ソル・ギョング主演映画『親の顔が見たい』…いじめの加害者になった息子をあなたならどうするか
2022年04月25日

キム・ジフン監督が演出した映画『親の顔が見たい(原題:니 부모 얼굴이 보고싶다)』は、“私なら”という質問を数多く投げかける映画だ。
私なら、校内暴力の加害者の疑いをかけられた我が子が、処罰されるのを黙ってみていられるのか、私なら教師職をかけて校内暴力の事実を告発できるのか、そして私なら友だちの苦しみに共感したり、立ち上がったりできるのだろうか。
映画は、校内暴力の加害者の疑いがかけられた我が子を守るため、事件を隠ぺいしようとする両親の物語が主なプロットだ。
しかし、父兄の他にもそれぞれ異なる状況に直面したさまざまな登場人物が、どのような選択をするのかを見せながら、観客に考える余地を残し、錐のような問いを投げかける。果たしてあなたなら正義の選択をすると自信を持って言えるだろうかと。
名門校のハンウム国際中学校に通う“ゴヌ”はある日、学校の近くの湖で、意識不明の状態となって発見される。彼が臨時担任教師の“ジョンウク”(チョン・ウヒ)に残した手紙には、長い間同じクラスの友人からいじめられていたという告白とともに彼らの実名が書かれていた。加害者の疑いをかけられた子どもは計4人。両親は急いで校長室に集まり、対策会議に入る。
彼らは、加害生徒のうちの一人、“ハンギョル”(ソン・ユンビン)の父“ホチャン”(ソル・ギョング)の指揮の下、偽りのシナリオに合わせ、協力し合う。子どもに「本当に友だちを死に至らせたのか」ということを問う人はいない。ゴヌを無慈悲に暴行する様子が撮られた動画を見ても、怒る人すらいない。子どもを失ったゴヌの母親(ムン・ソリ)の苦痛など、もちろん眼中にない。彼らにとって重要なのは、ただ我が子の安危だけだからだ。
弁護士のホチャンをはじめ、大手病院の理事長、元警察庁長官、現在のハンウム中学校の教師など、強い権力を持つ加害学生の両親たちは、カネと力を利用し事件を葬ることにほぼ成功する。しかし担任教師のジョンウクはマスコミにこのことを暴露。状況は一転する。ホチャンは担任教師を陰湿に追い込み、他の両親を懐柔するが、彼らはホチャンの息子ハンギョル一人に罪を被せることで口裏を合わせる。
結局、一人で拘束された息子を救うためホチャンは事件を暴き始める。そして他の加害者3人の暴行に耐えられなかったハンギョルが、仕方なくゴヌをいじめることに参加したという事実も分かる。瞬く間に加害者の両親から被害者の両親に立場が変わったホチャンは、息子の濡れ衣を晴らすことができるのだろうか。
ストーリーは原作の同名戯曲とほぼ同じだ。原作のしっかりとした描写のおかげで映画も滑らかに流れる。ここに映画的演出を十分活用し、激しく揺れ動くホチャンの心理をより容易に垣間見ることができるようにした。演劇が冷淡で冷徹だとするなら、映画はより熱く、感情的だと感じられる理由だ。
最近、『キングメーカー(原題:킹메이커)』や『夜叉(原題:야차)』など、さまざまな作品に出演したソル・ギョングは、ホチャン役でも優れた演技力を見せた。特にエンディングで披露された複雑な感情が入り乱れた表情の演技が圧巻だ。ソル・ギョングは最近、試写会を兼ねた記者懇談会で「正直、僕がホチャンなら葛藤するだろう」とし、「息子のハンギョルを信じ、また信じたい父親の気持ちで演じた」と述べた。
担任教師は原作では男性だが、映画ではチョン・ウヒが務めた。出番はあまり多くはないが、最も重要な役割を果たす。内的な葛藤の末に、ゴヌの被害事実を暴露する人物であり、平凡な“我々”と最も近い人物でもある。チョン・ウヒは「ジョンウクは岐路に立たされている人物」だとし、「加害者や被害者ではなく、第三者がどんな選択をすべきかを考えさせる」と述べた。
彼女は正規職員として採用するという学校側の懐柔にも、加害父兄たちの偽りの世論作りにも揺るがない。教師としての職業倫理を、人間としての良心を守った結果だ。他の人物は、数多くの誤った選択をしたが、ジョンウクたった一人の正しい選択により、真実は徐々に光を放つようになる。原作者とキム監督は、これを観客である“我々”に伝えようとしたのではないだろうか。
『親の顔が見たい』は今月27日に韓国で公開される。上映時間は111分で、年齢制限は15歳以上観覧可だ。
