「彼女が真のMVP」… 映画『パラサイト』がアカデミー賞席巻で注目を集めた通訳者シャロン・チェとは?

2020年02月17日

映画『パラサイト 半地下の家族』が4冠王に輝き、今月9日(現地時間)にアメリカ・カルフォルニア州で開催された「第92回アカデミー賞」の授賞式で、ポン・ジュノ監督の隣にいる女性が最近、ポータルサイトのリアルタイム検索ワードで1位に急浮上した。
ポン監督の通訳として、オスカー授賞式にも参加したシャロン・チェ(チェ・ソンジェ)だ。
昨年5月のカンヌ映画祭からポン監督とともに歩んできたシャロン・チェにまず注目したのは、海外メディアたちだった。
「CNN」や「ニューヨーク・タイムズ」そしてイギリスの日刊紙「ガーディアン」も、シャロン・チェについて記事を書いたほどだ。
シャロン・チェが今回の受賞の立役者だったという点だけでなく、彼女が25歳の監督である上、現在ソウル在住で彼女自身も脚本を書いているとし、彼女自身に対する熱い関心を見せた。
「CNN」の電子版は、「監督を夢見ているシャロン・チェはオスカーまでの数か月間、さまざまなトークショーや授賞式などでポン監督の隣に立ち、素早い通訳スキルを見せたことで彼女自身がスターになった」と報じた。
またアメリカの時事週刊誌「ニューズウィーク」の電子版は、「CNN」より一歩進んだ「ポン・ジュノ監督の通訳者、シャロン・チェに関する5つの事実」というタイトル記事を掲載。
特に彼女が昨年12月にジミー・ファロンの「The Tonight Show」にポン監督と出演した後、多くのファンができたと明らかにした。
実際に多くの視聴者は、彼女がポン監督の言葉をいかに効果的に詳しく、また早く通訳をするのかについて驚き、SNSなどには「彼女が今年の受賞シーズンのMVPだ」、「本当に優雅で迅速な通訳、私にインスピレーションを与えた」などと絶賛。
「ニューヨーク・タイムズ」によると、シャロン・チェは大抵の場合、カメラやハリウッドの有名人の前で通訳をしながら声が震えることはないが、実は「私は毎回とても震える」と述べたそうだ。
一方、イギリスの日刊紙「ガーディアン」はタイトルに「シャロン・チェ:私たちがポン・ジュノの通訳者にハマった理由」と名づけた。
「ガーディアン」は、「人々が彼女に魅力を感じたのは、彼女のオールブラックな衣装やハリー・ポッターのようなメガネ、非の打ち所のない同時通訳能力だろう」と報じた。
一つ確実なことは、彼女の存在のおかげで、映画の広報分野でこれまで見過ごされてきた通訳という職業も新たに注目されるようになったと強調。
アカデミー賞の授賞式でポン監督は、「このトロフィーを本当にオスカー側が承諾するなら、テキサス・チェーンソーで5つに切って分けたい気持ちだ」と他のノミネート監督と栄光を分かち合いたいと言ったことをシャロン・チェはこのように通訳した。
ここで注目すべきは、『テキサス・チェーンソー』だ。
普通なら「power saw」または「electric saw」と訳すところだが、シャロン・チェはポン監督が特別に“テキサス”と付けたのを知り、「power saw」の代わりに「chainsaw(チェーンソー)」と訳したのだった。
アメリカのホラー映画のクラシックでありながら、教科書と呼ばれる『テキサス・チェーンソー』の原題が、「Texas Chainsaw Massacre」だったからだ。
ポン監督が、アメリカの映画関係者なら誰もが知っているこの『テキサス・チェーンソー』を取り上げながら機転を利かせたとともに、ハリウッドに敬意を表そうとする意図を完ぺきに察知し、通訳したのだ。
映画を専攻した映画監督として、彼女が背景知識を持っていたからこそ可能な通訳だったのではないだろうか。
ポン監督が“言語のアバター”と褒め称えたシャロン・チェは、もうすぐ映画監督として製作に乗り出すという。これからは通訳者としてだけでなく、映画監督として会える日が楽しみである。

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