映画『ドリームパレス』主演の女優キム・ソニョン、「50代女性の描写を繰り広げて見せたい」
2023年05月26日

「『ドリームパレス』のような作品はまたやりたいですよね。50代の女性の個人的描写が(映画で)あまり使われていないじゃないですか?」25日、ソウル・城東(ソンドン)区のあるカフェで会った女優キム・ソニョン(47)は、来たる31日に韓国で公開される映画『ドリームパレス(原題:드림팰리스)』についてこのように述べた。
韓国社会の不条理を鋭く扱ったこの映画で、キム・ソニョンは中年女性“ヘジョン”役を務めた。 ヘジョンは数人の死亡者を出した労働災害事故の遺族。会社側に真相究明を要求するデモをして疲れ、示談金を受け取り新築マンションに入居する。しかしマンションが売れ残る事態に陥り、住民たちと予期せぬ葛藤に巻き込まれる。
キム・ソニョンは「私たちは男性描写に慣れている」と、40代後半の自身が今後もヘジョンのような中年女性の描写を繰り広げて見せたいと述べた。 「女性だといえば柔らかさの表象になったりするだろう。私はそれに同意しない。母親は父親よりはるかに強いから。ずっと勇敢で」
『ドリームパレス』でキム・ソニョンは優れた表情演技を披露する。 彼女の表情は韓国社会の不条理が人間の魂をどんなふうに踏みにじるのか示しているようだ。キム・ソニョンはこの映画で「第20回アジアンフィルムフェスティバル」で女優主演賞を受賞した。
キム・ソニョンは演技に関して「自分の人生が(外に)出てくること」とし、「どれだけ(映画の中の状況に)投じる準備ができているのかが重要だ」と強調した。 彼女は撮影期間中、演技に没入しすぎたせいか、息子役の俳優チェ・ミニョンが自分の撮影分を終えて帰宅するとき、まるで息子と別れるように思わず涙が出たという。 「(チェ・ミニョンが)最後の撮影日に、『私は今日が最後です』と言ったのだが、そのときから“号泣”していた(笑)」
『ドリームパレス』のヘジョンは不条理に立ち向かうよりは、妥協する道を選ぶ。この過程でデモを共にしていた遺族と遠ざかり、一人だけの息子とも衝突する。 キム・ソニョンは初めてシナリオを受け取ったとき、悩みもあったと打ち明けた。 「闘争を止めた人を深く照らし出したシナリオだった。今、(私たちの社会で)闘争している方々が映画を観て、『こんな人だけにスポットを当てるのは違うのでは』と思うのではと少し及び腰にはなった」 キム・ソニョンは「悔しい状況で闘争する方々に対する関心と支持、応援は私なりの基準でいつも持っている」と述べた。
『ドリームパレス』はいざ、問題に責任をもって解決しなければならない“甲”は、影も形もない“乙”だけが残りお互いを噛みあう阿鼻叫喚を見せることで、韓国社会の不条理を痛烈に皮肉る。 キム・ソニョンは最近、絵を描く面白さにすっかりはまったという。 「私の気持ちをここ(絵)にすべて表現できる。心をどこかにあらわにするということは本当に重要だと思う」
