“ドキュメンタリー映画『エル・カミーノ』で監督デビューした”ソン・ミナ、「創作の幸せを感じた」

2023年04月04日

「最初から映画を作ろうとしていたわけじゃない。ただ記録しなければならないと思った。劇場上映なんて、さらに考えていなかったが、突然デビューに“見舞われる”ことになった(笑)」
芸能界を代表する“多芸多才”ソン・ミナ(元KBSアナウンサーでタレント)に映画監督という新しい冠が加えられた。
初の演出作は先月29日に韓国で公開されたドキュメンタリー『エル・カミーノ(原題:엘 카미노)』。
映画は、ソン・ミナが800キロメートルにのぼるサンティアゴ巡礼道を43日かけて完走する過程を盛り込んだ。ソン・ミナは自ら企画・制作・演出をし、主演まで務めた。
映画の公開を翌日に控えた28日、江南(カンナム)区新沙(シンサ)洞にある所属事務所UZUROCKSのオフィスで会ったソン・ミナは、旅行を記録するために撮影監督やカメラマンまで3人でチームを組んで巡礼道に向かったと説明した。
「もし一人でサンティアゴの巡礼道に行っていたなら、残したいものを記録しようと、まともに歩くこともできなかっただろうし、忙しかっただろう。どうせやるなら専門家と一緒に、お互いに助け合いながら何かした方がいいのではないかと思った」
10年間のアナウンサー生活を終えてKBSを離れたソン・ミナは、旅行作家やタレント、小説家、情報メディア「Huffington Post Korea」の編集人、アラン・ド・ボトンが建てたフリースクール「人生学校」のソウル校長など、さまざまな肩書きで旺盛に活動を続けてきた。
忙しい毎日を送っていた彼女が、突然サンティアゴの巡礼道を歩くことになった理由は何だろうか。ソン・ミナはパンデミックの状況が大きな影響を与えたと振り返った。
「新型コロナウイルス感染症に見舞われ、すべての判断基準が揺るぎ、今まで学び、努力してきたことと何の関係もない世の中が繰り広げられた。ウイルスひとつですべてのことが止まり、システムもすべて変わった。人間は一体どこを見つめて何に頼らなければならないのかと思った」
彼女は「他の人たちはこの時期を経て、どんな考えを持つようになったのか、とても気になった」とし、「話を収集するために旅立った」と述べた。
映画の中には2人の息子を先に看取った父親、がんを患って亡くなった母親を思いながら歩く若い女性、巡礼道で80歳の誕生日を迎えるおじいさんなど、ソン・ミナが巡礼道を歩きながら出会った人々の人生の話が盛り込まれている。
ソン・ミナは「この映画の主人公は私ではなく、人々が伝えるメッセージ」だと説明した。
「私の運命なのか、相手のほうから私に近づいてきて人生の話をしてくるケースが多い。どうしてみんな私のところに来て告白するのかは分からないが(笑)サンティアゴは、さらにそのような感じだった。みんなオープンな気持ちで来たため、とてつもないシナジーが生まれた。自然と“1時間のドキュメンタリーを作らなければならない”と考えるようになった」
ソン・ミナは、サンティアゴの巡礼道を歩きながら、「真の私とつながったということを感じ、自我の実体に向き合うことになった」とし、「自分に対する確信が生じ、もう少し強くなった」と述べた。
「私は好奇心が強く、情熱的な人。それ自体を受け入れることにした。昔は、一生懸命仕事をしながら、誰かに『どうしてこんなに情熱があるの?』と聞かれたら、“そうではない”と否定していた。何かを作っても、他の人たちにどう見られるのかを心配していたが、今は私が最善を尽くして楽しみながらやったので、それ自体にとても満足している」
彼女は「サンティアゴの巡礼道は、すべての人を見ながら歩きたいほど、とても癒された」としながら、「現実的にそうすることはできないので、人々が私の映画を大きなスクリーンで見ながら癒されたら幸いだ」と願いを伝えた。
「『私がソン・ミナと一緒にサンティアゴの道を歩いたんだな!』というような感じを受け取ってくださればと思う。私が感じた労いや感動が、少しでも伝われば幸いだ」
ソン・ミナは巡礼道の旅程を素材に、エッセイ「大丈夫、その道の果てに幸せが待っているよ(原題:괜찮아, 그 길 끝에 행복이 기다릴 거야)」も書き下ろした。彼女は「結局は、映像と文の間を行き来しながら、ストーリーテリングをしているようだ。映画の裏話が本に盛り込まれており、読めばドキュメンタリーも見たくなるかもしれない」と述べた。
『エル・カミーノ』を演出しながら、「創意的な活動をしたとき、どれほど幸せかを再び感じた」というソン・ミナは、「必ずしも映画でなくてもコンテンツを作りながら話を作り、収集して、伝える仕事を続けたい」と笑った。
「私は自らを話し手だと思い暮らしている。できることならば、すべてやってみたい。10年はマイクを持ち、その次はペンを持って仕事をしたが、これから10年はそれを総合的にまとめてひとつのパッケージのように創作する活動をしたい」

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