制作費280億ウォンが投じられた韓国SF映画『ザ・ムーン』、今夏の劇場界を制すか?
2023年07月27日

「必ず生きて帰還しろ」という死を見据えたかのような上官の最後の命令。大型電光板に映るリアルタイム速報を見ながら泣き、笑う人々。軍人隊員である旦那の帰りを待つ妊娠中の妻。どんな状況でも主人公と共にする同僚隊員の子供がくれた人形。緊迫した瞬間に入る韓国式のユーモア。今夏の新作SF映画『ザ・ムーン(原題:더 문)』には、これらの全てがある。『神と共に』パート1・2で韓国映画初のシリーズ連続で観客数1000万人突破という記録を打ち立てたキム・ヨンファ監督の新作だ。
前述したような、いわゆる「慣れ親しんだ」演出を通じてキム監督は、観客の感性に触れようと努力する。月面探査を素材にしているが、映画は科学的な精密さや想像力よりも、月に孤立した宇宙隊員“ソヌ”(D.O.)と、彼を救おうとする元宇宙センター長“ジェグク”(ソル・ギョング)、陰ながら支えるアメリカNASA所属の“ムニョン”(キム・ヒエ)の感情に焦点を当てる。人物の動機は、家族も同然の仲間に対する罪悪感や裏切り、非常に親しい仲だった人に対する昔の情などで説明され、後には映画自らが「人類愛の価値」を語ったりもする。
キム監督自身も、映画が伝える主な感情のキーワードに「慰め」と「許し」を挙げている。
「これで7作目となるが、結局一度も変わらないのが、 “慰め”と“許し”だ。この部分から抜け出すことはできないのだと思う。アンドリュー・ラウ監督は、“死ぬまで一つの物語だけをやることになる”と言っていたが、私はこれを否定した。ところが(映画を撮り始めて)もう20年になるが、“あの言葉は間違っていなかった”と思った。慰めと許しは、私が映画を始めた動機で、この2つのキーワードで観客とコミュニケ―ションを取り続けているような気がする」
宇宙に孤立した人物の生存と帰還を扱ったプロットでは、映画『オデッセイ』や『インターステラー』、『ゼロ・グラビティ』など、そうそうたるハリウッド映画が自然と思い浮かぶ。しかしキム監督は、これらを主な参考作品にはしなかったという。
「今まで出た宇宙映画は、全て参考の対象となるので当然、『インターステラー』や『ゼロ・グラビティ』、『オデッセイ』もそうだったが、4年前から見ていない。自分が偏見を持つことが、とても嫌だったから。人を救出するプロットについても、あまり研究しなかった」
代わりに自身が得意とする分野、つまり人物をうまく組み合わせ、感情的な快感を与えることに集中したという説明だ。「他のハリウッドや中国の映画と比較した時に、秀でているとは言えなくても、劣っているとは言いたくない」と付け加えた。
監督自ら「劣っていない」と自負する理由がもう一つある。「ハリウッドが1億ウォン(約1100万円)をかけてやることを、1000万ウォン(約110万円)でやっている」と説明した、映画の視覚特殊効果(VFX)だ。特殊効果に使われた金額を別に推算することは難しいが、『ザ・ムーン』は、今夏公開される韓国映画の中で最も高い280億ウォン(約30億8000万円)の制作費が投じられた。
「280億ウォンは少ない予算ではないが、この程度の予算で、このような映画を作ることはおそらく不可能ではないだろうか。ハリウッドと比べると本当にあり得ない金額で、どのようにすれば低予算で最高の効果を出せるのか、たくさん研究した。ショートを増やすより数を減らし、質感を上げて写真のように精巧な品質を感じさせようという方向で勝負をしたため、技術的な面での評価が楽しみだ」
