映画『1947ボストン』のカン・ジェギュ監督、「イム・シワンの演技を見て鳥肌が立った」
2023年09月13日

今年の秋夕(チュソク、中秋節)の連休に、韓国で公開されるカン・ジェギュ監督の新作『1947ボストン(原題:1947 보스톤)』では、俳優イム・シワンの演技が光を放つ。
この映画は1947年、アメリカのボストンマラソン大会で太極機を胸に韓国のソ・ユンボクが優勝を獲得するという感動的な実話をスクリーンに移した作品だ。ソ・ユンボク役を務めるイム・シワンは、マラソン選手の表情と動作一つひとつをリアルに演じた。
「撮影しながら(若い俳優を見て心の中で)『おい、こいつを見ろ』と思った。鳥肌が立つのは初めてだった」
12日、ソウル・鍾路(チョンノ)区のあるカフェで会ったカン・ジェギュ監督は撮影現場で見たイム・シワンの演技をこのように振り返った。
カン監督は「(その時から)イム・シワンが(撮影現場に)来る日が待ち遠しかった」とし、「彼が出ればエネルギーをもらえた」と述べた。
彼は「まなざし、動作ひとつとっても、エネルギーがあってとても新鮮だった」とし、「だからといって過度でもなく、当時の舞台で遊んでいるように、とても自然だった」と振り返った。
カン監督は「イム・シワンに『君が本当にソ・ユンボクになってこそ観客が映画に没入できる』、『われわれの映画の運命が、君の腕にかかっている』と話したりもした」と笑った。
ハ・ジョンウは1936年、バルリンオリンピックマラソンで金メダルを取ったソン・ギジョン役を演じた。
カン監督は「シナリオを読んで、ハ・ジョンウがすぐに思い浮かんだ。真っ先にキャスティングした俳優もハ・ジョンウだった」とし、「性格からみても外見からみても、(ソン・ギジョンと)似ている点が本当に多かった」と述べた。
カン監督は、初の韓国型ブロックバスターとして知られる『シュリ』(1999)や、韓国戦争映画の代表作として挙げられる千万映画『ブラザーフッド』(2004)で観客たちから愛された。
彼がスポーツを本格的な素材に取り入れて、映画を演出したのは今回が初めてだ。
カン監督は、撮影難度が非常に高いアクションを盛り込んだ『シュリ』と『ブラザーフッド』の演出経験があり、マラソンシーンを撮影するのは相対的に容易だと思ったとし、「実際に撮ってみたらそうではなかった」と述べた。
彼は「(『ブラザーフッド』のような)戦闘シーンを撮影した時は、セット場を完全に統制しながら撮影することができたが、マラソンは道路を封鎖して撮ったため、時間に対する重圧感が大きかった」と振り返った。当局が許可した時間内に道路で撮影を終えなければならず、一分一秒がもったいなかったということだ。
マラソンを映画化するのは、カン監督の長年の夢だった。彼は大学時代、陸上を扱ったイギリス映画『炎のランナー』(1981)を見てとても感動したとし、「走ることは、本当に魅力的で、映画の素材になると思った」と述べた。
彼は『1947ボストン』についても、「スポーツマンであり国家代表選手がどんな心情で走ったのか、その本心に集中しようと努力した」と強調した。
カン監督は、韓国映画の危機についてはこのように述べた。
「観客がOTT(オンライン動画サービス)などの普及によって、劇場に行かないと言っているが、そうではない。今も劇場に行く観客もいる。ただ劇場の敷居が少し高くなった。これを乗り越えられるようにする映画を、われわれが作らなければならない。映画人たちの宿題であり課題だが、知恵を集めなければならない時だと思う」
