『EXIT』イ・サングン監督、「対極のジャンルが出会った映画」
2019年07月22日

今月31日に公開される映画『EXIT』は、ありきたりな災害映画とは一線を画する。ぞっとする新派も、右往左往する無能な政府も、人々を助ける英雄も、人に迷惑を掛けるキャラクターもいない。その代わりに新鮮な笑いが溢れる作品だ。
一見、融合が難しそうな災害映画とコメディの出会いについてイ・サングン監督は「親近感の中に思いがけない新鮮さを与えたかった」と語った。
イ・サングン監督は「災害映画のジャンルで普通、期待される展開・キャラクターがあるはずだが、それよりはコメディとユーモアを融合させたかった。どうやってその二つの対極のジャンルを融合させるかが課題だった。ここに韓国的情緒が土台になった」と明かした。
イ・サングン監督が考える韓国的情緒は劇中、韓国の家族で表現している。騒々しく過干渉だが、情に溢れ互いを大切にする。
イ・サングン監督は「韓国的情緒が観客の共感帯を形成すれば、笑いを呼び起こせると思った」と語った。
劇中、主人公のヨンナムとウィジュは都心を覆い下から上がってくる正体不明の有毒ガスを避ける為、奮闘する。「役に立たない」という皮肉を耳にした山岳サークルでの経験が、生きる手段に繋がる。有毒ガスによる災害状況というテーマはこの監督が2012年に初めて構想した。
一寸先も見えない道を駆け抜けるヨンナムとウィジュは、同年代の‘可哀想な現実’を代弁している。
イ・サングン監督は「前が見えない状態は誰かにとっては自分が実際に直面した状況への当てつけと感じる可能性もあるだろう。私はそのような感情を感じた瞬間があった。他の誰かにとっては単純に映画的な想像力と考える可能性もある。前が見えない状況を辛い青春という一つの隠喩だけで強要したくはない」と語った。
『EXIT』はイ・サングン監督の長編映画デビュー作である。40歳過ぎてのデビューであったが、彼は「遅いとは思わない」と強調した。
更に他の作品ではなく『EXIT』が自身の初長編映画作品となった事については「この映画以外の作品は考えたことが無い。何よりも大切だ」と笑みを浮かべた。
