映画『甘い:7510』の俳優ユ・ヘジン、「“たこ”を取ってロマンス演技…純粋な時が懐かしい」

2023年08月28日

「この映画を撮影しながら純粋だった時が懐かしいと、とても思った。どうやら僕は年月が経つにつれてだいぶ鈍くなってきたから」
最近、あるカフェで会った映画『甘い:7510(原題:달짝지근해: 7510)』(以下、『甘い』)の主演俳優ユ・ヘジンは撮影当時を振り返りながらこのように述べた。 イ・ハン監督が演出したこの映画は、遅ればせながら初恋をすることになった製菓会社研究員の話を描いたロマンティックコメディーだ。ユ・ヘジンは主人公“チホ”役を務め、デビュー後、初のロマンティック演技を披露した。
他人との関係を築くのが苦手で恋愛とはほど遠い人生を送ってきたチホは、“イルヨン”(キム・ヒソン)と出会いときめきと情熱、痛みなど愛の過程を経験することになる。中年のおじさんが見せる下手な恋が笑いと感動を与える。
ユ・ヘジンはこの映画のシナリオを読んだ時、ファン・スンウォンの小説『夕立(ソナギ)』と似た面が多いと思ったとし、「汚れていない愛をうまく表現しなければならないというプレッシャーがあった」と打ち明けた。 「チホはいわば、何も知らない社会人。こんな人に恋がやってきた時、その感情はどれだけ大きいだろうか?僕も生きてきて(感情に)“たこ”がたくさんできたが、それをずっと剥がしていたら新しい肉がでてきた。チホの立場で考えてみると、それが残っていた(笑)。『僕も以前、こんなに愛していたんだ、あの人の家の前でずっと待っていたんだ」と、過去をたくさん思い出した。
幼い頃、事故で脳を負傷したチホは、社会性に欠けているが、その年齢では珍しい純粋さを持っている。 イルヨンがスキンシップをしてくると驚いて逃げ、彼女がデートに誘ってほしいと遠回しに言っていることも全然気付かない。面白い人が好きだというイルヨンを笑わせるために、同僚からいわゆる“おやじギャグ”を学ぼうとする。笑いの打率はそんなに高くないが、ユ・ヘジンの純朴な顔を見ていると、自ずと笑みが浮かぶ。
ユ・ヘジンは「僕がかわいいから」と笑った。 「好き嫌いが分かれると思ったが、多くの方が面白かったと言ってくれてよかった。僕は試写会の時に入れなかった。それで反応を肌で感じることはできなかった。特に、コメディージャンルの時、反応を見るのがとても怖い。僕は面白いと思っていたたが、違うかもしれないと考えるからだ。『甘い』は他の作品よりももっと笑いが必要な作品でもある。下手をするとメロになってしまうから」 彼が笑いと同じくらい重要に思った点は、キム・ヒソンとの呼吸だった。コメディージャンルではあるが、愛がテーマの映画であるだけに、相手役とうまくコミュニケーションを取らなければならないと考えたのだ。 「キム・ヒソンさんではなく、誰が相手役だったとしても心配したと思う。お世辞ではなく本当に、撮影の間ずっとヒソンさんのおかげで幸せだった。フランクな方だということは知っていたが、『あんなに相手を気楽にできるものか?』と思うほどだった。現場のスタッフもヒソンさんが乗っている車が来ると、ミーアキャットのように腰をまっすぐ立てて眺めていた」
ユ・ヘジンはシナリオを読んだ時から、イルヨン役をキム・ヒソンが演じることを望んでいたという。キム・ヒソンがイ監督の出演オファーを快諾し、彼の願いをかなえた。 キム・ヒソンが演じたイルヨンは大学生の娘を持つ41歳のシングルマザーだ。チホもまた45歳の設定であるため、一部はこの映画を“中年ロマンス”と表現したりもした。 しかしユ・ヘジンは「大人たちの愛の話だと先入観を持たれるのではないかと心配した」とし、「甘酸っぱい皆のラブストーリーとしてご覧になってほしい」と述べた。
『甘い』はクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』、チョン・ウソンが主演し演出した『保護者(原題:보호자)』と同じ日に公開された。『密輸(原題:밀수)』、『非公式作戦(原題:비공식작전)』、『ザ・ムーン(原題:더 문)』、『コンクリートユートピア(原題:콘크리트 유토피아)』など韓国大作4本も劇場公開され、容易でない競争となると見られた。 ユ・ヘジンは「どうしても僕がキャリアを重ねているので、悩みや心配が多い」としながらも、「この映画のように気楽に見られる作品、映画が終わったらビールを一杯飲みたくなる作品も必要だ」と強調した。
「正直言うと、(公開作の中で)2、3位になればいいと思った。大きな映画ばかりが一緒だから、うまくいくというより、われわれのような中型級の作品もヒットしてこそ他の多様な映画たちが作られ、観客たちも飽きないのではと思う。ブロックバスターも重要だが、『甘い』のような“アン・ブロックバスター”も重要だ」

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