イ・チャンヒョク(AKMU)&(G)I-DLE&LE SSERAFIM…“私”に焦点を当てるZ世代の歌手たち「愛なんて陳腐」
2022年11月07日

他人との関係ではなく“私”自身に焦点を合わせるZ世代(1990年代後半~2010年代序盤生まれ)の歌手の楽曲が、K-POP市場で大きな反響を得ている。
7日、歌謡界によると、代表的なZ世代のシンガーソングライターに挙げられるイ・チャンヒョク(AKMU)は、初のソロアルバムで隠喩的な死を乗り越え、真の自分自身を探しに旅立つ道のりを描いた。
彼は新曲「Castle in my dream」で、自分の音楽世界を堅固で巨大な城に例え、自身だけの音楽的世界観構築したいという欲を表している。
彼はこのような欲望を音楽の外的なパフォーマンスでも出している。イ・チャンヒョクは先月、音楽番組で客席に背を向けて歌唱。別の番組では舞台の上で髪を短く刈ったりもした。
このような姿は“奇行”と受け止められるかもしれないが、彼の音楽に加え他の歌手と差別化した独特なキャラクターを構築するのに一役買ったという評価もある。
他人の視線から抜け出し、真の“私”自身を探そうというメッセージは、ガールズグループ(G)I-DLEの新譜『I Love』でも見ることができる。
1998年生まれのソヨンが作詞と作曲を務めたタイトル曲「Nxde」は、タイトルで“あなた”を意味するアルファベット“u”の代わりに“x”を使用し、他人の視線から自由なZ世代を表現した。
ガールズグループLE SSERAFIMは、2ndミニアルバムの収録曲「No Celestial」では、“勝手に投げかけるうるさい話、救うものがないね、片方の耳で聞き流し、騒々しい世の中で私の声をvolume up”という歌詞で、世の中の騒音から自分の個性を守りたいという新世代の気持ちを表している。
楽曲で自我を強調するこのような傾向は、10年前の韓国の音源チャートの再上位圏を占めていたアイドルの楽曲と比較するとさらに目立つ。
2012年の最高ヒット曲のうちの1曲であるSISTARの「Alone」や「Loving U」、2NE1の「I Love You」などはすべて愛をテーマにし、他人との関係から来るときめきや寂しさなどを描写した。
大衆音楽評論家のキム・ドホン氏はこのようなK-POPトレンドの変化に対して、「直々にアルバムを制作するアイドルグループが自分たちの個性に合わせて具体的で直接的に、自分たちだけの音楽を表現している」と分析した。
大衆音楽評論家のチョン・ミンジェ氏は「最近の若い世代は恋愛や結婚に大きな意味を置かず、自己実現は夢で、内面の安定を追及する傾向がある」としながら、「このような流れの中で、Z世代のアーティストもまた、愛よりは自分自身の率直で多様な物語に集中することになった」と指摘した。
特定の素材に限定されたK-POP音楽に疲れていたファンたちは、歌手たちの個性がより目立つ楽曲に歓呼している。
『I Love』は先月17日のアルバム発売後、1週間で約67万8000枚が売れたのに続き、現在も韓国国内の音源チャートの最上位圏を固守している。
LE SSERAFIMの2ndミニアルバムは、アメリカ・ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で14位を記録し、K-POPガールズグループ史上、デビュー後最短期間でチャートにランクインした。
会社員のチャン・ミソン(24)さんは「これまでのアイドル歌手の楽曲は、ほとんどが愛に関する話だったが、最近は自分たちのアイデンティティを表す作品が多く、陳腐でもない。すすんで聴くようになると思う」と述べた。
長年、ガールズグループのファンをやっているというソ・テランさん(23)は、「最近の楽曲を聴くと、無意識にパワーウォーキングをするようになる」とし、「聴くだけでも能動的な人生を送らなければならないような気分になる」と述べた。
“他人”ではない“私”に注目するK-POP界のトレンドは当分の間続く見通しだ。
キム・ドホン氏は「直々に創作するアイドルがいる限り、このような傾向は持続されるだろう」とし、「これまでK-POPが批判される点のうちのひとつがアーティストの話が作品に反映されていないという点だったが、このような制作文化に一種の代案になりうるだろう」と語った。
