映画『必死の追撃』…済州島の風光のように爽快なアクションとユーモア
2024年08月16日

キム・ジェフン監督の新作『必死の追撃(原題:필사의 추격)』は、基本構図だけを見れば西部映画の古典に挙げられるクリント・イーストウッド主演の『続・夕陽のガンマン』(1966)が思い浮かぶ。
追いつ追われつの3人の男の話であるうえ、3人のうち誰もが善良な人とは言いがたいという点でそうだ。
『必死の追撃』は、変装術を使いながら鬼のように人を騙す詐欺師のインヘ(パク・ソンウン)、法より拳が先立つ怒りをコントロールできない刑事スグァン(クァク・シヤン)、台湾の無慈悲な組織のボス・リンパン(ユン・ギョンホ)の物語だ。
台湾で活動していたリンパンが、麻薬犯罪網を拡張しようと、済州(チェジュ)島に到着し、話が始まる。
インヘもどうやってお金のにおいをかぎつけたのか、済州島に姿を現し、ソウルで努めていたスグァンも突然済州島への発令を受け、3人の男が一か所に集まる。
リンパンの暴力組織は、在来市場「ユニ商店街」を丸ごと買い入れようとするが、ユ会長(イェ・スジョン)が率いる商人たちの反対で、難関にぶつかる。暴力組織と商人たちの葛藤が激化し、3人の運命もひとつに絡み始める。
コミカルアクションを標榜する『必死の追撃』は、ダイナミックなアクションと軽いユーモアを絶えず展開する。
一対一の格闘と集団乱闘劇を網羅するアクションは、かなり強度が高いが、暗くて残忍な雰囲気で流れるようでありながらも、どこかでコミカルな要素を表している。
イェ・スジョンをはじめ、スグァンの先輩刑事役を務めるキム・グァンギュ、スグァンの隣のおじいさん役のソン・ジョンハク、タクシー運転手を演じたソン・ドンイルなど、助演やカメオで出てくるベテラン俳優たちが笑いを呼び起こす。
ここに済州島の風光が広がり、爽快な感じを醸し出す。スグァンが船に乗って海を見ながら、「本当にステキだね」と感嘆する時は、観客も彼とひとつの気持ちになる。
3人の男の中で、唯一本音が分からない人物であるインヘは、作品にミステリーを吹き込む。
アクションスリラー『悪魔たち(原題:악마들)』(2022)でデビューしたキム監督の2番目の長編で、キム監督は一時、済州島に住みながら無分別な不動産開発で地域住民との葛藤が起きるのを見て、『必死の追撃』を構想したという。
キム監督は今回の作品で、キャラクターを構築して組み合わせるのに格別に気を使ったとし、「キャラクターたちの個性と魅力で完成される映画を作りたかった」と述べた。
『幸せの国(原題:행복의 나라)』や『エイリアン:ロムルス』をはじめとした期待作たちが一度に出撃しながら、存分に盛り上がった今夏のオンシーズン終盤に公開される『必死の追撃』は、劇場街のダークホースになる可能性を秘めている。
映画『必死の追撃』は21日に韓国で公開され、上映時間は110分、年齢制限は15歳以上観覧可だ。
