映画『ソウルメイト』のミン・ヨングン監督、「映画を見ながら忘れていた“誰か”を思い出してほしい」
2023年03月08日

「私が70、80代の老人になったり、人生を終える瞬間が来たりしたとき、僕の頭の中に浮かぶ1人が必ずいるのではという想像をたくさんした。誰にでもそんな存在はいると思う」
7日、映画『ソウルメイト(原題:소울메이트)』のポップアップストアが設けられた城東(ソンドン)区にあるスタジオで会ったミン・ヨングン監督は、「その1人を思い出すときの感情を思いながら映画を始めた」と述べた。
来たる15日に韓国で公開される『ソウルメイト』は、長い時間を共にした2人の友だち、“ミソ”(キム・ダミ)と“ハウン”(チョン・ソニ)の物語を描く。
小学生のときに初めて出会い、針と糸のようにいつも一緒に過ごしてきた2人は性格も、育ってきた環境も違う。幼いながらに父親の不在、頻繁な転校などを経験しなければならなかったミソは自由奔放そのものだ。反面、両親の愛を受けて成長した済州(チェジュ)島生まれのハウンは、慎重で落ち着いた性格だ。
ミン監督は、撮影現場で2人の俳優が演じる方法が各自のキャラクターと似ていたと振り返った。
「ダミさんは自由なやり方で演じていた。テイクごとに非常に変化に富んだ姿を見せてくれて、見物する楽しさがあった。直観的にぱっと感じる部分を早くつかんで表現する本能があったようだ。ハウンは何かを押し込めて凝縮しておいて、一気に爆発するキャラクターだったが、ソニさんも一つの地点に向かって少しずつ積み上げていくやり方で演じていた」
最初はキム・ダミにハウン役を提案していたという裏話も聞かせた。
「今までお見せしたものとは違う姿をお見せしたかった。ところがダミさんがミソのキャラクターを演じたいと話してきた。ミソが持つ自由と欠乏、強そうに見えるがか弱い側面を表現したいということがとても感じられ、今の役をお願いすることにした」
『ソウルメイト』は、香港映画『ソウルメイト/七月と安生』(2017)を脚色した作品だ。原作が3人の男女の三角関係に焦点を合わせたとするなら、この作品は2人の友人関係に集中し、友情という感情を掘り下げた。
「ミソやハウンの持つ感情がとても深い。その深みを正確に表現できる単語はないと思う。ただ、自分の人生においての1人、忘れようとしても忘れられない人、目を閉じれば思い浮かぶ人。そんな関係ではないかと思う」
原作がある作品を、初めて作業してみたというミン監督は、「原作に接した方々がいるので、ある程度ハードルがあるとは思った」としながらも、「シナリオを書く中で僕だけの基準を持つようになり、プレッシャーがなくなっていった」と述べた。
男性の監督として、2人の女性の物語を深く盛り込むということに対する負担も大きかったと吐露。
「周りの女性たちにインタビューしながら、彼女たちの学生時代、友人との関係に対する話をたくさん聞いた。ところが作業してみると、これは女性の物語ではあるが、男女を超える何かがあると思うようになった。後半に入るにつれ、男性たちも共感できる普遍的な方向に進んでいった」
ミン監督は「この作品は映画だけでなく、人生の一部のように感じられる側面が明確にある」と、格別な愛情を示したりもした。
「個人的な話だが、シナリオを書いている最中に、父親の体調が悪くなり、撮影に入る1カ月前くらいに亡くなった。また、(作業をしながら)本当に長い年月を巡りめぐり、今の妻に再会し、この作品の美術監督も次の作品をされて亡くなったりもした。そんな意味で、この映画をとても特別に感じる」
彼は「観客たちが映画を見ながら長い間忘れていた誰かを思い出し、自分の人生を落ち着いて反芻してくれたらと思う」と述べた。
