歌手ソヌ・ジョンア、「自分の弱い“陰”に向き合ってこそ自由になれる」

2024年10月22日

「自分の陰、つまり暗くて弱い部分に向き合わなければ、自由になれないということを今回の歌を書きながら悟った」
シンガーソングライターのソヌ・ジョンアは、今年フルアルバム『Beyond』を2つの部分に分けて発売する試みをした。最初のパートは、きらびやかな解放を盛り込んだ「Black Shimmer」で、2番目のパートは自由をテーマに18日に発売された「White Shade」だ。
彼女はアーティストの鋭い感性で、現代人が持つ苦痛の根源である内面、これを克服しようとする意志、そしてこれを通じた自由成就を繊細に描き出した。
最近、ソウル・麻浦(マポ)区の所属事務所MAGIC STRAWBERRY SOUNDの社屋で会ったソヌ・ジョンアは、「外の想像よりは私の中で歌を引き出すタイプだ」とし、「集めてみると皆が自由になりたくて、そんなふうにもがいたということを感じた」と述べた。
今回のアルバムには、ダブルタイトル曲「please be greedy」や「Jealous」、先行公開曲「PRAY」をはじめ、「Used Star」、「Too Late」まで計5曲が収録された。
ソヌ・ジョンアの視線は光を失っていく古い星(「Used Star」)から、人間の心の中の陰(「please be greedy」、「Jealous」)に入り込み、自由に向かって再び立ち上がろうとする意志(「Too Late」、「PRAY」)に移った。
アルバムの最初のトラック「Used Star」は、天体を描写した楽曲かもしれないが、大衆の人気が以前ほどではない芸能人を指すような気もする。最後の小節の、“私を色あせさせるのは/この年月ではなくあなたの/外面と偏見だ”という歌詞は、そんな解釈に力を入れる。
ソヌ・ジョンアは、このような芸能人の“宿命”に対して、「大衆から愛されるほど困難も大きくなるので、(人気は)諸刃の剣のようだ」としながらも、「もちろん、私はその段階までは上がっていないので、知らない領域だ」と笑った。
彼女は続けて、「大衆音楽家として最善を尽くして大衆に愛されるために、努力する」としながらも、「ビヨンセを夢見ていた幼い時に持った“スターの夢”は失って久しい」と話した。
アルバムの2曲のタイトル曲である「please be greedy」と「Jealous」は容易ではない主題だが、暗くなく純粋なボーカルが対照をなす楽曲だ。
特に「please be greedy」の中のイム・スヨンのチェロと、カン・イチェとハ・ボムソクのマンドリンのアンサンブルは、妙な余韻を呼び起こす。
ソヌ・ジョンアは、「現実では実現できない、希望のような童話のような愛を夢見る楽曲だ」とし、「不可能な現実を知っている凄然さを声に盛り込もうとした」と説明した。
また、「マンドリンのサウンドを入れると、日差しが降り注ぐ、太陽や月の光が反射して輝く波が壊れる感じがした。仮想楽器とは比較にならなかった」とし、「ここにチェロまで加えると、サウンドの息がよりいっそう大きくなった。改めて実演の力を強く感じた」と述べた。
彼女は、「Jealous」では、“あなたは全部持っているじゃない/私はほとんど手ぶらで/何をもっと持とうとするのか/何がもっと足りないのか”と、SNSなどに映った他人の人生に執着する人々を暗くなることなく歌った。他人をうらやましがったり憎んだりする俗な心を“しわくちゃになる心”というフレーズで表現した。
ソヌ・ジョンアは、「いくら悲しくて重い話でも、歌まで重くなると、頻繁に聴くのが難しくなる」とし、「私が好きな楽曲は、慎重でも聴きやすいポイントがある。これを胸が詰まるボーカルと軽くて明るいサウンドの対峙で表してみた」と述べた。
彼女はそれと共に、「人間はそのように嫉妬するように作られた」とし、「私もやはり顔、スタイル、財力、助けてくれる人の数、コンテンツ資本など、すべての面で嫉妬したことがある。食に対する欲も同じ。私は一生気をつけなければならない。食への欲がない人が、とてもうらやましい」と語った。
アルバムの最後のトラック「PRAY」は、ソヌ・ジョンアが幼い頃に空に送った父親に祈るような楽曲だ。これと同時に、MVには今年で10周忌を迎えるセウォル号惨事の犠牲者たちの遺族が出演し、見る人々に重い質問を投げかける。
ソヌ・ジョンアはセウォル号の惨事に対して、「知れば知るほど、その惨憺たる気持ちを捨てることができず、犠牲者が(主に)子どもたちだということが最も衝撃的だった」とし、「私は自分の高校時代が最も輝いたと感じたが、彼らのその時代を惨事が奪ったという感じでつらかった。最後まで忘れられないと思う」と振り返った。
2006年に1stアルバムでデビューしたソヌ・ジョンアは、18年の歳月の間、大衆音楽界で自分だけの色でポジションを固めてきた。2NE1の「IT HURTS」やIVEの「Either Way」など、自分の楽曲とはまったく異なるK-POPアイドルグループの楽曲もたびたび作って人気を集めた。
彼女は、K-POPグループとの作業について、「私のように1人で活動するシンガーソングライターは、自分が住む町だけを歩き回る感じだ」とし、「しかし、K-POPグループとコラボをすると、世界旅行をする感じになる。過去にYG(エンターテインメント)で行った作業のおかげで、大衆音楽の見方が広がり、音楽が“音学”から抜け出し成長することができた」と述べた。
ソヌ・ジョンアはフルアルバム『Beyond』シリーズの完結を記念して、年末の単独コンサートも計画している。来月には、KBS 2TVの新音楽旅行バラエティー「私という歌手(原題:나라는 가수)」の放送も控えている。
「来年には40歳になる。完全に変えることはできないが、人生を単純化する余裕を見つけようと思う」

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