ソン・スンホンの主演映画『ヒドゥンフェイス』、破格な設定と予測不可能な展開

2024年11月15日

ソンジン(ソン・スンホン)は一見、すべてを持った男のように見える。
ルックスは、すれ違う人が振り向くほどスラリとしている。若くしてクラシック楽団の指揮者に任命されるほど有能な人物だ。その上、金持ちの娘スヨン(チョ・ヨジョン)と婚約までした。
彼は、結婚を控えた妻の両親の前では謙虚な男だ。いくら他人が、ソンジンを自分の力で成功したと褒めたたえても、スヨンがいなかったら指揮者のポジションも、宮殿のような家も持てなかったということを、彼は自覚している。
結婚まであと数か月となったところ、突然スヨンが行方をくらまし、ソンジンはすべてを失う危機に瀕する。スヨンは到底結婚する勇気が出ないという言葉だけを残して、連絡を絶ってしまった。
動揺したのも、つかの間ソンジンは新しく入ってきたスヨンの後輩でチェリストのミジュ(パク・ジヒョン)に強く惹かれるのを感じる。スヨンとソンジンの新居は、いつの間にかミジュとソンジンの欲望を満たす場になる。
キム・デウ監督の映画『ヒドゥンフェイス(原題:히든페이스)』は、コンプレックスに満ちた一人の男が、身に余る恋人を裏切り、禁じられた恋に落ちるという常套的な話で始まる。
キム監督の前作『恋の罠』(2006)、『春香秘伝 The Servant』(2010)、『情愛中毒』(2014)のように、圧倒的な映像美と魅惑的な音楽を基にしたベッドシーンが続く。
エロティシズムだけでランニングタイムをどのように満たすか気になり始めるところで、映画は事が起きる前にスヨンの姿をフラッシュバックで見せながらストーリーを皮肉る。
実は、スヨンは家の密室で2人を見守っていた。ソンジンの愛を試そうと行方不明になったふりをしていたが、ソンジンとミジュの情事の場面を目撃することになるのだ。
今すぐベッドに行って2人の髪の毛をつかみたいところだが、ドアが壊れ密室に閉じ込められてしまったスヨンは、どちらもできない。いくら窓ガラスを叩いて大声を出しても、2人は全く気づかない。
性的緊張感で拮抗していた映画は、この時からスリラー・サバイバルジャンルに代わり、サスペンスを積み重ねていく。生きるため、カビが生えたラーメンを食べ、人がいるという事実を知らせようとあがくスヨンは、凄絶ながらも怒りでいっぱいだ。
映画は、その後もどんでん返しにどんでん返しを繰り返し、予測しにくい方向に展開される。エロティシズムとスリラーを結合した独特な形式と、破格的な設定が調和し、ドーパミンを刺激する。
キャラクターもまた、目を引く。所有欲の塊で、ソシオパスのように見えるスヨン、スヨンが密室にいるという事実を知りながらも、彼女を救うべきかどうか悩む機会主義のソンジン、嫉妬に目がくらみ極端なことを起こすミジュなどは、それぞれ違う魅力がある。チョ・ヨジョン、パク・ジヒョン、ソン・スンホンがオーダーメイドの服を着たような演技で、没入感をさらに引き上げる。
映画『ヒドゥンフェイス』は、20日に韓国で公開される。上映時間は115分で、青少年観覧不可だ。

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