映画『次のソヒ』、主演のペ・ドゥナに尋ねてみた“ヌカルヒョプ”という言葉…作品がその答えだった

2023年02月17日

※映画『次のソヒ』の内容が含まれています。
「もしかして“ヌカルヒョプ”という言葉をご存知ですか?最近の流行語なのですが…」
先月31日、映画『次のソヒ (原題:다음 소희)』の主演を務めた女優ペ・ドゥナにインタビューしながら投げかけた最初の質問。
多少突拍子もないように聞こえるだろうか?誰がもっと最新の流行語に敏感なのかを問い詰める、いわゆる“MZテスト”のようなことをしようとするのではない。“ヌカルヒョプ”…「ヌガ (誰が)、カル (ナイフ)を持って、ヒョッパク (脅迫)したのか」という質問を縮めた単語こそ、この映画が全身でぶつかっている議論を象徴していると思ったためだ。
チョン・ジュリ監督の映画『次のソヒ』は、2017年に通信業者「LG U+」の全州 (チョンジュ)顧客センターで働いていた特性化 (実業系)高校の実習生が自ら命を絶った事件を扱う。
大企業の顧客センターだが、外注化専門業者の「LBHunet」が運営していたここで、実習生はサービスを解約しようとする顧客の気持ちを和らげ実績を満たす“解約防御チーム”で働いた。どれだけストレスが深刻な仕事だったのか、あえて説明する必要はないだろう。結局彼女は実習5カ月目に自ら命を絶つ。劇中のソヒの人生もそうやって止まる。
しかし、映画の“最強の悪党”は暴言を吐く顧客たちではない。ノリがよく、たくましい、あるときは短気を起こすソヒは、あるときは顧客をからかい、セクハラを日常的に行う変態には冷たく悪口も浴びせることができる人間なのだから。映画はそれよりもっと大きな世界、19歳のソヒの職場の“上の上”を照らす。いや狙っている。ソヒが自殺した後、事件を引き受け会社の経営陣と面談していた刑事ユジン (ペ・ドゥナ)のように。
ユジンの前で会社は最初からソヒが問題だったと言い訳を並べる。
家庭の事情に性格まで口にしながら責任を逃れようとする姿は卑怯極まりない。それでは下請け業者が問題なのだろうか?汚い仕事は外注に任せて、最後まで姿も見せない元請けの大企業の過ちではないだろうか?校門に「就職率100%」の垂れ幕を掲げるために、ペット管理課のソヒをコールセンターに送った学校は?まさにその就職率だけで学校を評価して、成果給を差等支給する地方教育庁はどうだろうか?
「どうやって、もう教育部に行かれるんですか?」
演技の途中、ペ・ドゥナが実際に侮辱感まで感じたと告白したこの場面で、ユジンをあざ笑う奨学士のセリフは一介の刑事が越えるには厚すぎる現実の壁を見せる。幾重にも累積した、あるいはお互いにかみ合って回る歯車のように動くこの連鎖作用は、映画の中で思ったより平凡なひとつの単語に凝縮される。ソヒがあれほど欲しがっていた、実は最初からもらえないお金だった“インセンティブ”だ。
“インセンティブ”、すなわち仕事をした分だけ受け取っていくという方針は、一見問題にならないように見えるが、人間の労働をただ数字で判断するという意味が隠れている。
子どもたちが実際に何の仕事をしているのか、仕事の質を問い詰めるより、就職率だけを気にする学校や、相談者がやり遂げなければならないコールは相談により、どれだけ苦痛になり得るのかは関心がない会社のように。大きな枠組みでこれは再び実績により、すべてを差等至急する“無限の競争”の大原理につながる。
監督の表現によると、「節制に節制を重ねてこの程度」という『次のソヒ』は、怒りのために作られた映画。
明確な沸点に向かって徐々に熱くなり、いったん湧いた後には確実に怒りを爆発させる。その過程で観客が体験するのは、目の前に“ナイフを持って脅迫してこそ”、ヒエラルキーとプレッシャーが作られるわけではないという当然の事実だ。チーム長が自殺した後、新しく来たチーム長はソヒに向かって、「働きたくなければ辞めて、誰が押し付けたのか?」とたたみかけるが、その言葉にソヒが答えられないという事実にこそ、ソヒの本当の境遇を示しているのではないだろうか。
この辺で最初の文章の答えを紹介しながら文を締めくくろうと思う。
映画『巨人 (原題:거인)』の中の俳優チェ・ウシクに匹敵する演技を見せた俳優キム・シウンとペ・ドゥナは、この映画が今必ず必要な話だという思いに、出演を決心したという。ペ・ドゥナは“ヌカルヒョプ”の意味は知らなかったとしながらも、もし映画の中のユジンになり、その言葉に答えるならばこんなふうに話と述べた。
「そう言えば言うことはないだろう、実は。でも少なくとも…分からない。個人的に人間が人間に対するどんな理解心や憐れみを持つならば、特にもし、それがただ私の世の中だった人に、『ただ歩いてくれればいいのに、誰がナイフを持って脅迫したの?なぜそこにいたの?』と言われたら、それはあまりにも残酷すぎると思う。私はそれについて『もう一度考えてみよう』、そんなふうに考える。この映画を撮影したときもそんな気持ちだった」

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