『ベイビー・ブローカー』&『ルームシェアリング』、血縁関係がない家族を描いた作品が反映する現代像

2022年06月21日

単身世帯の比率が韓国で30%を超えた。同国でも、普遍的な世帯形態として定着し、血縁で結ばれた家族の連帯は次第に緩んでいっているようだ。
このような社会的変化は、映画の中にも現れている。韓国で上映中の映画『ベイビー・ブローカー』や22日に公開を控えた『ルームシェアリング(原題:룸 쉐어링)』が代表的だ。
これらの映画は、結婚または血縁でつながっていない人たちが身を寄せ合いながら暮らし、ひとつの家族になっていく話が盛り込まれている。明らかにファンタジーのような側面もあるが、 “血縁家族”が解体されていく現代でも、家族という関係に対する欲求は変わらないということを示す。
『ベイビー・ブローカー』は、赤ちゃんポストに捨てられた赤ん坊を通じて偶然出会った人々を描いている。シングルマザーの“ソヨン”(イ・ジウン、歌手のIU)、捨てられた子どもを販売するブローカーの“サンヒョン”(ソン・ガンホ)と“ドンス”(カン・ドンウォン)、孤児院で生活していた小学生の“ヘジン”(イム・スンス)は、古いワゴン車に乗り、赤ん坊“ウソン”(パク・ジヨン)の里親探しの旅に出る。
やむを得ず赤ん坊を捨てることになったソヨンと幼い頃に母親から捨てられたドンス、妻と娘に捨てられたサンヒョン、新しい家族を見つけたいヘジンは、その過程でお互いに傷つけあったり、慰めたりしながらも感情的な連帯を築いていく。
血の一滴も混じっていない人々が、理想的な共同体を作っていくという点で、2018年のカンヌ国際映画祭のパルムドール賞受賞作である是枝裕和監督の『万引き家族』を彷彿させる。
ナ・ムニとチェ・ウソン主演の『ルームシェアリング』は、一人暮らしの老人と安い部屋が必要な大学生が、地域社会プロジェクトを通じて出会い、繰り広げられる物語。
長い間一人で暮らしてきた気難しい性格のおばあさん“クムブン”(ナ・ムニ)、施設出身の大学生“ジウン”(チェ・ウソン)は、一つの空間で暮らしながら次第に近づいていく。
クムブンが“力のない老人”扱いをされると、ウソンが元気な孫であり保護者になってあげ、ジウンが“両親のいない子ども”扱いをされると、クムブンが彼の祖母になってあげる。血縁家族がいないことで、頼るところなく生きてきた2人が、お互いに必要な存在になり、本当の家族になっていくのだ。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「現実的に単身家族がとても増えている。家族同士が親しく過ごすケースより、離れているケースの方が多く、昔よく見た家族の物語で、共感を得るのは容易ではない」と、最近映画に新しい形態の家族が登場する理由を説明した。
さらに、『ベイビー・ブローカー』と『ルームシェアリング』に登場するオルタナティブな家族の姿は、現実的に普遍化されていないという点で、ひとつのファンタジーだと定義しながら、「家族に対する欲望はあるが、血縁関係で構成されたこれまでの家族形態に対する懐疑心もあるということを反映している」と分析した。

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