ソン・ガイン、「トロットブームとは一線を画すことができ誇らしい…私は年配の方々のアイドル」

2022年05月16日

「ソル・ウンド先輩が『不朽の名曲』に出演した際、『家で遊んでいる先輩を番組に出演させてくれてありがとう』と笑いながらおっしゃったが、そのような言葉がとてもありがたく大きな力になった。私も先輩方のように後輩によくしてあげなければという気持ちで周りの同僚たちをケアしている」
トロット歌手ソン・ガインは、最近ソウル・江南(カンナム)区の所属事務所PocketDol Studioの社屋で開かれた記者懇談会で、「この時代のトロットブームとは一線を画せて誇らしい」とし、「どこに行っても最善を尽くして歌う」と述べた。
2012年にデビューした彼女は、無名生活を踏み、2019年のトロットオーディション番組で優勝。一躍スター歌手となった。ソン・ガインはこの番組を通じて、個人の成功と力を注いできたトロットのリバイバルという二重の喜びを味わった。
ソン・ガインは「私がこんなトロットブームを起こすとは思わなかった。お年寄りのアイドルになった」と年配ファンの愛に感謝を表した。
しかしこのようなスターダムは、感動であると同時にプレッシャーでもある。
彼女は「多くのファンや先輩後輩たちが見ているため、うまくやり遂げなければというプレッシャーがある」とし、「先輩方は『これからヒット曲を出さなければならない』とおっしゃるが、欲張らない。全てのことには時があるものだ」と述べた。
ソン・ガインは先月、3rdアルバム『THE SONG OF LOVE』をリリースし、久しぶりにファンの元に帰ってきた。
前作の2ndアルバムではセミトロットジャンルを盛り込んだとするなら、今回は自身の専売特許と言える“濃い”伝統トロットをぎっしり詰め込んだ。
タイトル曲「Rainy Mt. Geumgang」は、「Camellia Young Lady」を手掛けた故ペク・ヨンホ氏が作曲した楽曲で、故郷に帰れない失郷民(シリャンミン/朝鮮戦争の際に、朝鮮民主主義人民共和国から大韓民国へ避難し、故郷に戻れなくなった人々)の切ない“恨”を込めた。
ソン・ガインは「おそらく、今残っている失郷民は最後の世代だろう」とし、「『Rainy Mt. Geumgang』はこの方々のための楽曲」だと述べた。
さらに「実際に私の知り合いは、北朝鮮にお姉さんがいるのだが、私の歌を聴いて涙が出たと電話をくれた」と述べた。
オーディション番組以降、トロットブームが起きたが、その顔ぶれを見ると、ジャンルは実に多様だ。
“イージーリスニング”が歌謡界のトレンドとなった中、相対的に難しく聴こえうるトロットに踏み入れた彼女の信念をもう少しのぞいてみたくなった。
ソン・ガインは「私は国楽を経験したが、国楽が“本物”だということだ。国楽に(音楽の)基礎があるので、伝統トロットは難しくなかった。“こぶし”や“しゃくり”が伝統トロットの歌唱法と似ている」と述べた。
さらに「私がセミトロットのような軽い歌を歌えば、“味”が出ない」とし、「私だけの歌唱法を見出せる楽曲は、伝統トロットではないかと思う」とも明かした。
彼女は今月、ソウルを皮切りに大邱(テグ)や全州(チョンジュ)などを巡回する全国ツアーにも乗り出す。コロナ禍でしばらくファンと対面できなかったため、期待が大きいと述べた。
ソン・ガインは「トロットだけでなく、選考のパンソリや民謡などの国楽も多様にお見せする予定」だと紹介した。
自身の音楽の根本は国楽だと誇らしく語る彼女は、最近国楽界で起きた「国楽教育縮小の懸念」についても強く声を上げた。
ソン・ガインは「このようなことが起きたこと自体が話にならない」とし、「私が乗り出さなければならないと思い、声を上げている」と述べた。
それとともに「私が他の人のようにトロットだけをしていたなら、このような声は上げられなかったし、ここまで上り詰めることもできなかった。パンソリ(韓国の伝統民俗芸能)をやっていたからここまで来られたのだ」とし、「言うべきことは言いたい性格。一度きりの人生だから、違うことは違うと言うべきだ」と力を込めて語った。
いつの間にかソン・ガインは今年でデビュー10周年を迎えた。
キャリア数十年が珍しくないトロット界で、自身はまだ新米に過ぎないと冗談を飛ばした。
ソン・ガインは「つらい時もうれしい時も、ファンの事を思いながら頑張らなければならないと心に決めている」とし、「つらい無名時代があったということを常に考えながら、ステージに立っている」と述べた。
そして「本当にあっという間の10年間だった。先輩方に比べればまだ新米。『まだ10年しかトロット歌手をやっていないの?』という感じ(笑)」と明かした。

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