“カンヌ監督賞”映画『別れる決心』の主演のパク・ヘイル、「ヘジュンは僕が待ちわびた刑事のキャラクター」
2022年06月24日

「信じられないと思うが、俳優として刑事役が初めて。過ぎてから思ったことだが、おそらくこんなキャラクターを僕が待っていたのではないかと思う」
映画『別れる決心 (原題:헤어질 결심)』で俳優パク・ヘイルが演じた主人公“ヘジュン”は、よく刑事と言えば思い浮かぶイメージとはまったく相反する人物。スーツ姿に黒いスニーカーを履いたヘジュンは、清潔で繊細で思いやりあふれる“品位”ある刑事。
ヘジュンの“ヘ”はパク・ヘイルの名前から取った。パク・チャヌク監督がシナリオの構築段階から、パク・ヘイルという俳優を念頭に置いたという意味だ。
23日、ソウル・鍾路 (チョンノ)区のあるカフェで会ったパク・ヘイルは、テーブルの前にティッシュとリップクリームを置いたままインタビューに応じた。質問に答える間ずっと、まっすぐな姿勢で座り、静かに質問に答える彼から映画の中のヘジュンの姿を見つけることは難しくなかった。
パク・ヘイルはヘジュンを「非常に矛盾した人物」だと定義した。
さらに「これまでの (映画の中の)刑事のイメージとぶつかる。刑事のイメージが『僕によく似合うだろうか』という思いがあったが、(ヘジュンは) そうではなくて演じるのにぎこちなさがちょっと少なかった。監督と“ヘジュンらしさ”を見せられるトーンと状況をきちんと準備していきながら満足に撮影したようだ」と付け加えた。
パク・チャヌク監督の新作『別れる決心』は刑事ヘジュンが変死事件を捜査する過程で被害者の妻ソレ (タン・ウェイ)に疑いと関心を同時に抱き繰り広げられる物語。自分自身と職業に対して固い自負心を持っていたヘジュンは、ソレに出会い感情の波を体験する。
2人はお互いに対する好奇心が好感に、また会いに発展していく過程で、そのいかなることも直接的に表現しない。さらには本心を隠そうともするが、パク監督の繊細な演出は彼らの感情の動きを執拗かつ繊細に盛り込む。破格的で残酷な前作のトーンとは明確に異なる姿。
パク・ヘイルは「この作品で監督が見せようとするロマンスはあえて遠回しに表現しながら感情を思い出させる方式」としながら、「感情が生じてこそ出てくる小さな行動で累積されたものが盛り込まれた、もう少しおとなっぽい愛」と説明した。
そして「パク監督のこれまでのフィルモグラフィでの演出が観客たちにアプローチし、感情にスクラッチを出す能動的な方式だったとすれば、今回は観客が徐々にヘジュンとソレのそばに近づいてきて見つめるように誘導するのだと思う。俳優としては監督の以前の作品よりは、今回のトーンの作品に出会えたのがとても幸運で幸いで、さらによかった(笑)」とも明かした。
パク・チャヌク監督と初めて監督と俳優として出会ったという彼は、デビューしてから20年が過ぎたが、撮影を控え緊張もたくさんしたと回想した。
パク・ヘイルは「最初のボタンをどのようにはめればいいのか本当に困惑していた。ポン・ジュノ監督からメールで『パク監督にどのようにアプローチするべきか聞いてみたが、『真の巨匠。どんな演技をしてもすべて受け入れてくれるよ。心配せずに楽しく撮影して』と話してくださった。幸いにも私的な席と現場での姿があまり変わらないので、負担が少なかったようだ」と振り返った。
外国の俳優と共演をしたのも初めてなパク・ヘイルは、「意味深く、楽しいことだが、その方がやってきた演技や文化を理解して尊重しなければならないので、悩みもあったがタン・ウェイさんとは最初から良かった」と述べた。
さらに「タン・ウェイさんの家に行ったが、予想とは異なり菜園を作っている平凡な姿を初めて見た。僕はその自然な姿を『すべてをさらけ出して作業を一緒にしてみよう』という態度と受け入れた。その時から見えない緊張感をいっそう和らげた状態で臨むことができた」と付け加えた。
『別れる決心』は先月開かれたカンヌ映画祭のコンペティション部門に進出し監督賞を受賞した。パク・ヘイルは「初めて行った場所で演技に対する好評まで聞くことになり、僕にとっては本当に意味深いプレゼントのような席だった」と感想を伝えた。
新型コロナウイルス感染症の事態で参加した作品の公開が先送りされ、1年間の空白期間を持ったというパク・ヘイルは、『別れる決心』を皮切りに来月『閑山:龍の出現 (原題:한산: 용의 출현)』まで相次ぎ激情を訪れる。彼は照れくさそうな笑みとともに観客との再会に対する期待を伝えた。
パク・ヘイルは「もう自分の仕事をしているような気がする。最初のスタートが『別れる決心』になったが、俳優として大切な経験をした作品。何よりも観客との出会いが一番わくわくして緊張する」と明かした。
