俳優ソン・ジュンギ、デビュー15年で初めてカンヌ映画祭に招待…「田舎者がこんな所に来てしまった」

2023年05月24日

「カンヌ映画祭は、とてもよい機会であり、光栄な場所。田舎者がこんな所に来てしまった」
俳優ソン・ジュンギが、デビュー15年目にして映画『ファラン(原題:화란)』で初めてカンヌ入りした。この作品は、「第76回カンヌ国際映画祭」の“ある視点”部門に招待され、今月24日(現地時間)にワールドプレミアとして上映される。
試写会前日となる23日、現地で会ったソン・ジュンギは、「作品をカンヌ映画祭に出品したという話を聞いた時は、招待されるとは思ってもいなかった」と述べた。
「数カ月前、ハンガリーで映画『ロ・ギワン(原題:로기완)』を撮影していたが、『ファラン』の制作会社の代表から留守番電話が入っていた。韓国時間で午前5時だったので、何か大変なことが起きたのだと思い、すぐに電話をかけ直した。『カンヌ入りが叶った』という話を聞き、とても嬉しくなって悲しいシーンの演技に集中ができなかった(笑)」
初めてカンヌ映画祭のレッドカーペットを踏むため、何度もカンヌの経験がある妻で女優出身のケイティさんに、“業界の先輩としてのアドバイス”を求めたという。女優出身のケイティさんは現在、妊娠9カ月で臨月を迎えているが、夫を応援するためカンヌに同行した。
ソン・ジュンギは、「正直言うと、すべての神経が、間もなく生まれる赤ちゃんに集中している。映画祭の日程を早く終わらせたいという気持ちがある」と笑った。
『ファラン』は、地獄のような人生を暮らす少年“ヨンギュ”(ホン・サビン)が、さらに危険な世界である組織の生活に足を踏み入れながら経験する話を描いたノワールだ。ソン・ジュンギはこの組織の中間ボス“チゴン”を演じた。
キム・チャンフン監督の初長編映画であるうえ、主人公ではない役を韓流スターのソン・ジュンギが引き受けたのが意外だという反応が多かった。彼が、“ノーギャラ”で出演した事実まで伝えられると、世間の関心はさらに大きくなった。
ソン・ジュンギは、「ちょうど暗いジャンルをやりたいと思っていた時にいただいたシナリオが『ファラン』だった」とし、「配給会社の関係者が台本を渡しながら、『主人公ではないから大丈夫かな』と言っていた」と当時を振り返った。
そして、「『いい役でも主人公でなければ、僕に回ってこない役もあるんだな』と気付いた。でも僕は本当に(主人公であろうが、脇役であろうが)関係ない。『ファラン』のシナリオを読むと、鳥肌が立つほど面白かった。同時に、この映画が投資を受けることができるかと心配もした。そのため、ギャラをもらわずにやると言った。しかし、それがそんなに話題になることだろうか?」
彼が役の軽重を問わなくなったきっかけは、ドラマで世宗大王を演じたときだという。「トキメキ☆成均館スキャンダル」でスターの仲間入りをした時だったため、当時もソン・ジュンギの選択に首をかしげるファンたちがいた。
ソン・ジュンギは、「僕が俳優生活をしながら、最もいい選択をしたと思うことの一つが、その役を引き受けたこと」だとし、「ハリウッドスターたちでさえ、どんな役も選ばずに引き受ける。それは望ましい俳優の活動だと思う」と述べた。
彼は撮影現場でも、後輩の新人俳優ホン・サビンに、「思う存分、君がやりたいようにやれ」と言ったという。
ソン・ジュンギは、「彼が主人公で、彼の視線を中心に流れていく映画だったため、それが正しいと思った」と強調した。
「撮影現場でも、いつもそのように臨んだ。ホン・サビンさんが劇中ですべき役割や、大変な部分、担わなければならないことが多かった。ホン・サビンさんのワントップ映画だから。だからホン・サビンさんがアクションをすれば、僕はリアクションのみをした」
しかし、スター俳優のオーラがあるだけにソン・ジュンギも主人公に劣らない重みを見せる。
これまで見せてきた優しく明るいイメージと相反するキャラクターである点も、ソン・ジュンギに視線を向けさせるもうひとつの理由だ。気に障る部下を無慈悲に暴行し、組織の物を盗んだという理由で爪を抜こうとするチゴンの姿は、これまでソン・ジュンギの作品でほとんど見られなかったキャラクターだ。傷のある耳や、浅黒い顔、伸びたTシャツなど外見もそうだ。
ソン・ジュンギは「これまで見せていなかった僕の姿を見ていただきたい」と述べた。
「こんなふうに言うと少し生意気に聞こえるかもしれないが…。これまで(商業的な)成功は、たくさんしてきたので、面白いこと、新しいこともやってみたかった。『ファラン』に出会ったおかげで、息抜きができたというこということだろうか。本当に思い切りやってみたかったことを全部やった」

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