映画『もしかしたら僕たちは別れたかも知れない』、イ・ドンフィとチョン・ウネのリアルロマンス
2023年02月02日

“アヨン” (チョン・ウンチェ)と“ジュノ” (イ・ドンフィ)は、長年付き合っているカップルだ。大学時代から共にしてきた2人は、三十路を超えてもそばで寄り添い合う。
しかし、関係の安定感と愛の大きさは、時間に比例しない。何度も公務員試験に挑戦するも落ちるジュノ。彼を支えるため、夢を諦め不動産仲介業界に就職したアヨン。2人は、相手に疲弊していく。
『もしかしたら僕たちは別れたかも知れない (原題:어쩌면 우린 헤어졌는지 모른다)』という映画のタイトルのように、彼らは別れる前から、この関係が終わりに向かっているということを直感する。
他のロマンス映画とは違い、この作品は2人が別れてから本格的にストーリーが展開していく。アヨンとジュノの争いは極めて些細で、そのため決別の過程がよりリアルに迫ってくる。
アヨンは、30をとうに過ぎているのに定職につかないジュノが恥ずかしい。伸びきったTシャツにチェック柄のシャツを羽織って、友達の集まりに来たジュノに「もっとオシャレしてきてよ」と不満そうにつぶやく。自分の前では大騒ぎするのに、警察が来ると“大丈夫”だと言って何も主張できない姿が頼りない。
ジュノは、“お金を稼いでいるから”という理由で、家事に手をつけないアヨンが不満だ。ラーメンを作っている時は、「食べない」と言っていたのに、いざ食べようとすると「一口だけちょうだい」と言ってラーメンを全部食べてしまうアヨンにいら立ちを覚える。ケンカするなり生活費用のカードを止めるのも気に食わない。
ヒョン・スル監督は、5~6年前に構想した短編作品を肉付けして長編にした。この過程で、“一人の男が元彼女にタブレットを返しに行って起きた”話を、“別れる直前”から“お互いに新しい恋人ができた後”、そして“ヨリを戻すまでの過程”まで広げた。
ヒョン監督は、試写会直後に開かれた記者懇談会で「この作品は、別れに焦点を当てた映画」だとし「付き合う前の曖昧な関係、付き合ってお互いを愛し、別れ、再びヨリを戻す過程をテンポよく描くため、他のロマンス映画とは違う視点からアプローチしたかった」と語った。
アヨンとジュノは、別れてすぐに新しい恋人ができる。新しい恋人は、以前の恋人と正反対の人だ。
アヨンは、財力があり気の利く“キョンイル” (カン・ギル)と、ジュノは自由奔放で正直な大学生“アンナ” (チョン・ダウン)と付き合い始める。 しかしその関係は、そう長くは続かなかった。
映画は、小さな誤解とわだかまりがたまって別れたカップルの話を穏やかに描き出しながら、観客の共感できる領域を広げた。
主演俳優のイ・ドンフィとチョン・ウンチェが、見事に劇をけん引する。イ・ドンフィは、持ち前のコミカルな演技で笑いを引き出し、チョン・ウンチェは平凡な30代女性を演じて前作にはなかったイメージを見せる。特に、2人の新鮮な組み合わせは、斬新な魅力を加えた。
イ・ドンフィは「アヨンとジュノが長い付き合いで形成した安定的な関係が、一瞬で消えた時に来る空しさを表現しようとした」と話した。
今月8日に韓国で公開される。上映時間は103分でPG12だ。
