7thアルバムリリースのHuckleberryfinn、「ロックを取り除き本当の慰めを与える」
2022年09月22日

「イソップ物語で、道行く旅人のコートを脱がせようとしたのは北風と太陽だった。昔のHuckleberryfinnの音楽は、強い風を人に吹き付けていたが、今回のアルバムで日差しのようなポップの良さを悟った」(イ・ギヨン)
バンドHuckleberryfinnは21日午前、ソウル・西大門 (ソデムン)区の作業室で7thフルアルバム「The Light Of Rain」の発売を記念して記者会見を開き、「つらい時間を過ごしている人に、“皆さんが気づいていない間も、雨雲の上の日の光は皆さんを照らしている”という励ましの言葉を伝えたい」とアルバムのカラーを紹介した。
1998年、1stフルアルバム「18日の水曜日 (原題:18일의 수요일)」でデビューしたバンドHuckleberryfinnは、詩的な叙情性と深さ、しっかりとした音楽的完成度で20年以上にわたり、音楽ファンに支持されてきた。1stフルアルバムと3rdフルアルバムは、「韓国大衆音楽100大名盤」に入ったりもした。
今回の7thフルアルバムは、2018年の6thフルアルバム「Aurora People」以来、実に4年ぶりのフルアルバムとなる。
イ・ソヨンの中性的な力強いボーカルで、やや荒っぽく暗い世界観を広げてきた彼らが、「光」を素材にした今回のアルバムで音楽的変身を遂げ、リスナーに温かい慰めを伝える。
アルバムには「Equator Black Bird」、「LTL」、「Tempest」のトリプルタイトル曲や、2015年にシングルで先行公開した「愛する友よ バイバイ (原題:사랑하는 친구들아 안녕)」など、計10曲が収められている。
デビュー24年の長寿バンドであるだけに彼らは、アルバムを準備していたこれまでの4年間を「音楽の方向性について激しく悩んだ時間だった」とした。バンド音楽を四半世紀にわたって続けてきたが、意外なことにインスピレーションを受けたのはポップとヒップホップ音楽だったという。
イ・ギヨンは「今回は、ポップとヒップホップから始まった驚くべき“サウンド革命”がある」とし「人々は既にその味を知っているし、音楽で生き残っていくためには知らなければならない過程があった」と話した。
「アイデンティティについてたくさん悩んだ。僕たちは今、“ロックバンド”と言わず“バンド Huckleberryfinn”と言っている。以前はそれぞれ担当の楽器だけを演奏していたが、今はそれぞれが歌に必要な全ての楽器を演奏したあと集まり、話すというスタイルを取っている」(イ・ギヨン)
イ・ギヨンはこのような創作方法について「これが、古いバンドが現在を耐える方法だ」と自身の定義を示した。
もちろんこのような方法は、担当楽器によって分業する従来の作業パターンよりも、はるかに時間はかかる。それでもみんなが頭を突き合わせて作っていくため、葛藤の時間はかなり少ないという。
それと共に、これまでの作業過程で好んで聴いていたポップアーティストに Dua Lipa、Billie Eilish、Taylor Swift、The Weekndなど、様々なジャンルの有名スターを挙げた。
イ・ギヨンは、「本当の慰めを与えたいというのが今回のアルバムの大きなポイントだ」と力を込めて語った。
Huckleberryfinnの音楽は、暗さを和らげ、ポップ的で豊かなサウンドが加わりながら、ボーカルのイ・ソヨンの声にも変化を与えた。いわゆる「ロックバンドボーカル」に求められる「力」を取り除いたのだ。
イ・ソヨンは、「(歌唱方法の変化は) 私にとって大きな宿題のような部分だった」とし「5thフルアルバムまではロックをベースにした音楽が多かった。6thフルアルバムから感性的で叙情的な要素がより多くの部分を占めるようになったため、歌唱方法自体を変えるしかなかった。これを解決する過程が、宿題のように大変だった」と明かした。
「私も20年以上音楽をやっているので、シャウトやデスボイスといった歌唱方法が慣れていた。ところが6thフルアルバムから力を抜くボーカルに方向性が変わった。力強く歌うよりも力を抜いて歌うほうが、私にとっては難しかった」(イ・ソヨン)
Huckleberryfinnは1stトラック「Equator Black Bird」で、鳥の形をした腕の黒い傷をたどりながら赤道への想像旅行へと案内する。「霧が晴れたあと、砂の上に横たわっている彼女に近づいて腕にキスした」と歌い、傷をなでる。
2ndトラック「LTL」では、温かいメロディとメッセージで慰めの幅を広げる。彼らは「君のそばにいるよ 独りという寂しさをこれ以上感じないように」と連帯を強調する。
3rdトラック「Tempest」は、「嵐」という意味のように強烈なドラムと太鼓の音が歌の間を掻き立てる。彼らは「ほこりをはたくように、自分の過去を捨てた」と、傷を乗り越えて立ち上がり、嵐に正面から立ち向かう。
ソン・ジャンギュは、「僕は“Tempest”のドラムサウンドはもっと大きいほうがいいと言ったが、イ・ギヨンさんが“歌詞が聴こえなければならない”と言ったので、思いをかなえることはできなかった」と話しながら笑った。
Huckleberryfinnが伝えるこのような連帯と克服のメッセージは、“私”自身に限らない。彼らの視線は、PM2.5が日常になった最近を歌った「雨のように (原題:비처럼)」や気候変動をストレートに警告する「Venus」で、地球全体に広がっている。“僕と君の慰め”を越え、私たちが生きるこの世界全体を励ましてくれているのだ。
イ・ギヨンは、「僕たちの間のイ・ソヨンのニックネームは“環境部長官”」だとし「イ・ソヨンのおかげでマッコリボトルのラベルは剥がして別に捨てているし、牛乳パックも洗って捨てるのが習慣になった」と話した。
「ある人への最大の贈り物は、(誰かが) その人を見ているし、いつも一緒だという信頼を与えることではないだろうか。そして少しずつ前に進んでいくことが一番大事だと思う。“LTL”は、僕たちが今まで作業した曲の中で一番温かい曲。激励の意味で、太鼓を小さく叩いた」(イ・ギヨン)