『神と共に』シリーズだけで2600万人の観客を動員したキム・ヨンファ監督。監督は今年1月、映画専門誌のインタビューで、この映画の後半40分に感情と技術の面で、自分ができることの全てを込めたと説明していた。また前作『国家代表!?』のあふれんばかりの感情を凝縮し溶かし出したかったと述べ、『ザ・ムーン』は『神と共に』シリーズよりも悲しいという制作陣の感想を紹介したりもした。地獄から宇宙に舞台を移したキム監督の新作映画は、今回も観客の愛を受けることができるのだろうか?映画は来月2日に韓国で公開される。
前述したような、いわゆる「慣れ親しんだ」演出を通じてキム監督は、観客の感性に触れようと努力する。月面探査を素材にしているが、映画は科学的な精密さや想像力よりも、月に孤立した宇宙隊員“ソヌ”(D.O.)と、彼を救おうとする元宇宙センター長“ジェグク”(ソル・ギョング)、陰ながら支えるアメリカNASA所属の“ムニョン”(キム・ヒエ)の感情に焦点を当てる。人物の動機は、家族も同然の仲間に対する罪悪感や裏切り、非常に親しい仲だった人に対する昔の情などで説明され、後には映画自らが「人類愛の価値」を語ったりもする。
キム監督自身も、映画が伝える主な感情のキーワードに「慰め」と「許し」を挙げている。
「これで7作目となるが、結局一度も変わらないのが、 “慰め”と“許し”だ。この部分から抜け出すことはできないのだと思う。アンドリュー・ラウ監督は、“死ぬまで一つの物語だけをやることになる”と言っていたが、私はこれを否定した。ところが(映画を撮り始めて)もう20年になるが、“あの言葉は間違っていなかった”と思った。慰めと許しは、私が映画を始めた動機で、この2つのキーワードで観客とコミュニケ―ションを取り続けているような気がする」
宇宙に孤立した人物の生存と帰還を扱ったプロットでは、映画『オデッセイ』や『インターステラー』、『ゼロ・グラビティ』など、そうそうたるハリウッド映画が自然と思い浮かぶ。しかしキム監督は、これらを主な参考作品にはしなかったという。
「今まで出た宇宙映画は、全て参考の対象となるので当然、『インターステラー』や『ゼロ・グラビティ』、『オデッセイ』もそうだったが、4年前から見ていない。自分が偏見を持つことが、とても嫌だったから。人を救出するプロットについても、あまり研究しなかった」
代わりに自身が得意とする分野、つまり人物をうまく組み合わせ、感情的な快感を与えることに集中したという説明だ。「他のハリウッドや中国の映画と比較した時に、秀でているとは言えなくても、劣っているとは言いたくない」と付け加えた。
監督自ら「劣っていない」と自負する理由がもう一つある。「ハリウッドが1億ウォン(約1100万円)をかけてやることを、1000万ウォン(約110万円)でやっている」と説明した、映画の視覚特殊効果(VFX)だ。特殊効果に使われた金額を別に推算することは難しいが、『ザ・ムーン』は、今夏公開される韓国映画の中で最も高い280億ウォン(約30億8000万円)の制作費が投じられた。
「280億ウォンは少ない予算ではないが、この程度の予算で、このような映画を作ることはおそらく不可能ではないだろうか。ハリウッドと比べると本当にあり得ない金額で、どのようにすれば低予算で最高の効果を出せるのか、たくさん研究した。ショートを増やすより数を減らし、質感を上げて写真のように精巧な品質を感じさせようという方向で勝負をしたため、技術的な面での評価が楽しみだ」
『神と共に』シリーズだけで2600万人の観客を動員したキム・ヨンファ監督。監督は今年1月、映画専門誌のインタビューで、この映画の後半40分に感情と技術の面で、自分ができることの全てを込めたと説明していた。また前作『国家代表!?』のあふれんばかりの感情を凝縮し溶かし出したかったと述べ、『ザ・ムーン』は『神と共に』シリーズよりも悲しいという制作陣の感想を紹介したりもした。地獄から宇宙に舞台を移したキム監督の新作映画は、今回も観客の愛を受けることができるのだろうか?映画は来月2日に韓国で公開される。
