2032年を舞台にしたドラマ「ヨンダー」、イ・ジュンイク監督「死を通じて人生に対する考えが鮮明になれば」
2022年11月01日

『王の男』(2005)、『王の運命-歴史を変えた八日間-』(2015)、『茲山魚譜 チャサンオボ』(2021)など、時代劇映画をヒットに導いてきたイ・ジュンイク監督が、近い未来となる2032年を背景にしたSFドラマで帰ってきた。
イ監督は最近、釜山(プサン)の海雲台(ヘウンデ)区にある「映画の殿堂」野外ステージで開かれたTVINGオリジナルドラマ「ヨンダー(原題:욘더)」のオープントークイベントで、「死を通じて、人生を見つめる我々の思いがもう少し鮮明になればという思いで企画した」と作品を紹介した。
「ヨンダー」はこの世を去った妻からメッセージを受け取った男が、彼女に会える未知の空間“ヨンダー”に招待され繰り広げる物語。
釜山国際映画祭がドラマシリーズを披露しようと昨年新設した「オンスクリーン」セクションに招待され、6部作のうち1部から3部が公開された。
ドラマは2011年に出版された小説「グッバイ、ヨンダー(原題:굿바이 욘더)」を原作にしている。イ監督の初のドラマ演出作であり、TVINGとParamount+(パラマウントプラス)の初の共同出資作でもある。
実はイ監督は、11年前に小説を基にシナリオを書いていたが中断。今回公開される作品は、完全に新しく書き直した作品だと述べた。
彼は「最近、SFの外国シリーズがたくさん出ているが、それよりもまず、大韓民国の小説の中にこのような作品があるという点で挑戦したかった」とし、「10年前は私の実力のせいで、素材の価値を損なうのではと(やりたい気持ちを)おさえた。時を経て、純粋な気持ちで再び作品を取り出した」と述べた。
さらに「現代社会は見えるものより、見えないものを信じてこそ、真実に近づけるという時代に向かっている」とし、「『ヨンダー』は、現実では見えないもの、考えなければならないことを映画的技法で場面化させた」と説明した。
「ヨンダー」では、シン・ハギュンとハン・ジミンが2003年のドラマ以来、20年ぶりに夫婦として共演した。シン・ハギュンが、先にこの世を去った妻を懐かしむ“ジェヒョン”を、ハン・ジミンが妻の“イフ”役を演じた。
シン・ハギュンは「妻を見送った後、虚しい人生を生きていく男」とし、ハン・ジミンは「死後の時間について、変わった選択をする人物」だと配役を紹介した。
イ・ジョンウンとチョン・ジニョンが “ヨンダー”の管理者“セイレン”、“ヨンダー”を創造した科学者“ドクターK”に扮し、ミステリアスな雰囲気を添える。
チョン・ジニョンは「死は、故人のことでもあるが、愛する人を見送った人の悲しみでもある」とし、「『ヨンダー』は誰にでもある“死を乗り越えたい”という欲求から話を始め、皆さんにアプローチする」と述べた。
さらに「ドクターKは“死を克服できる商品を買ってください”と投げかけるキャラクター」と付け加え、作品に対する好奇心を高めた。
イ監督は10年後を映画の背景にした理由について、「安楽死法などを扱わなければならないが、あまりにも現実とかけ離れていないことを望んだ」と述べた。また登場人物が使用するデバイスや車なども技術の進歩を反映するものの、想像可能なレベルに調節したと述べた。
彼は「(背景が)あまり見慣れないと物語への没入を妨害し、あまり差がなければ未来という点が感じられない。そのため、美術や小道具に気を遣った」とし、「観客の反応を見ていると、異質感を与えるのではなく新鮮にアプローチできる地点をうまく見つけ出せたと感じた」と満足そうだった。
また、ドラマでイ・ジョンウンが登場するシーンを見ると、映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)を思い浮かべるかもしれないと明かした。イ・ジョンウンは『パラサイト 半地下の家族』のように劇中、呼び鈴を押したときに映し出される玄関モニターの映像から登場する。
イ監督は「呼び鈴を押した後、(イ・ジョンウンの)顔が出てくるが、ちょうど思い浮かぶ映画が『パラサイト 半地下の家族』」とし、「オマージュやクリシェとではないかと思うかもしれないが、こんな部分がドラマの面白さを引き立てると判断した」と説明した。
さらに「これまで韓国映画は外国映画の有名な場面をマネしながら敬拝するように“オマージュ”という言葉で使ってきた」とし、「韓国映画間の似たような設定を観客たちがオマージュと感じれば幸せだ」と述べた。
「ヨンダー」は先月14日にTVINGで公開され、同月12日午後6時から映画の殿堂のハヌル演劇場でも上映された。
オープニングトークイベントには今月公開予定のWavveオリジナルドラマ「弱いヒーロー Class1(原題:약한영웅 Class1)」チームも参加した。
「ヨンダー」と同様、「オンスクリーン」セクションに招待された「弱いヒーロー Class1」は、人気ウェブトゥーンを原作にした作品で、上位1%の模範生ヨン・シウン(パク・ジフン)が友だちになったスホ(チェ・ヒョヌク)、ボムソク(ホン・ギョン)と共に数多くの暴力に対抗していく過程を描いた成長ドラマだ。
シン・スンホは拳を振り回す“カチュルペム(家出した青少年たちが一緒に生活すること)”のリーダー“チョン・ソクデ”、イ・ヨンはカチュルペムのメンバーで堂々と遠慮のない少女“ヨンイ”を演じる。
ユ・スミン監督は「10代の仲間が経験する感情と苦悩を盛り込みたかった」とし、「アクションというジャンル的な面白さも与えたかった」と企画意図を明らかにした。
グループWanna One出身の歌手兼俳優のパク・ジフンは「シウンは寡黙なキャラクターで、魅力のポイントはまなざし」とし、「ある意味、残忍でもあるがスカッとするアクションも見ることができる」と語った。
「弱いヒーロー Class1」は8部作で、映画祭では1部から3部までが公開された。
