“デビュー10周年”歌手イ・ジナ、新譜『Hearts of the City』で描く夢の都市…「愛があふれたら」

2023年09月13日

シンガーソングライターのイ・ジナは、デビュー10周年を控えた昨年、激しい音楽的スランプを経験した。
自分が作った歌に対する満足感と自信は限りなく低くなり、新譜作業は全く進まなかった。そんな状況でマネージャーも配偶者もおらず、天涯孤独でアメリカ行きの飛行機に乗った。 そんな中、ニューヨークのあるジャズクラブで会った、おじいちゃん的存在のドラム演奏者が浮かべたほほ笑みに救われた。“カチカチ”に凍っていた彼女の心をあっという間に溶かしてしまったという。
「そう、あんなふうに音楽をやればいいんだ!」
約50日にわたる“ひとりニューヨーク旅”の感動は約1年後、3rdアルバム『Hearts of the City』で具現された。
イ・ジナは13日のインタビューで、「純粋に音楽を愛する方の公演を見ていると、また音楽がやりたいと思った」とし、「明らかに以前は、私の歌があまりよくないと感じたが、改めて見たら私の音楽はとてもよかった。これを基に完成したのが今回のアルバムだ」と述べた。
イ・ジナは今回の新譜のダブルタイトル曲「Mystery Village」や「都市の建物(原題:도시의 건물)」などを通じて“都市”というどっしりとした巨大な空間に対する自分だけの思いと夢を描いていった。 彼女は「今(私たちが住んでいる)都市もいいが、ここが、愛のあふれる都市であってほしい」とし、「愛があふれ、好きなように夢を見ることができるところであってほしい」と述べた。 その一方で「実は私も都会が好き。必要なものが近くにあり、食べ物の配達もうまくいく」と照れくさそうに笑った。さらに「時々は私も逸脱したい気持ちがあり、イ・ヒョリ先輩のように(済州などで)暮らしてみたい気持ちもある」と付け加えた。
タイトル曲「Mystery Village」は重要なことを忘れて生きていくこの都市を“小さな少女”を主人公にして描き出した楽曲だ。歌の歌詞の中の人々が、それぞれ握っているという“神秘的な鏡”は、まさしくスマートフォンを指すという。 イ・ジナは「『ブラインドネス』という映画の話を友人から聞いたが、印象に強く残った」とし、「皆が目を閉じている時、ある“小さな少女”が目を開け、人々を助ける想像をしてみた」と説明した。 続けて「人々が携帯電話やインターネットなどに振り回されることもあるが、悪い価値観に影響を受けたり、自分を失ったりしないでほしいという意味を込めた」と指摘した。
“早く起きて 眠りから覚めて 目を開けてみて”という部分では、ジャズ風の激情的なピアノ演奏が添えられ、童話のような神秘的な雰囲気が倍増する。 そういえば、イ・ジナは2013年に1stアルバム『Unvisible』でデビューして以来、いつもジャズを音楽的滋養分としてきた。彼女の夫もジャズピアニストのシン・ソンジンで、今回の3rdアルバムのストリングアレンジを手伝ってくれたという。
イ・ジナは「音楽的にジャズ風を表現したい欲がある」として、「あまりにもジャズが好きで、ジャズ音楽で歌謡(ポップ)を作るのも好きだ。ジャズを親切で簡単に聴かせることに関心が高い」と述べた。 それと共にデビュー10周年を迎えた感想で、「今後は私の足りない点も受け入れ、自然に流れるままにしておこうと思う」として、「ジャズ演奏にも欲があってジャズ演奏曲アルバムも出したいし、ゴスペルのアルバムも出してみたい」と述べた。
アルバム最後のトラック「言葉(原題:말)」は所属事務所の先輩でありスター夫婦イ・ヒョリ、イ・サンスンとコラボした楽曲だ。イ・ジナの穏やかなピアノ旋律、イ・サンスンのアコースティックなギターサウンドにイ・ヒョリの歌声が調和をなした。 イ・ジナは「勇気を出して(イ・ヒョリに)長いカカオトークを送ったが、イ・ヒョリ先輩が『私も最近、言葉という主題で悩んでいた』と答えてくれた」とし、「済州島に行って、涯月(エウォル)の海辺が見えるあるレコーディングスタジオでイ・ヒョリ、イ・サンスン先輩と『言葉』のレコーディングをした」とエピソードを伝えた。
「デビュー時から、私の歌を聴いた多くの人が励まされてほしいという思いに変化はない。少しでも私の歌でエネルギーを出してもらえたらと思う」

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