映画『もしかしたら僕たちは別れたかもしれない』主演のイ・ドンフィ、「まったく理解できない人に惹かれる」
2023年02月06日

映画『もしかしたら僕たちは別れたかもしれない(原題:어쩌면 우린 헤어졌는지 모른다)』の中の“ジュノ”(イ・ドンフィ)は、“公務員が目標だ”という仮面をかぶった失業者だ。オンライン講義よりハンカチを畳むことに集中し、不良学生に説教するふりをしてタバコを奪う。
恋愛相手としてもいいとは言えない。友だちを家に呼んでゲームをしているくせに、図書館に行っていると嘘をつく。これにガールフレンドが怒ると、「金を払っているからといってえらそうだ」と逆ギレする。
最近、鍾路(チョンノ)区昭格(ソギョク)洞のあるカフェで会った俳優のイ・ドンフィは、「ジュノは本当に納得がいかない人物だ」と笑った。
「僕は一日もじっとしていられないタイプ。仕事がないときも日曜日以外は、毎日のように映画会社に行ってプロフィールを配っていた。だからジュノは本当に納得がいかない」
それとともに「まったく理解ができない人物だからこそ惹かれた」と作品に参加した理由を明かした。
「僕は、“この人は僕と一緒だ。僕でもそうする”と思うことを映画でやることにいつも疑問を持っていた。理解ができない部分を演じて“それもあり得るな”と感じさせるのが俳優の役割だと思う。多くの共感を得るのは難しいかもしれないと思うが、挑戦意識が生まれる」
『もしかしたら僕たちは別れたかもしれない』は、長年付き合っているカップルのジュノと“アヨン”(チョン・ウンチェ)の別れを描く。なんの対策もしないで余裕ぶるジュノの姿に嫌気が差してしまったアヨンと、配慮が足りないアヨンに腹を立てたジュノは、結局別れを選ぶ。
イ・ドンフィは「ジュノは、(相手に)これ以上何もしてあげられないとう無力さを感じたと思う。時が来ればアヨンを解放してあげなければと考えてきただろう」と述べた。
「多くのカップルが一番悩む部分が経済的な問題と現実の壁。多くの方が経験されたと思う。僕たちが普遍的に経験する感情を共有できる作品だ」
彼はこの映画について「観客たちがワンシーンでも、“私の話だ”と思ってくれたなら、監督の意図は成功したも同然だ」とし、「些細に見えるが結局は僕たちの話。刺激的な作品の中にあるこんな“薄い”味を楽しんでもらえたら」と述べた。
今回の作品で初めてタッグを組んだチョン・ウンチェについては「中世時代の古風な魅力がある方で、韓国人なのかと思うほどに異国的なイメージを持っていると思った」としながら、「だから現実的なジュノの姿と異国的な感じが出会ったときに生じるアンバランスさがよかった」と振り返った。
劇中、イ・ドンフィは何のメイクアップもしていない本来の姿で現れ、リアルさを出した。彼は「以前から(すっぴんで演技を)やりたかった」と告白した。
「俳優としてカッコいい姿を観客に見せるべきだというよりは、ただその人物、人間に見えることに集中する人たちが好き。フランシス・マクドーマンド、ダニエル・デイ=ルイス、ウィレム・デフォーなどを見ると、本当にただその人物のように見える。僕もチャンスが来ればそうしたかったが、いわゆる商業的な作品をやっていると、そのような機会があまりなかった」
今年でデビュー10年を迎える彼は「『グクド劇場(原題:국도극장)』(2020)以降、人の話にとても関心が大きくなった」としながら、「すべての観客に“多芸多才な俳優”と言われたい欲は当然ある。基本的に“この話が作られる意味があるのか”という悩みを真っ先にする」と明かした。
「この10年を振り返ると、奇跡そのもの。『エクストリーム・ジョブ』のように愛される作品に顔を出すことができたということだけでもそうだ。10年ほど仕事をしてみると、黙々と自分の場所で頑張ろうという考えがより確固たるものになった。これから10年、20年着実にその場所で頑張っていけば、ある瞬間“誠実な俳優だったんだな”程度には評価されるのではないかと思う。そうなったら本当にうれしい」
