日本小説が原作の映画『リミット』、イ・ジョンヒョンとムン・ジョンヒが率いるアクションスリラー
2022年11月02日

“ヨンジュ”(チン・ソヨン)は、外交官の夫との間に幼い娘“ハナ”がいる。娘の健康問題を除いては、恵まれた生活を送る彼女。そんなある日、娘が夜遅くまで家に帰らなかったため、悩んだ末、警察に通報した。ところが現金3億ウォンを要求する誘拐犯からの電話が入り、彼女はショックで倒れ入院する。
シングルマザーの“ソウン”(イ・ジョンヒョン)は、生活安全課所属の警察官だが、息子の塾代を稼ぐため、副業でマルチ商法をやる。ヨンジュの娘の失踪事件を引き受けた捜査チーム長の“ソンチャン”(チェ・ドクムン)は、ソウンにヨンジュの代役で誘拐犯との交渉を指示する。
誘拐犯がソウンの声に気付き、事件は本格的に展開する。自分の息子まで誘拐されたソウンは、警察ではなく母親として独自に誘拐犯を追跡し始める。息子を取り戻すためなら、自分が共犯だという誤解までも甘受する。
犯罪集団を導く人物は“ヘジン”(ムン・ジョンヒ)。公な職業は保健教師だが、生活を共にする“ジュンヨン”(パク・ミョンフン)と“ミョンソン”(パク・ギョンヘ)と子どもたちを誘拐し、カネを手に入れるブローカーだ。
映画『リミット(原題:리미트)』は、主演女性俳優3人に、アクションを加えたスリラーだという点で珍しい映画だ。日本の作家、野沢尚の同名小説を原作にしたこの映画は、3人の人物を中心にした人物関係や、どんでん返しが細かく描かれている。ヨンジュの娘が臓器移植手術を受けた経験があるという点や、ヨンジュの娘とソウンの息子が同じ小学校に通っているという点などが事件とつながっていく。
映画は、警察官というより母親としてのアイデンティティが目立つソウンはもちろん、犯罪集団のボスであるヘジンにも母性愛または家族愛という名分を付与する。
これまで優しくおとなしいキャラクターを主に演じてきたムン・ジョンヒは、表情や話し方、声を通して、昼夜の姿が異なる悪人を自然にこなした。ハビエル・バルデムを連想させるメイクのパク・ミョンフンと統制不能の悪性を演じたパク・ギョンヘなど、悪役のキャラクターを演じた俳優たちの個性も目立つ。
映画は、失踪児童問題に対する社会的メッセージを伝えようと努めた。イ・スンジュン監督は「主人公が、“子どもを見つけることができる”というただ一つの希望のために、凄絶な追撃を繰り広げる」とし、「ソウンのその凄絶な気持ちが観客にうまく伝われば幸いだ」と述べた。
