映画『隣の家の人』、血まみれのワンルームから“笑い”がこぼれるコミックスリラー

2022年10月26日

警察試験を長い間準備してきた“チャヌ”は、試験の受験量を借りようと予定していなかった友人の集まりに行くも、うっかり酔っ払って記憶をなくしてしまう。
目を覚ますと割れそうなほどの頭痛。部屋の風景も見慣れない。ベッドの横に目を向けると、鳥肌が立つような光景が繰り広げられている。血まみれの床の上で男がうつぶせになっているからだ。
チャヌは昨夜の記憶をたどろうとするが、さっぱり思い出せない。警察試験の申込期日である今日、衝撃的な状況から抜け出すことだけが今すぐできることだ。誰かがこのワンルームのベルを押して部屋の中の真実を知る前に。
映画『隣の家の人(原題:옆집사람)』は、ワンルームで繰り広げられる様子を描いたコミックスリラーだ。普段から、騒音問題でもめていた隣の家で、二日酔いのまま目が覚め物語が本格的に始まる。
スピード感のある展開が、作品の没入度を高めるとするなら、チャヌ役に扮した俳優のオ・ドンミンのコミカルな演技は笑いをそそる。
まるでチャヌの一人芝居のように回る映画の中に、“ヒョンミン”(チェ・ヒジン)や“ガチョル”(イ・ジョンヒョン)が登場し、緊張感は増幅する。殺人道具がチャヌやヒョンミン、ガチョルの手に渡りながら、観客をワンルームのから出られないようにする。
刻一刻と変わるヒョンミンの感情変化、血まみれになったガチョルの顔は、これから何かが起きるような不吉さを投げかける。
『隣の家の人』は、ヨム・ジホ監督の卒業作品。韓国芸術総合学校出身の監督自らが、学校に通いながら一人暮らしをしていたため、ワンルームは自然と映画の舞台になった。日頃から、ノートに一行アイデアを書きとめてはおいたが、ある日目にした「目を覚まして死体があったら」という文言が、シナリオに没入するきっかけとなった。
ヨム監督は25日のマスコミ試写会後の記者懇談会で、「(映画の)予算が低予算だった。低予算でうまく撮らなければならなかった」と振り返った。
彼は、ヒットするかは問題でなく、劇場で映画が公開されたことだけでも幸せだと述べた。
さらに「劇場界の状況がよくない時期に公開された。私は公開されたこと自体がうれしい。観客がたくさん入らなくても関係ないと言えば…(もちろん)だめだが、正直私の気持ちはそうだ。公開されたのでガッカリすることはなくなったと言いたい」と語った。
コミカルとスリラー演技を行き来したオ・ドンミンは「シナリオを受け取った時、“ついに来るべきものが来たのだな”と、とても楽しく読んだ」と話し、チャヌという配役を受けた当時を振り返った。
さらに「韓国ではなかなか接することができないジャンル。心を開き、寛大な気持ちで、楽しんで帰ってほしい」と呼びかけた。
チェ・ヒジンも、新型コロナウイルス感染症により3年の時を経て劇場公開された作品に、深い愛情を示した。
彼女は「3年前に撮影した作品だが、とても大切に思っている作品だ。私にとっては映画の初スタートをきった作品。これからも演技を頑張りたい」と述べた。
映画『隣の家の人』は11月3日に韓国で公開される。上映時間は93分で、年齢制限は15歳以上観覧可だ。

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