほど精巧な仕上がり
レギンスを履いて潜水橋(チャムスギョ)でジョギングをする女性の後ろ姿。なんの変哲もないこの写真一枚が先日SNS上で話題になった。
運動する自分の姿をインスタグラムのアカウントに載せたかのような写真だが、この写真は実際に撮影したものではない。写真の中の女性が実際の人物ではないからだ。
彼女の名前は“ルーシー(Lucy)”。韓国のホームショッピング会社が作り出した仮想人間のショーホストだ。“ルーシー”は産業デザインを専攻した29歳のデザイン研究員で、SNSのフォロワー数は2万人にものぼる。あるホームショッピング会社が業界で初めて開発した仮想人間で、肌の産毛まで見えるよう、ハイパーリアリズムモデリングを活用した。
“ルーシー”は仮想スタジオで商品を紹介し、顧客とコミュニケーションを図りながら、直接販売にも乗り出す予定だ。人工知能基盤の音声表現技術に動きまで加え、仮想カウンセラーとして活動領域も広げていこうと計画されている。人間のショーホストのような役目をこなすのだ。
■ 私生活の問題や、時空間の制約なく活動が可能…メタバース市場が拡大する時代に
仮想人間の領域は次第に拡大している。世界最大のIT·家電展示会「CES 2021」で韓国の家電メーカーが公開した仮想人間“キム・レア(Keem Reah)”は、韓国人の23歳の音楽家として紹介されたが、流暢な英語でショーを進行した。また、人工知能技術を活用して韓国企業が開発した仮想人間“ネオン(Neon)”は気象キャスターとしての姿を見せたりもした。
仮想人間を活用した市場の規模は次第に大きくなる見通しだ。仁荷(インハ)大学消費者学科のイ·ウニ教授は「仮想人間モデルは時空間の制約がなく、企業のブランド価値に合わせてコンセプト化しやすい。スキャンダルに巻き込まれるなど私生活の問題もないことが長所」だと説明。年をとらず活動期間も長いため、いかなる環境でもこちらが望む姿を撮影することができる。
イ教授は三次元仮想世界であるメタバース(metaverse)に慣れた消費者が次第に増えているとし、「消費者が仮想人間をひとつの生命体として扱う時代が来るだろう」と展望した。
