映画『アンカー』主演のチョン・ウヒ、「粘り強いセラは私と似ている」
2022年04月14日

今月20日に公開される映画『アンカー (原題:앵커)』の主人公“セラ”は、9時のニュースの進行を務めるスターアナウンサーだ。完璧主義であるうえ、粘り強く、決断力もある。母親にあおられたせいでもあるが、 “殺されそう、来てほしい”という謎の電話を受けると彼女は、警察に通報するのではなく、自ら現場に赴き、取材する。
チョン・ウヒは13日、オンラインでインタビューに応じ「他の部分では違うが、演技においては私もかなり粘り強く最後まで行こうとする」とし「そのような点がセラと似ている」と話した。
彼女は、セラを演じるためアナウンサーの教育課程を全て受けたのはもちろん、所作や生活習慣も身につけようと努力したという。 「練習だけが答え」だという考えで、数カ月間、一日も欠かすことなく実況練習をし、ニュースを毎日のように聞いた。
セラが、見た目とは違い内面は弱く、不安に苦しむキャラクターだったため、内面を表現する演技もやらなければならなかった。
チョン・ウヒは、セラを「内面が弱いため、表向きは鎧を身にまとったかのように堂々とする、皮肉な人物」だと解釈した。
「型にはめられてできたアンカーという姿の中で、揺れ動く感情を表現するのは簡単ではなかった。だから、もっとはっきりとストレートに演じようとした。事件の順序や、どんでん返しを観客に明確に伝えるには、セラの心理を“起承転結”に分け、まるでグラフを描くように、分かりやすく表現しなければならないと思った」
大学生で20代の母親が娘を殺害し、その後自ら命を絶つという事件を取材したことにより、セラの内在していた不安は増幅する。幽霊が見えたり、幽霊に首を絞められたりするせいで放送中にミスをするようになる。深く刺さったトラウマは、ますます爪をむき出し、彼女を容赦なく突き刺す。
チョン・ウヒは「女性の心理を最初から最後まで表現した作品は久しぶりだった」とし「“果たして完走できるだろうか”というチャレンジ精神が湧いた」とシナリオを初めて受け取った時を振り返った。
映画では、セラの母親“ソジョン” (イ・ヘヨン)の心理も重要だ。
ソジョンは、セラを産んだせいでキャリアが絶たれ、その後うつ病とアルコール中毒に苦しむ人物。娘に自分自身を投影し、セラの成功はまさに自分の成功だと思っている。セラは、そんな母親を哀れに思いながらも、一方で憎しみを覚えたりする。
しかしチョン・ウヒは母娘がお互いに抱く感情は「結局、愛」だとし「愛情の欲求があふれて関係を歪ませたが、それでも非常に純粋な愛だったと思う」と語った。
「ソジョンは子供を愛しながらも、それと同時に不安も感じたのだと思う。母親になるというのはあまりにも偉大で尊いことだが、そのぶん怖いことでもある。映画では劇的に表現されたが、誰もが抱く普遍的な感情だと思う」
彼女は、母娘の関係を“演出”しているという映画の設定をやる際、実際の母親と娘の関係に見えるように演じたと強調した。
初めて共演したイ・ヘヨンとの呼吸を問うとチョン・ウヒは「個人的にイ・ヘヨンさんがとても好きだ」と笑った。
「顔そのものが演技だと思う。何をしても、しなくても顔に全ての叙事と感情が入っている。ぜひ実際にお会いしてみたかった。カメラに収められたシーンひとつひとつを見ながら、“うわー、絵画だな”と感嘆ばかりした」
精神科医“インホ”役を担ったもう一人の「演技の神」シン・ハギュンについても「撮影現場では笑っていても、演技する時は一瞬で役に入り込むプロらしい面がとても素敵だった」と話した。
それと共に「私たち3人の俳優が、緊張感を保ち続けるというのが、『アンカー』の最大の魅力」だと述べた。
インホは催眠専門家として映画のミステリアスさをけん引し、セラとソジョンの間にある秘密を明かすのに決定的な役割をするキャラクターだ。彼の存在のおかげで観客は、衝撃的な結末を目にする。
しかしチョン・ウヒは、エンディングだけは「希望的な物語」だと言う。
「シナリオを読んだ時から、エンディングに余韻がたくさん残った。結局『アンカー』は、一人の人がトラウマを乗り越え、自分の過去を認めて、成長することを伝える映画ではないかと思う。破滅ではなく再誕生するということだ」
