シム・スボンの26年ぶりの単独ショー「2021秋夕大企画」、お茶の間に届けた励ましと変わらぬ歌声
2021年09月21日

「重く希望が持てないコロナ時代に歌と音楽で投げかける応援、私がまだ生きているからできることの全部だ」
切なく心を打つ音色は月日を超えてもそのままだった。歌手のシム・スボンは19日、非対面(アンタクト)コンサートを通じて、変わらぬ歌声でお茶の間に励ましを伝えた。
同日午後8時から150分間「2021秋夕(チュソク、中秋節)大企画-咲き誇れ大韓民国、シム・スボン」が放送された。
昨年の秋夕、全国に“テスヒョンシンドローム”を巻き起こしたナ・フナの公演に続く、KBS2回目となる秋夕特集コンサートで、非対面の観客1000人が公演会場に設置されたスクリーンから見守り応援した。
シム・スボンの公演は華麗なショーマンシップと果敢な発言でお茶の間を沸かせたナ・フナの公演よりは、比較的落ち着いた雰囲気で行われた。その代わりにシム・スボンの歌声が持つ引力で、観客を完全に集中させたのが特徴だった。
シム・スボンは43年の音楽人生を圧縮した計21曲のレパートリーを通じて、水が流れるようにきめ細かくも、深い胸の内が宿ったような歌声を惜しみなく聴かせた。シム・スボンとしては26年ぶりのテレビでの単独ショーでもある。
「That Time,the Person」、「Love is all」、「men are ship though women are ports」などの代表曲を次々と披露し、公演をスタートした彼女は、「こんなに大きなステージで皆さんとお会いできて夢のようだ」とし、「“ステイホーム”や“家に引きこもろう”などという言葉で、退屈さや息苦しさを感じていらっしゃるのなら、私の音楽を励ましにしてほしい」と述べた。
歌謡界の第一世代女性シンガーソングライター言われるシム・スボンの音楽的力量と幅を垣間見る機会でもあった。1978年の大学歌謡祭の参加曲である「That Time,the Person」を筆頭に、彼女が直々に作詞・作曲した楽曲がひっきりなしに続いた。
ジャズやヒップホップジャンルを行き来する元祖“万能ミュージシャン”の姿も見せた。ロックンロールバンド「ノンストップ」のドラマーとして音楽人生を始めた彼女は、ヒップホップ風の11thアルバムの収録曲「YOU」で鮮やかなドラム演奏を披露した。
番組で初めて公開した「Arirang」のステージではピアノを演奏した。シム・スボンのピアノが導くアリランの旋律が五鼓舞(オゴム)やサムルノリなどど調和し、壮大な雰囲気を醸し出した。
ナ・フナが昨年、シム・スボンの作詞・作曲した「Binari」を歌ったのに対し、シム・スボンはナ・フナの手掛けた「Musiro」を歌ったことでも注目を集めた。
さまざまな後輩ミュージシャンとのハーモニーも印象的な瞬間を残した。
レトロな音楽を現代的に再解釈してきたバンド「Jannabi」のチェ・ジョンフンとは「女だから(原題:여자이니까)」を一緒に歌った。1976年に作られた「女だから」を静かで穏やかな歌声で聴かせたチェ・ジョンフンにシム・スボンは「歌ひとつで数十年の年月を超え、うっとりした」と激励し、チェ・ジョンフンは「先生と一緒に歌うことができ光栄」だと応じた。
切ない曲調で愛されるシム・スボンの代表曲「Binari」はバンド「CNBLUE」のメンバー兼俳優のジョン・ヨンファがともに息を合わせ、「U」はラッパーのヤン・ドングンの声がシム・スボンの声と調和した。
シム・スボンは、俳優のキム・スンウが進行を務めた非対面の観客からの一問一答で、「音楽は私に与えられた人生の意味」だとし、「音楽がなければ今まで持ちこたえることができなかったと思う」と強調した。
彼女は故郷を失い暮らしている母親が「ふるさとに帰りたくてイムジン河で夜明けまで泣いていた」と振り返りながら、思慕曲「祖国よ(原題:조국이여)」を歌い目頭を熱くしたりもした。
公演を締めくくったのはパンデミック時代を生きる人々に対する激励と励ましだった。ジーンズ姿でコーラスとともに楽しい「若い太陽(原題:젊은 태양)」を歌った時は市民たちの歌う姿が画面に一緒に映し出された。フィナーレにはヒット曲「One Million Roses」を届け、心を慰めた。
「私の歌がこんな大変なときにプレゼントになるかどうか分からない」と、最後のあいさつをした彼女は「私も皆さんもこのショーが終わったらみんな同じように日常に戻る。どうか勇気を失わず、お元気で、この苦難を乗り越えてほしい」と力を込めた。
