“監督”チョン・ウソンが演出力を披露する多彩なアクション…映画『保護者』が韓国で公開中
2023年08月18日

暴力組織にいた“スヒョク”(チョン・ウソン)は殺人罪で10年間、服役する。
出所後、昔の恋人を訪ねた彼は、自分に娘がいたという事実を知り、組織のボス“ウングク”(パク・ソンウン)の元へ行き「平凡に暮らしたい」と言う。
ウングクは、組織のナンバー2の“ソンジュン”(キム・ジュンハン)にスヒョクを監視するように指示し、ソンジュンは“洗濯機”と呼ばれる2人組の殺し屋、“ウジン”(キム・ナムギル)と“ジナ”(パク・ユナ)にスヒョクを始末するように命令する。
チョン・ウソンが主演だけでなく、演出を務める映画『保護者(原題:보호자)』は、よく見かける構図だ。
一時、ギャングだった主人公が、新しい人生を追及するが、暴力の世界から簡単に抜け出せない物語は、アル・パチーノ主演の『カリートの道』(1994)のような映画として扱われた。アンディ・ラウ主演の『アンディ・ラウの逃避行/天若有情』(1990)とも似ていると言うことができる。
『保護者』は、このように見慣れた話の構図に新しさを加えた。真っ先に挙げられるのは、多彩なアクションだ。
スヒョクのプロローグを見せる場面で、彼がつかんだ刀は、懐中電灯のように光を放つ。暗い空間でスヒョクが刀を振るうたびに、光が飛び交う。観客は、1本のダンスショーを見るような感覚に陥る。
ウジンとジナの暴力も他のアクション映画とは異なる。彼らが使う自家製の爆弾は、強い爆発力を持っているが、小さなボール型で色とりどりな見た目は、まるでおもちゃのようだ。
彼は、まるでゲームでもするかのように暴力を振るうウジンとジナの姿と合う。彼らは、人がいる建物を爆破させておきながら、平気な顔してその前で自撮りをする。彼らの暴力シーンでは、軽快な音楽が流れる。
スヒョクのアクションは、線が太く、力があるため対照的だ。彼のアクションは、車がなくてはならない。スヒョクは車を運転して建物に乱入し、駆けつけた組織員たちは急旋回を繰り返す車から一人二人と離れていく。
この映画で、車とバイクが繰り広げる追撃戦は、かなりのスピード感がある。中央線を越え、とんでもない逆走行をしたりもする。車の激しい衝突は、観客を驚かせる。
この映画のあらすじは単純であるため、理解しやすい。観客は、話の流れを逃さないようにという焦りもなく、気楽に映画を楽しむことができる。
スヒョクの新しい人生を阻むのは、彼に対するソンジュンへの劣等感と嫉妬だと言えるだろう。
チョン・ウソンは『私とS4物語(原題:나와 S4 이야기)』、『三つの色-三生(原題:세가지 색-삼생)』、『キラーの前に老人(原題:킬러 앞에 노인)』など短編映画を演出したことはあるが、長編演出は今回が初めてだ。
監督としてチョン・ウソンの可能性を見せた長編デビュー作だと評価できる。特にこの映画で繰り広げた個性的でありながらも、強度の高いアクションは、次回作を期待させる。
この映画のほとんどのアクションが、チョン・ウソンのアイデアだという。キム・ジュンハンは、9日の試写会で、チョン・ウソンを「大韓民国の宝物のようなアクションの職人だ」と絶賛した。
『保護者』は、「第47回トロント国際映画祭」、「第55回シッチェス国際ファンタスティック映画祭」、「第42回ハワイ国際映画祭」などに招待された。
映画『保護者』は15日に韓国で公開され、上映時間は97分、年齢制限は15歳観覧可だ。
