『宇宙+人』のチェ・ドンフン監督、「収穫して米を売る農夫の気分」

2024年01月18日

「これまで1年半の間、毎日農夫のように働いた。今や米を収穫して売る農夫の気分だ」

5日、鍾路(チョンノ)区のカフェで会ったチェ・ドンフン監督は、映画『宇宙+人(原題:외계+인)』を終える感想を聞くと、このように述べた。

この映画は、宇宙人と現代人、高麗人が高麗時代と現代のソウルを行き来しながら巻き起こるSFファンタジーで、2022年に公開された1部に続いて今月10日に2部が公開された。

前作『暗殺』(2015)以来となるチェ監督の『宇宙+人』シリーズは、シナリオを完成するだけで2年半かかった。撮影期間も、韓国映画史上最長となる387日にのぼる。2部の後半作業にさらに1年半かかり、計6年という時間がかかった。

「『タチャ イカサマ師』の時は、後半作業に3週間かかった」というチェ監督が、今回の映画に力を入れた理由は、1部の観客数が154万人だったせいもあった。

『ビッグ・スウィンドル! 』(2004)、『タチャ イカサマ師』(2006)、『チョン・ウチ 時空道士』(2009)、 『10人の泥棒たち』(2012)、『暗殺』などの全ての作品をヒットさせたチェ監督がデビュー後、初めて経験したことだった。

チェ監督は1部の結果が出た後、「家の外に出るのは、やめよう」と決心したとしながら、「これが映画監督の運命なのだと感じた」と明かした。

「その時は、“私は果たして2部をする力があるのか?”と思った。 2部がヒットするという保証が全くない状況だから…。でも不思議と作品の修正を重ねていくうちに、私が映画を撮る理由は、これが面白くて好きだからだということを改めて悟った。まるで修行を積むような気持ちで作業した。ある意味、2部は自分を救ってくれた作品だ」

『宇宙+人』2部では、チェ監督のこのような苦悩がそのまま感じられる。

2部では、序盤の字幕と共に1部のプロットと世界観を説明してくれるのはもちろん、ミステリーとして残った要素が一つずつ解かれていく。アクションとコメディもさらに力を発揮する。

チェ監督は作業当時、2部を最初から最後まで計150回以上見て、52パターンの映像を作った。

彼は、「1部では、どうすればこの映画が魅惑的に見えるかに気を使ったとするなら、2部では没入感に焦点を置いた」と強調した。

「繰り返し映画を見た理由も、そのせいだった。作業室で編集し家に戻ると、暗い部屋で初めて見るかのように映画を見た。どこかが引っかかったり、怪しかったり、重なっていたり、足りなかったりしたら、すぐに修正した。“私は監督ではなく、観客だ”と脳をだましたりもした。

すでに撮影を終えたシーンを再び撮ったり、なかったシーンを追加し、セリフを新たに入れたりもした。2022年、ソウルに住む“ミン・ゲイン”(イ・ハニ)が、初めて登場するシーンは再撮影でできたシーンだ。チェ監督がイ・ハニに、申し訳ない思いで事情を説明すると、「監督。私は何でもできます」という答えが返ってきたという。

映画のクライマックスである後半のアクションシーケンスは、慶北(キョンブク)聞慶(ムンギョン)の山間で3カ月撮影され、完成した。

「その時を思い出すと涙が出る」と笑ったチェ監督は、「天気とコロナのせいで長引いたというのもあるが、最後のシーンだからしっかり撮りたい気持ちが大きかった。世の中で何が起きているのか知らないほど夢中で撮った」と振り返った。

中学生の時から、両親に“図書館に行く”と嘘をついて劇場に通い詰めたというチェ監督は除隊後、クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の『パルプ・フィクション』を見て、映画監督になると決心した。

この作品で、これまで見てきた映画とはあまりにも違う個性とテンポを感じながら、映画を見る人ではなく作る人になりたいという夢が生まれた。

彼がSFファンタジーシリーズという見知らぬジャンルと形態の映画『宇宙+人』に挑戦した理由も、「“something special(何か特別なこと)をしてみよう”という気持ちが強かったからだ」という。

チェ監督は、「『暗殺』が終わってから、色々な人に『暗殺2』をしろと言われた」とし「しかし、それはいつでもできるが、『宇宙+人』は、今すぐやりたい作品だった」と明かした。

「もちろん、SFとファンタジーを組み合わせるのは、とても難しい。しかし、最も韓国的なSFをすごくやりたかった。『宇宙+人』は、とても面白い物語。10年後に見ても、幼稚ではない作品として残ってほしい。その時に見た人々が、“あの時はすごくいい挑戦をした”と評価してくれたら、それだけでうれしいと思う」

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